高石市情報公開審査会答申第26号
(教育委員会協議会議事録の公文書不存在)

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○ 高石市職員労働組合が2006年2月以降(8月4日まで)の教育委員会の議事録と教育委員会協議会の議事録を情報公開請求したところ、教育委員会協議会の議事録について公文書不存在による非公開決定を受けました。このため異議申立てを行い、このほど高石市情報公開審査会から答申が出されたものです。答申は、教育委員会の行った公文書不存在による非公開決定は妥当であるとしていますが、教育委員会に対して、情報公開条例第27条第1項に規定された適正な文書管理を行う努力義務に違反したことについて反省を求めるとともに、情報公開条例の目的を達成するために適切に文書を作成し、保存するよう強く要請するとしています。


                             答申第26号(諮問第44号)
                                高石総庶第20387号
                                 平成20年1月16日

 高石市教育委員会 様

                                高石市情報公開審査会
                                会長 清 原 泰 司

                答  申  書

 平成18年10月2日付け高石教委総第2698号で諮問のあった「@2006年2月以降の教
育委員会議事録、A2006年2月以降の教育委員会協議会議事録」の公文書公開請求(以下
「本件請求」という。)に対する「2006年2月以降の教育委員会協議会議事録」(以下「本
件文書」という。)の公文書不存在による非公開決定(以下「本件処分」という。)につい
て、次のとおり答申する。

異議申立人  高石市職員労働組合 執行委員長 小倉望
被異議申立人  実施機関 高石市教育委員会

1 審査会の結論

 実施機関の行った本件処分は妥当である。しかし、実施機関には、高石市情報公開条例
(以下「本条例」という。)第27条第1項に規定された適正な文書管理を行う努力義務に
違反したことについて反省を求めるとともに、本条例の目的を達成するために適切に文書
を作成し、保存するよう強く要請するものである。

2 異議中立ての趣旨及び経過

(1) 異議中立ての趣旨

 本件異議申立ての趣旨は、異議申立人が行った本件請求に対して実施機関の行った本件
処分を取消し、本件文書を公開するとの決定を求めるというものである。

(2) 経過

 異議申立人は、本条例第6条第1項の規定に基づいて、実施機関に対して2006年8月4
日付けで本件請求を行った。
 実施機関は、本件請求のうち本件文書について、本条例第I1条第2項の規定に基づいて
公文書不存在による非公開決定を行い、平成18年8月18日付け高石教委総第2355号で異
議申立人に通知した。
 異議申立人は、行政不服審査法第6条の規定に基づいて、実施機関に対して2006年8
月30日付けで異議申立てを行った。
 実施機関は、平成18年10月2日付け高石教委総第2698号で高石市情報公開審査会(以
下「審査会」という。)に諮問した。

3 異議申立人の主張の要旨

 異議申立人の主張は、異議申立書、反論書、口頭意見陳述及び再反論書によると、概ね
次のとおりである。

(1) 学校給食調理業務の委託問題の重要性について

 学校給食調理業務の委託は、前市長時代の2000年に作成された高石市行財政改革実施計
画で高石市が方針として打ち出したもので、推進しようとする実施機関とこれに反対する
保護者・市民とが激しく対立してきたが、2003年の市長選挙で新市長が当選すると委託の
方針は凍結され、専門家や保護者等により構成される子育て支援懇談会により議論され、
2004年12月に報告書が提出された。この報告書では、学校給食調理業務の委託について、
今後検討する必要がある、とされていたところ、2006年2月に作成された第三次高石市財
政健全化計画案において、2007年度に1校、2009年度に1校委託し、検証しながら順次委
託していくとの方針が決定され、2006年5月2日の高石市行財政改革推進本部及び2006
年5月10日の教育委員会定例会で業者委託を正式に決定し、2006年7月12日の教育委員
会定例会で、高石小学校と高陽小学校の2校の委託が決定された。
 実施機関は、経費削減を目的に学校給食調理業務の委託を実施しようとしているが、委
託に反対する側は、主に、直営を維持するよりも2校委託時で毎年2000万円、3校委託時
で毎年3000万円の経費増になること、委託により給食の質が低下したという事例が多数あ
り、高石市でもそのような事態を招くおそれがあること、学校給食の教育的役割の低下に
つながること、の3点を主張して、委託に反対する運動を行ってきた。これに対し、実施
機関は、委託を予定している高石小学校と高陽小学校であわせて7回の保護者説明会を開
催したほか、保護者向け説明文書の配布やアンケート調査も行ってきた。また、高石市議
会でも、2006年2月に開催された行財政改革調査特別委員会、5月に開催された総務文教
委員会、6月に開催された定例会などで繰り返し審議されてきた。さらに、2006年7月、
I1月、12月の3回にわたって住民監査請求も行われている。このように、学校給食調理業
務の委託問題は、教育委員会が委託の方針を決定した2006年5月12日の前後を通じて、
保護者や市民を巻き込む市政運営上の重要な事項であり続けた。

(2) 教育委員会協議会について

 公開請求により入手した教育委員会定例会(請求対象の期間中に臨時会は開かれていな
い。)の議事録によると、2006年2月から学校給食調理委託業務実施に開する基本方針(以
下「委託基本方針」という。)を決定した5月10日の教育委員会定例会までの間に、教育
委員会定例会で学校給食調理業務の委託問題が議論されたことは1回もない。委託基本方
針が決定された5月10日の定例会ですら、事務局の提案の後、質問も議論も全くないまま
異議なしで委託基本方針が決定されている。5月2日に行財政改革推進本部が開催される
前の時点で、実施機関から、4月21日に教育委員会協議会があり、そこで来年度から2校
を委託するとの計画が確認されたので、5月2日の行財政改革推進本部に諮る、との説明
を受けている。前述のように、学校給食調理業務の委託問題は重大な問題となっていたの
であるから、5月10日の教育委員会定例会において、質問もなく、議論もしないまま委託
基本方針を決定するというようなことは、およそ考えられない。現に、委託予定校を決定
した7月12日の教育委員会定例会では、かなりの議論がされている。弁明書によると、教
育委員会協議会とは、教育委員会定例会又は臨時会に先立って開かれ、日程等の説明や意
見交換がされる場と位置づけられている。すなわち、学校給食調理業務の委託問題に係る
実施機関の議論は、実質的に教育委員会協議会で行われたのではないかと強く推測される
のであって、学校給食調理業務の委託問題が実施機関でどのように議論されたのかは、教
育委員会定例会又は臨時会の議事録ではなく、教育委員会協議会の議事録を見なければわ
からない。
 また、審査会の質問に対する実施機関の回答書によると、教育委員会協議会のうち、4
月5日開催は説明のみであったが、4月21日開催、5月10日開催及び7月12日開催は説
明、打合わせ、意見交換が行われ、開催時間は、4月5日開催は45分間、5月10日開催は
30分間開催され、7月12日開催は数十分間開催されたと推測されるのに対し、4月21日
開催は、回答書には書かれていないが、教育委員会定例会の前ではなく、後に育委員会臨
時会も予定されておらず、議題が4月5日開催と同じ「学校給食調理委託業務実施に関す
る基本方針(案)の策定について」であることから、相当の時間をかけて開催された特別
の教育委員会協議会であったと推測される。

(3) 実施機関の適切な文書管理義務について

 本条例第1条は、「市政の公正な運営を確保し、市民の市政への参加及び市の保有する情
報が市民生活において積極的に活用されることを推進」するという目的を掲げ、この規定
を受けて本条例第27条は、「この条例の適正かつ円滑な運用に資するため、公文書の作成、
取得、保存又は廃棄を適切に行うよう努めなければならない」と規定している。そして、
高石市教育委員会事務局処務規程で準用される高石市公文書管理規則は、第3条第3号に
おいて「文書事務の適正かつ円滑な遂行及び情報公開条例の目的の達成を妨げることのな
いよう、必要な公文書の作成又は取得を怠ることがあってはならない。」と規定している。
高石市公文書管理規則は、高石市文書取扱規程を廃止して制定された規則で2003年5月に
施行されている。これは、高石市公文書管理規則が、本条例の制定を受け、本条例の目的
である知る権利の保障と市が説明責任を全うすることを実質的に保障することをも目的に
制定されたものであることを示している。
 以上の公文書管理の基本原則からすると、教育委員会協議会の議事録は、当然作成され
るべきものである。弁明書は、教育委員会協議会という名称は便宜上のもので規則上位置
づけられていないから本件文書を作成しなかったという説明をしているが、これは、上記
のとおり議事録を作成しなかった理由にはならない。
 「清高幼稚園の移管先を慈光学園に決定した選考委員会の会議録」の公文書不存在によ
る非公開決定に係る異議申立てにおいて、審査会は、平成14年11月28日付け答申第18
号で、請求に係る文書は存在しないとの判断をしつつも「本件会議録が存在しないという
ことは、市民に対する実施機関の説明責務が果たされていないということであって、本条
例の趣旨、目的を逸脱しているというべきである。さらに、第1回目から第4回目までの
会議録がすべて作成されているにもかかわらず、選考委員会のすべての会議の中で最も重
要であると思われる本件会議のみ会議録が作成されていないということは、社会通念上考
えがたいことであって、実施機関の責任は重いといわざるを得ない。したがって、実施機
関が本件会議録を作成しなかったことは、同項に規定する適正な文書管理を怠ったといわ
ざるを得ず、当審査会は、実施機関に対して、当該義務違反について反省を求めるととも
に、公文書の管理を適切に行うよう強く要請するものである。」との意見を述べている。こ
の答申以降、高石市公文書管理規則が制定され、文書管理が強化されているにもかかわら
ず実施機関が本件文書を作成しなかったとすれば、異常な事態である。

(4) まとめ

 以上から、ア.市政運営上の重要事項である学校給食調理業務の委託は、教育委員会定例
会ではなく、教育委員会協議会で実質的に議論されたと推察され、委託基本方針が実施機
関でどのように議論されたかを知るためには本件文書を見るしか方法がないこと、イ.高石
市公文書管理規則には、本条例の目的の達成を妨げることのないよう、必要な公文書の作
成又は取得を怠ることがあってはならないと規定されていること、ウ.過去の審査会答申に
おいて、実施機関に対して、適正な文書管理をするよう強く要請されていたことから、本
件文書、特に4月21日分は存在するものと考えられる。仮に存在していないとすれば、実
施機関は、審査会の答申を無視した上に本条例や高石市公文書管理規則に違反する文書管
理をしていたことになる。

4 実施機関の主張の要旨

 実施機関の主張は、本件処分通知書、弁明書、口頭理由説明及び審査会の質問に対する
実施機関の回答書によると、概ね次のとおりである。

(1) 教育委員会協議会について

 教育委員会協議会は、教育委員会の定例会又は臨時会の前に、例えば、午前9時30分か
ら始まる教育委員会定例会であれば、教育委員が来庁してくる午前9時過ぎから教育委員
会定例会が始まるまでの間に開かれる。日程等の説明、会議の進め方、関係課長からの報
告、教育行政に開する意見交換、行政全般に開する意見交換等を行っている。教育委員会
協議会は、規則等により位置付けされたものではなく、名称についても便宜上、教育委員
会協議会という呼称が使われているに過ぎない。以上から教育委員会協議会の内容を公文
書として記録するべき必要性の事由は認められず、議事録の不存在は何ら責められるべき
ものではない。
 学校給食調理業務の委託については、子育て支援懇談会からの意見の提出を受け、平成
18年5月10日の教育委員会定例会で委託基本方針を決定したが、委託基本方針が決定さ
れる前から行財政改革推進本部で行財政改革の一つとして委託するという方針があった。
前市長のときに学校給食調理業務を委託するという方向性があり、教育委員にもその方向
性はあったと認識している。
 この問題については、教育委員会定例会ですべての資料を出し、協議され、その議案・
議事録は、公開請求があれば応えてきた。また、委託の検討経過は、その都度教育委員に
報告し、教育委員会協議会に対して中間報告等を行っているが、教育委員会協議会の議事
録は、従前より作成していない。
 教育委員会協議会は、通常は教育委員会定例会と同じ日に、定例会開催の前に開催され
るが、平成18年4月21日の1回だけ別の日に2時間程度行った。教育委員会定例会も臨
時会も議案の議決を得る会議であるが、4月21日の教育委員会協議会は、説明する場で議
決を得るものではないので臨時会としなかった。

(2) 審査会の質問に対する実施機関の回答書の要旨

@ 平成18年2月1日から同年8月4日までの間の学校給食調理業務の委託問題が議題と
 され、又は議論された教育委員会定例会、臨時会及び協議会の開催日、会議の種類及び
 内容

 会議の開催日   会議の種類        内容
平成18年4月5日   協議会   委託基本方針案策定について説明
平成18年4月21日   協議会   委託基本方針案策定について説明
平成18年5月10日   協議会   定例会の議案の事前説明、打合わせ又は意見交換
平成18年5月10日  5月定例会  議案第1号「学校給食調理委託業務実施に関する基本
                 方針の策定について」、議案第2号「高石市学校給食
                 調理業務委託業者選定委員会設置要綱の制定につい
                 て」
平成18年7月12日   協議会   定例会の議案の事前説明、打合わせ又は意見交換
平成18年7月12日  7月定例会  報告第2号「学校給食調理業務委託校の選定について」

A 平成18年2月1日から同年8月4日までの間の教育委員会協議会の開催日、開催時間、
 議題及び内容

   開催日       開催時間          議題・内容
平成18年4月5日  午前9時頃〜午前9時45分  委託基本方針案策定について説明
平成18年4月21日  午後2時30分〜       委託基本方針案策定について説明
平成18年5月10日  午前9時〜午前9時30分   定例会の議案の事前説明、打合わせ又
                        は意見交換
平成18年7月12日      −         定例会の議案の事前説明、打合わせ又
                        は意見交換

B 平成18年4月21日開催の教育委員会協議会を教育委員会定例会又は臨時会の前に開
 かれる通例の協議会ではない特別の協議会として開催した理由及び教育委員会臨時会と
 して開催しなかった理由

 学校給食調理業務の委託について、これまでの経過及び委託基本方針決定のスケジュー
ル・内容の説明に止め、議決を得る案件として取り扱わないと判断したため。

C 平成18年4月21日開催の教育委員会協議会の開催通知日及び開催通知の方法並びに
 当日の開催時間、事務局からの報告内容、教育委員による議論の内容及び決定の内容

開催通知日                不明
開催通知の方法              電話
開催時間                 午後2時30分〜
事務局からの報告内容           委託基本方針案の説明
教育委員による議論の内容、決定の内容   事前説明、打合わせ又は意見交換

D 平成18年4月21日開催の教育委員会協議会の議事録を作成しなかった理由

 教育委員会協議会は、事前説明、打合わせ又は意見交換の場であるため、議事録は作成
するものではない。

E 平成18年5月10日開催の教育委員会定例会の議題の事前説明の日、時間、方法及び
 内容並びに教育委員による議論の内容

事前説明の日                 平成18年5月10日
説明の時間                  午前9時〜午前9時30分
説明の方法・内容、教育委員による議論の内容  教育委員会定例会の案件の事前説明、
                       打合せ又は意見交換

5 審査会の調査結果について

 審査会は、本条例第21条第4項の規定に基づいて、事務局職員をして、平成19年9月
19日に、公用ファイル(平成18年度)である「調査報告書」綴り、「庶務」綴り、「復命
書」綴り、「予算関係1」綴り、「出張命令簿」綴り、「旅費・時間外」綴り、「情報公開請
求」綴り、「会議録」綴り、「学校保健庶務」綴り、「給食庶務」綴り、「学校給食会」綴り、
「学校給食衛生管理」綴り、「学校給食重要N0.1」綴り、「学校給食重要N0.2」綴り、「委託関
係(契約)N0.1」綴り及び「委託関係(契約)N0.2」綴りを閲覧させ、さらに、任意で教育
部長、教育部次長兼教育総務課長及び教育総務課参事兼課長代理の個人ファイルを閲覧さ
せた。その結果、いずれのファイルにも本件文書又は本件文書に関連する文書は存在しな
かった。

6 審査会の判断

 審査会は、異議申立人及び実施機関の主張並びに調査結果を検討した結果、次のとおり
判断する。

(1) 本件文書の存否について

 実施機関の説明によると、平成18年2月1日から公開請求のあった平成18年8月4日
までの間に教育委員会協議会は4回開催され、そのいずれにおいても学校給食調理業務の
委託に関係する事項が案件とされている。そして、実施機関は、これらの教育委員会協議
会の議事録を作成しなかった理由を、教育委員会協議会は、教育委員会定例会又は臨時会
の議案の事前説明、打合わせ又は意見交換の場として設定され、議決を得るものではない
ので議事録は作成しなかったと説明している。この説明の本件文書を作成しなかった理由
としての当否は別として、この説明自体には一応矛盾はないこと、審査会の調査でも本件
文書は発見できなかったことから、本件文書は存在しないものと判断する。

(2) 公文書の適正な管理について

@ 学校給食調理業務の委託について

 異議申立人及び実施機関の説明によると、学校給食調理業務の委託については、過去何
年にもわたって委託を推進しようとする実施機関に対して異議申立人等による委託に反対
する運動が行われ、実施機関においては、教育委員会定例会における議案の審議だけでは
なく、教育委員会協議会でも繰り返し、説明、打合わせ、意見交換が行われた他、子育て
支援懇談会、行財政改革推進本部等でも検討され、保護者等に説明されてきたことが認め
られる。すなわち、学校給食調理業務の委託は、反対運動に対処する目的があったかどう
かはともかく、実施機関の内外で審議、検討され、関係者にも説明され、相当程度時間を
かけて対応してきたことが認められるのであって、このことは、学校給食調理業務の委託
が、実施機関において重要な課題であったことを示している。

A 教育委員会協議会について

 異議申立人が公開を求めているものは、2006年2月1日以降の教育委員会協議会の議事
録(本件請求があった日は、平成18年8月4日)である。
 実施機関の説明によると、教育委員会協議会では、一般的には、教育委員会定例会又は
臨時会の日程等の説明・会議の進め方、関係課長からの報告、教育行政に関する意見交換、
行政全般に関する意見交換等が行われ、学校給食調理業務の委託に関しては、検討経過が
その都度報告され、中間報告等も行われている。教育委員会協議会は、平成18年2月以降
公開請求のあった平成18年8月4日までの間に4回開催され、そのいずれにおいても学校
給食調理業務の委託が議題とされている。開催時間は、4月5日開催は45分間、5月10
日開催は30分間、4月21日開催は2時間開催され、7月12日開催は、実施機関からの回
答はないが、教育委員会定例会前に聞かれているところから30分間程度開催されたものと
推測される。すなわち、教育委員会協議会は、通常、短時間の開催ではあるが、単なる雑
談や儀礼的な懇談に止まらず、教育行政や行政全般を含めて一定程度実質的な説明、報告、
意見交換が行われているものと考えられる。とりわけ、平成18年4月21日に開催された
ものは、実施機関は委託基本方針案の説明のみと説明しているが、教育委員会定例会又は
臨時会の前に開催される通常の協議会ではなく、わざわざ教育委員会定例会又は臨時会の
開催が予定されていない日に開催されたこと、開催時間は、通常の教育委員会協議会が30
分間程度であるのに対して、2時間もの時間をかけて行われたこと、4月5日に開催された
教育委員会協議会の議題である委託基本方針案が引き続いて議題とされたこと、異議申立
人から資料として提出された議事録によると、5月10日の教育委員会定例会では、委託基
本方針案の説明はされたものの教育委員から事務局に対する質問も意見交換もなかったこ
とから、4月21日に開催された教育委員会協議会は委託基本方針案の説明に止まったとの
実施機関の説明は不自然であり、説明だけでなく、教育委員と事務局との質疑応答や教育
委員間の意見交換も行われたものと推測される。

B 結論

 実施機関は、前述のとおり、学校給食調理業務の委託を重要な課題として位置づけ、各
機関で検討し、相当の時間をかけた対応を行っている。本件請求の対象となっている平成
18年2月1日から平成18年8月4日までの間に開催された4回の教育委員会協議会のい
ずれにおいても議題とされ、その中でも4月21日開催のものは、2時間もかけて行われて
いる。すなわち、委託基本方針は、教育委員会定例会や教育委員会協議会で説明や意見交
換が行われてきたが、とりわけ、委託基本方針が決定された5月10日の教育委員会定例会
の直前に開催された4月21日開催の教育委員会協議会は、時間をかけて、説明だけでなく
質疑応答や意見交換も行われたと推測されるところから、本来は、議事録を作成するべき
重要な教育委員会協議会であったと考えられる。
 本条例は、市の保有する情報を公開することによって、市民の知る権利を保障し、市が
説明責務を果たすことを目的とし、市民に、公文書の公開を求める権利を保障したもので
ある。そして、本条例の適正かつ円滑な運用に資するため、本条例第27条第1項は、実施
機関に、公文書の作成、取得、保存及び廃棄を適切に行うよう努力義務を課している。ま
た、高石市公文書管理規則第3条第3号及び第5号は、情報公開条例の目的の達成を妨げ
ることのないよう、必要な公文書の作成又は取得を怠ってはならず、作成又は取得された
公文書は、必要な期間保管又は保存しなければならないと規定している。
 以上から、学校給食調理業務の委託の検討経過や内容について、市民その他学校給食関
係者には知る権利があり、実施機関には、市民その他学校給食関係者に対して説明するべ
き責務があるのであって、実施機関が教育委員会協議会の議事録を作成しなかったのは、
本条例第27条第1項に規定する適正な文書管理を行うべき努力義務に違反するものと判断
する。実施機関は、教育委員会協議会は議決を得るようなものではないので議事録を作成
しなかったと主張しているが、本条例の趣旨、目的からいって、このような実施機関の主
張は、妥当ではない。
 異議申立人が主張しているように、審査会は、平成14年11月28日付け答申第18号で
高石市立幼稚園移管に係る選考委員会の議事録の不存在について、本条例第27条第1項に
規定する適正な文書管理を行う努力義務に違反したとして実施機関に反省を求め、適正な
文書管理を行うよう要請したところであり、また、平成15年5月に公文書管理規則が施行
され、文書管理が強化されたのであるが、同様の事態が繰り返された。さらに、教育委員
会協議会では、一定程度実質的な説明、報告、意見交換が行われていたと考えられるとこ
ろから、議事録を作成しない教育委員会協議会で実質的な決定をした上で、教育委員会定
例会又は臨時会を関催していたのではないかとの疑念も生じる。本来作成され、保存され
るべき文書が存在しないのは、市民の知る権利を保障し、市に説明責務を果たさせるとい
う本条例の目的をないがしろにし、本条例による情報公開制度を崩壊させてしまうことに
もなりかねない。
 よって、審査会は、実施機関に真摯な反省を求めるとともに、本条例の目的を達成する
ために適切に文書を作成し、保存するよう強く要請するものである。

○ 審査の経過

平成18年10月 2日  諮問
     11月27日  弁明書の受理
     12月20日  反論書の受理
平成19年 2月 5日  口頭意見陳述、口頭理由説明
      6月14日  審議
      7月26日  実施機関からの回答書の受理
      8月21日  再反論書の受理
      9月10日  審議
      9月19日  調査の実施
     11月 9日  審議
平成20年 1月11日  審議
      1月16日  答申

(2008.1.17 掲載)

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