学校給食において民間ノウハウを生かした衛生管理が行われている市等のわかる文書の不存在による非公開決定異議申立に係る反論書と弁明書

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○ 高石市教育委員会は、学校給食調理業務の業者委託に係る保護者説明会で、他市では民間ノウハウを生かした衛生管理が行われている旨の説明をしたため、高石市職員労働組合は、いずれの市において民間ノウハウを生かした衛生管理が行われているのか、民間ノウハウを生かした衛生管理とはどのようなものかを知ろうとして公開請求を行いました。ところが、教育委員会は、文書が存在しないとして非公開決定をしました。このため、教育委員会に異議申立(当初は、公開請求が放置されたことによるみなし非公開決定に対する異議申立)を行い、高石市情報公開審査会に諮問されていましたが、教育委員会から情報公開審査会に弁明書が提出されたため、異議申立人から情報公開審査会に反論書を提出したものです。ここに掲載しているのは、その反論書と教育委員会の弁明書中の「弁明の理由」部分です。


<異議申立人の反論書>

2007年8月7日

高石市情報公開審査会 様

異議申立人           
高石市職員労働組合     
執行委員長  小 倉  望 

反  論  書

 平成19年7月12日付、高石教委総第5867号の弁明書について、次のとおり反論する。

1 異議申立に係る処分

 みなし非公開決定を変更した高石市教育委員会(以下「市教委」という。)の平成18年12月28日付、高石教委総第3828号による異議申立人に対する公文書不存在による非公開決定。

2 趣旨

 平成18年12月28日付、高石教委総第3828号による異議申立人に対する公文書不存在による非公開決定を取り消し、異議申立人が公開を求めている文書全てを公開するとの公文書公開決定をするべきとの答申を求める。

3 理由

@ 繰り返される市教委の虚偽説明

 まず、はじめに、情報公開とは直接の関係はないが、本件公開請求及び異議申立の背景にある市教委の虚偽説明について説明する。
 本件公開請求は、学校給食調理業務の業者委託に関し、市教委が、他市では民間ノウハウを生かした衛生管理が行われている旨を保護者に対して説明したため、いずれの市において民間ノウハウを生かした衛生管理が行われているのか、民間ノウハウを生かした衛生管理とはどのようなものかを知ろうとして行ったものである。これまでの市教委とのやり取りで、他市とは泉大津市で、民間ノウハウとは調理のドライ方式のことと判明したが、そもそも、ドライ方式と民間ノウハウとは何の関係もない。調理には、床が濡れるウエット方式と濡れないドライ方式があり、ドライ方式の方が衛生上好ましいとされ、文部科学省もドライ方式を推進している。したがって、直営でもウエット方式を行っている学校とドライ方式を行っている学校とがあり、委託でもウエット方式を行っている学校とドライ方式を行っている学校とがある。ところが、市教委は、保護者に対して、衛生上好ましいドライ方式をあたかも民間ノウハウを生かした衛生管理であるかのような説明をし、保護者に対して直営よりも民間委託の方が衛生上好ましいとの印象付けをした。すなわち、虚偽説明により、保護者世論を民間委託賛成又は容認に誘導したのである。こどもの教育を所管する市教委としては、あまりにも誠意のない姑息な手段である。
 また、これ以外にも、市教委は、次のように虚偽説明を繰り返してきている。
ア 市教委は学校給食調理業務を業者委託する理由として、当初は、効率化(=経費節減)のためと説明していたが、市教委が自ら行った委託後3年間の経費試算によると、経費が増加していた。
イ 3年間の経費の増加が明らかになると、市教委は、短期的には高くなるが長期的には安くなると説明を変更した。しかし、市教委は長期的な経費試算をしていなかった。また、市職労が長期の経費試算をすると、8年間で2億円以上も委託の方が高くなることがわかった。さらに、全校委託の経費で、配置基準と同数の29名(正規職員14名と臨時職員15名)の調理員を雇用することができることもわかった。長期的にも委託による経費節減効果は全くないどころか経費増大効果しかないことが明らかになった。
ウ 短期的にも長期的にも委託による経費節減効果がないことが明らかになると、市教委は、給食の質と安全を確保するためには調理員が全員正規職員でなければならず、経費比較は、調理員が全員正規職員である直営と委託とを比較するべきで、そのような比較をすると直営の方が高くなると説明を変更した。しかし、委託先には各校4名の調理員中2名しか常勤を求めていない。市教委の考え方に従えば、直営校においては給食の質と安全が確保されるが、委託校においては確保されないことになる。その後、市教委は、市職労に対する説明会の席上、給食の質と安全を確保するためには調理員全員が正規職員でなければならないとすることに根拠がないことを認めた。
 市教委は、学校給食調理業務を委託する理由を次々と変えた。これは、虚偽説明を繰り返したのも同然である。

A 弁明書は文書が不存在であることを説明していないので弁明書の再提出を求める

市教委の弁明書によると、他市の民間ノウハウ(前述のとおり民間ノウハウではなくドライ方式による調理方法のことであるが。)を生かした衛生管理を視察したときの復命書は、「高石市職員服務規則第11条第2項ただし書の規定により復命書の作成を省略し、これを口頭で上司に報告した」としている。すなわち、高石市教育委員会の所管に属する職員の給与、勤務時間その他の勤務条件に関する規則により準用される高石市職員服務規則第11条第2項は、「出張した職員は、帰庁後速やかに復命書(様式第6号)により上司に報告しなければならない。ただし、特別の場合又は軽易な事項は、口頭でこれをすることができる。」と規定し、出張した職員には、復命書を作成し、上司に報告する義務を課しているのであるが、例外として、特別の場合と軽易な事項は、復命書の作成を省略し、口頭で済ますことも可能としている。ところが、市教委の弁明書は、適用規則及び条文を示すだけで、復命書の作成を省略したのは、特別の場合に該当するのか又は軽易な事項に該当するのか、また、特別な場合又は軽易な事項に該当する理由については全く説明していない。これでは、異議申立人は反論のしようがない。したがって、市教委には、復命書の作成を省略したのは、特別の場合か軽易な事項かいずれに該当するのか明らかにした上で、該当すると判断した理由を記載した弁明書の再提出を求める。

B 市教委の説明を仮定した上で反論する

 前述のとおり、市教委は、復命書の作成を省略した理由について、適用規則及び条文を示しただけで具体的には何も説明していないので、市教委が「民間ノウハウを生かした衛生管理の視察は、学校給食の衛生管理上重要な事項ではなく、高石市職員服務規則第11条第2項に規定する軽易な事項に該当するので復命書は作成しなかった。」と説明したと仮定して次のとおり反論する。

ア.高石市職員服務規則に基づいて復命書は作成されているはずである

 学校給食の衛生管理は、食中毒等の事故を防止するために重要な事項である。文部科学省は、調理現場における衛生管理について、調理の手順等を詳細に定めた「学校給食衛生管理の基準」を定め、市教委は、この基準に基づく「高石市学校給食衛生管理マニュアル」を作成し、調理現場では、このマニュアルに定められた手順に従って調理が行われている(※)。学校給食の安全を確保する心臓部が衛生管理であり、それを具体的に担保するものが衛生管理マニュアルである。
 市教委は、泉大津市に民間ノウハウ(前述のとおり民間ノウハウではなくドライ方式による調理方法のことであるが。)を生かした衛生管理を視察しに行ったのであるが、これは、学校給食調理業務の業者委託を前にして、業者委託で調理が行われている実情を確認しようとする意味があり、その視察内容は、高石市で実施しようとしている業者委託に係る衛生管理にとって重要な(その衛生管理が重要な内容であればもちろん、重要でないのであればその重要でないという事実が重要である。)内容であったと考えられる。したがって、視察者は、復命書を作成し、上司に報告し、あわせて、学校給食事務を担当している部下や同僚にも報告したはずである。仮に、復命書が作成されていないのであれば、上司や部下、同僚は口頭の報告のみしかされていなかった又は報告すらされていなかったことになるが、それでは、「民間ノウハウを生かした衛生管理」の内容が視察者の記憶にしか残らず、時間の経過とともに記憶の内容が曖昧になったり、忘れられたりし、また、視察者以外は視察内容を知らないということにもなり、適正に学校給食調理業務の委託に係る衛生管理が行われなかったり、人事異動があっても引継ぎできないなどという事態が生じる可能性が高い。しかし、学校給食の安全を確保する心臓部にあたる衛生管理の実情を視察してきて復命書が作成されていないというような不適切な事務執行は、行政機関における事務執行として、一般的にあり得ない。学校給食の安全を確保する心臓部である衛生管理の視察内容は、高石市職員服務規則第11条第2項の「軽易な事項」には該当せず、復命書は作成されているはずである。本当に復命書が作成されていないのであれば、高石市職員服務規則第11条第2項に違反する。
 また、保護者説明会において、市教委は、「他市では、委託業者でドライ対応も行い、民間ノウハウを生かした衛生管理が行われている」という説明をしているが、復命書がないのであれば、この説明は、視察者の記憶に頼った説明であり、説明内容が正確であったかどうか何の担保もないことになる。しかし、市教委がこのような杜撰な説明をすることは、行政機関としては本来あり得ない。したがって、復命書は作成されているはずである。

※ 「高石市学校給食衛生管理マニュアル」と「高石市学校給食衛生管理マニュアル」(参考資料)がある。「高石市学校給食衛生管理マニュアル」(参考資料)は、これまで使われてきた「高石市学校給食衛生管理マニュアル」が簡易すぎるため、市職労から、詳細かつ具体的な衛生マニュアルの作成を求めていたところ、新たに作成されたものである。

イ.高石市情報公開条例及び高石市公文書管理規則により復命書は作成されているはずである。

 高石市情報公開条例第27条は、「実施機関は、この条例の適正かつ円滑な運用に資するため、公文書の作成、取得、保存及び廃棄を適切に行うよう努めなければならない。」と規定し、高石市教育委員会事務局処務規程で準用される高石市公文書管理規則第3条は、文書管理の基本原則として「事務は、原則として公文書により処理しなければならない。」、「文書事務の適正かつ円滑な遂行及び情報公開条例の目的の達成を妨げることのないよう、必要な公文書の作成又は取得を怠ることがあってはならない。」等と規定している。すなわち、必要な文書が作成されていないのであれば、情報公開条例があったとしても情報公開は絵に描いた餅に終わることから、このような規定が整備されたのである。したがって、高石市職員服務規則第11条第2項もこのような観点から解釈されなければならず、同項に規定する「軽易な事項」とは、事務処理上の必要性からのみならず、説明責任や知る権利など情報公開条例の目的を達成する必要性からも判断されなければならない。
 前述のとおり、学校給食の衛生管理は学校給食の安全を確保する心臓部であり、保護者説明会でも質問が出されるなど小学校保護者の間でも関心の高い事項である。したがって、本件視察内容は、前項で述べたとおり事務処理上必要であったことはもちろん、保護者や市民に対しても説明が必要な事項であったと考えられる。したがって、情報公開条例及び公文書管理規則の規定から、本件視察に係る復命書は作成されているはずである。本当に作成されていないのであれば、情報公開条例及び公文書管理規則に違反する。

4 結論

 学校給食で最も重要なのは安全の確保である。その安全は衛生管理を適切に行うことによって確保される。他市にその衛生管理を視察しに行って復命書を作成していないというようなことは、およそ考えられない。したがって、本件視察に係る復命書は存在し、公開されなければならない。


<高石市教育委員会の弁明書中の「弁明の理由」部分>

民間ノウハウを生かした衛生管理については、給食調理業務委託を進めるにあたって、近隣市で業務委託を行っている現況を視察する必要があったためで、視察先当該校においては半ドライ方式による給食調理を含めた衛生管理マニュアルによって独自の安全衛生管理が徹底されている事例の説明を担当職員から口頭で説明を受けたものである。2006年10月5日の説明会は業務委託に関わる安全衛生の問題、正職調理員の配置の状況、財政問題等々について行ったものであり、加えて近隣市の給食調理業務委託の実態を書類等によらず、他市における事例として口頭で説明した。
 また、本事例の聴取についての復命は、高石市職員服務規則第11条第2項ただし書の規定により復命書の作成を省略し、これを口頭で上司に報告したことから、民間ノウハウを生かした衛生管理が行われている市とその衛生管理の内容の分かる公文書は存在しない。

(2007.8.9 掲載)

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高石市職員労働組合 「高石まちづくり情報」
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