学校給食調理業務について現状より正規職員を減らすと給食の質を維持することは困難であると判断した根拠の公開決定異議申立に係る反論書と弁明書

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○ 高石市教育委員会は、学校給食調理業務について現状よりも正規職員を減らすと給食の質を維持することは困難であると判断していますが、その根拠のわかる文書の公開請求に対して教育委員会は、@児童数別・喫食数別の調理員配置基準、A平成13年度から平成21年度までの喫食数、配置基準、正規職員数、臨時職員数及び退職者数の経緯と推計、B調理員の年齢構成の3種類の資料を公開しました。しかし、これらの資料からは、正規職員が減ることはわかりますが、それにより給食の質を維持することが困難になることは読みとれないため、他に公開すべき文書があるとの趣旨の異議申立てをしていました。ここに掲載したものは、高石市情報公開審査会に提出された異議申立人である高石市職員労働組合の反論書と教育委員会の弁明書です。


<異議申立人の反論書>

2007年3月26日

 高石市情報公開審査会 様

異議申立人           
高石市職員労働組合     
執行委員長  小 倉  望 

反  論  書

 平成19年3月2日付、高石教委総第4956号の弁明書について、次のとおり反論する。

1 異議申立に係る処分

 高石市教育委員会(以下「市教委」という。)の平成19年1月9日付、高石教委総第4450号による異議申立人に対する公文書公開決定

2 趣旨

 平成19年1月9日付、高石教委総第4450号による異議申立人に対する公文書公開決定を取り消し、異議申立人が公開を求めている文書全てを公開するとの公文書公開決定をするべきとの答申を求める。

3 理由

3-1 本件公開請求に係る文書の意義について

 はじめに、本件公開請求に係る文書の意義について述べる。
 市教委は、2006年5月に、2007年4月から小学校の学校給食調理業務を委託する方針を決めた。委託する理由は、「効率的な学校給食の運営を図る」(学校給食調理委託業務実施に関する基本方針)こと、すなわち、経費の節減を目的に委託することとされたのであるが、異議申立人が、委託した方が、定年退職する正規職員の調理員を臨時職員の調理員で代替して直営を維持するよりも、2校委託時で年2000万円、3校委託時で年3000万円、8年間で2億円を超える負担増となり、しかも、全校委託の場合の経費と全校直営の場合の経費とがほぼ同じであるので、将来にわたって委託による経費節減効果はまったくないとの試算を明らかにすると、市教委は、単なる経費比較ではなく、委託経費と調理員全員を正規職員とした場合の直営経費とを比較するべきで、そういう比較では委託経費の方が安いという説明をした。そういう比較をする理由は、給食の質と安全を確保するためには、調理員が全員正規職員でなければならないというものである。例えば、2006年11月に保護者に配布したアンケート回答には、「これ以上正職員配置を減らす事は、給食の質を維持する事すら困難であると判断しております」、「今後調理職員の定年退職等により現状のままですと11名不足することになり、現在の給食の質を維持することすら困難な状況であると考えています」と記載している。
 このように、市教委が委託を進める唯一の理由が、給食の質と安全を確保するためには調理員が全員正規職員でなければならないという考え方を前提にした経費比較であることから、給食の質と安全を確保するためには調理員が全員正規職員でなければならないということを説明できる文書が存在しなければならない。
なお、市教委は、異議申立人に、委託業者には調理員全員を正規職員とするべきという義務付けはしないと説明している。委託仕様書によると、委託される高石小学校、高陽小学校とも配置すべき調理員は4名とし、そのうち常勤は2名との条件しか付けていない。市教委の考え方にしたがえば、この仕様書では、給食の質と安全を確保することはできないことになる。

3-2 公開された文書について

 既に異議申立書で述べたところであるが、公開された文書は、児童数別・喫食数別の調理員配置基準、平成13年度から平成21年度までの喫食数、配置基準、正規職員数、臨時職員数及び退職者数の経緯と推計、調理員の年齢構成の3種類の資料のみである。これらの資料からは、既に正規職員の調理員数が配置基準を下回っていること、新規採用をしなければ、将来にわたって正規職員の調理員数が配置基準に不足するということがわかるだけで、配置基準をすべて正規職員の調理員としなければ給食の質と安全を確保することができないということは全く読みとれない。給食の質と安全は、異物混入等の事故発生状況、冷凍食品や調理済み食品の使用状況、調理作業における衛生基準の遵守状況、検食等により評価されるべきであるが、そのような資料は公開された文書中には全くない。また、これらの給食の質と安全に関する資料と、正規職員か非正規職員かという調理員の雇用形態とを関連づける資料も全くない。

3-3 本件公開請求に係る文書の存在について

 以上のとおり、本件公開請求に係る文書は、公開された文書以外にも存在することが強く推定され、市教委も文書が存在することを自ら認めている。すなわち、市教委の弁明書は、次のように述べている。「高石市教育委員会が公開決定した「給食調理員配置基準」は、安全で衛生的な給食調理を維持するため文部科学省が定めた基準を基に高石市教育委員会が策定したものである。その運用にあたっては、原則的には全て正職員を充てることで配置基準を守るべきであるとされている」。「原則的には全て正職員を充てることで配置基準を守るべきであるとされている」としたその根拠こそが、異議申立人が公開請求した文書である。市教委は、「原則的には全て正職員を充てることで配置基準を守るべきであるとされている」と言った以上、それを説明する文書を持っていなければならない。
 文部科学省(当時は文部省)は、1985年に「学校給食業務の運営の合理化について」という通知を全国の都道府県教育委員会に出し、学校給食業務の運営の合理化を自治体に要請している。その中で、「地域の実情等に応じ、パートタイム職員の活用、共同調理場方式、民間委託等の方法により、人件費等の経営経費の適正化を図る必要があること」とパートタイム職員の活用を求め、具体的に「ア パートタイム職員の勤務日数及び1日の勤務時間は、常勤の職員のそれと明確に異なるものとすること。イ パートタイム職員に対しては、必要に応じて適切な研修を行うこと。」と勤務・研修のあり方も明らかにしている。このように文部科学省はパートタイム調理員の活用を推進していることから、市教委弁明書の「原則的には全て正職員を充てることで配置基準を守るべきであるとされている」のは、市教委独自の考え方に基づくものと考えられる。したがって、市教委は、そのような考え方に至ったことを裏付ける資料を持っていなければならない。

4 結論

 市教委が学校給食調理業務の委託を進める唯一の理由は、委託経費と調理員を全員正規職員とした場合の直営経費とを比較すると直営経費の方が高いというもので、そのような比較方法を取ったのは、給食の質と安全を確保するためには調理員が全員正規職員でなければならないという考え方に基づく。公開された配置基準や正規職員の調理員数だけでは給食の質と安全を確保するためには調理員が全員正規職員でなければならないということは読み取れないので、異議申立書や本反論書で説明してきたような文書が存在するはずで、公開されなければならない。


<高石市教育委員会の弁明書中の「弁明の理由」部分>

 異議申立人は、2−(3)−@異議中立の理由のとおり教育委員会が公開決定を行った「給食調理員配置基準」及び「学校給食調理委託業務実施に開する基本方針参考資料1」について、「児童数別・喫食数別の調理員配置基準、平成13年度から平成21年度までの喫食数、配置基準、正規職員数、臨時職員数及び退職者数の経緯と推計、調理員の年齢構成の3種類の資料のみであって、これらの資料からは、正規職員が減ると給食の質が維持できないとする根拠は全く読み取れない。
 これらの資料からは、正規職員数が配置基準に不足することはわかるが、正規職員数と給食の質との関係を読み取ることは不可能である。市教委は、これまで、保護者に対するアンケートのみでなく、我々高石市職員労働組合に対しても、給食の質を維持するためには調理員が正規職員でなければならないと繰り返し説明してきたので、それを根拠付ける資料は必ず持っているはずであり、公開されなければならない。」としている。
 しかし、高石市教育委員会が公開決定した「給食調理員配置基準」は、安全で衛生的な給食調理を維持するため文部科学省が定めた基準を基に高石市教育委員会が策定したものである。その運用にあたっては、原則的には全て正職員を充てることで配置基準を守るべきであるとされているが、退職等に伴い正職員だけて配置基準を満たすことができない学校については、臨時的任用職員を補充し、かつ、パート調理員の配置を行って正職員不足の補完に努め、喫食数の多い学校で配置職員の休暇が出た際にパート調理員の補充を行うという工夫で各校の配置基準を維持してきた経緯がある。
 また、同時に公開決定した「学校給食調理委託業務実施に関する基本方針参考資料1」における平成21年度までの正職員数の推移をみると、今後は「給食調理員配置基準」を満たす正職員の配置はより困難となり、「安全で衛生的な給食調理」を維持することが難しくなることは明らかである。
 以上のことから「給食調理員配置基準」及び「学校給食調理員委託事業実施に関する基本方針参考資料1」をもって、高石市教育委員会が「これ以上正職員配置を減らす事は、給食の質を維持する事すら困難であると判断しております。」、「今後調理職員の定年退職等により現状のままですと11名不足することになり、現在の給食の質を維持することすら困難な状況であると考えています。」と判断したことは至当である。

(2007.3.28 掲載)

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高石市職員労働組合 「高石まちづくり情報」
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