教育総務課補正予算要求書等の部分公開決定異議申立てに係る反論書と弁明書

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○ 高石市職員労働組合が高石市教育委員会に対して、2006年9月議会に提案した教育総務課に係る補正予算の予算要求書と説明資料等の付属書類の公開請求を行ったところ、部分公開決定を受けました。このため、異議申立を行い、高石市情報公開審査会に諮問されていましたが、教育委員会から情報公開審査会に弁明書が提出されたため、異議申立人から情報公開審査会に反論書を提出したものです。ここに掲載しているのは、その反論書と教育委員会の弁明書中の「弁明の理由」部分です。

<反論書>

2007年2月5日

高石市情報公開審査会 様

異議申立人          
高石市職員労働組合    
執行委員長  小 倉  望

反  論  書

 平成19年1月10日付、高石教委総第3337号の弁明書について、次のとおり反論する。

1 異議申立に係る処分

 高石市教育委員会(以下「市教委」という。)の平成18年8月30日付、高石教委総第2575号による異議申立人に対する公文書部分公開決定

2 趣旨

 平成18年8月30日付、高石教委総第2575号による異議申立人に対する公文書部分公開決定を取り消し、公開決定をするべきとの答申を求める。

3 理由

3-1 本件弁明書は、弁明書としての内容を備えていないので、弁明書の再提出を求める。

 弁明書とは、異議申立について、実施機関が、公開しなかった理由を詳しく具体的に説明する文書であるが、本件弁明書には、「予算要求書及び説明資料には、入札に係る予定価格の積算根拠とする数字が多数含まれている。従って、全部公開すると、容易に予定価格の試算が可能となり、適正な契約事務が期待できない。」としか記載されていない。一方、部分公開決定通知書中の部分公開をした理由には「市が直接積算、見積を行った部分であり、今後当該上記業務に係る契約事務を行う際、かなり具体的に予定価格が推測され、同事務の適正な遂行に支障がある」と記載されている。すなわち、弁明書に記載されていることの具体性、詳細性は、部分公開決定通知書に記載されていることと同じレベルであって、ごく簡単に部分公開をした理由を説明をしたものでしかない。弁明書には、本来、非公開部分を非公開部分ごとに、そこにどのような内容のことが書かれているのか、その部分が公開されるとどのようにして予定価格が推測されるのか、予定価格が推測されると具体的にどのような問題が生じるのか、それが条例のいずれの条項に該当するのか等が詳しく説明されていなければならないが、本件弁明書には、そのようなことは全く説明されていない。これは弁明書ではなく、もう一度部分公開決定通知書を発行したに過ぎない代物である。部分公開された文書の中には表の枠外にも黒塗り部分のあるものがあるが、そこに何が書かれているのか全く説明されていない。これでは反論のしようがない。したがって、異議申立人は、次のことを記載した弁明書の再提出を市教委に強く求める。市教委から弁明書が再提出されたなら、改めて反論書を提出する。

@ 公開されなかった部分に記載されている内容
A 当該部分が公開されるとどのようにして予定価格が推測されるのかの説明
B 予定価格が推測されると具体的にどのような問題が生じるのかの説明
C その問題が情報公開条例のどの条項に該当するのかの説明

3-2 非公開の立証責任は市教委にあるが市教委は立証していない。

 情報公開条例は、市民に知る権利を保障すること及び実施機関に説明責任を果たさせることを目的としており、公文書は、公開されることが原則であって、非公開は例外とされる。したがって、公開請求のあった公文書を公開の例外として非公開にするのであれば、その立証責任は実施機関にあると解される。
 部分公開決定通知書及び弁明書には、前項のとおり、ごく簡単な説明しか書かれておらず、立証責任が果たされたとは到底いえない。よって、本件文書は、公開されなければならない。

3-3 本件弁明書に反論する。

 本件弁明書について、次のとおり反論する。なお、市教委は非公開部分の内容を説明していないので、本件反論書は、非公開部分の内容を推測又は仮定した上で作成した。したがって、推測又は仮定が事実から外れているのであれば、実質的に反論書を提出したことにはならない。したがって、そのようなときは、異議申立人に反論書を再提出する権利があることの確認を求める。
 はじめに、非公開部分を公開すると具体的かつ容易に予定価格が推測されるかどうかという点について反論し、次に、予定価格が推測されると契約事務に支障が生じるかどうかという点について反論する。

3-3-1 非公開部分を公開すると具体的かつ容易に予定価格が推測されるかどうかについて

3-3-1-1 非公開部分とその内容(推測又は仮定を含む。)は次のとおりである。

@ 18年度、補正第2号、歳入予算補正見積書、小学校、都市計画費補助金、住宅・建築物耐震改修等事業補助金中、今回補正額の積算基礎、今回補正額見積、充当先金額
・内容 事業費の額、国庫補助率、国庫補助額

A 18年度、補正第2号、歳入予算補正見積書、中学校、都市計画費補助金、住宅・建築物耐震改修等事業補助金中、今回補正額の積算基礎、今回補正額見積、充当先金額
・内容 事業費の額、国庫補助率、国庫補助額 
 
B 18年度、補正第2号、歳出予算補正見積書、小学校、小学校校舎等耐震診断業務委託料中、今回補正額の積算基礎、今回要求額見積
・内容 委託料の額

C 18年度、補正第2号、歳出予算補正見積書、中学校、中学校校舎等耐震診断業務委託料中、今回補正額の積算基礎、今回要求額見積
・内容 委託料の額

D 高石市立小・中学校耐震診断実施状況中、各校、各棟別のコア試験費、耐震化優先度調査、一次診断(計算書あり)、一次診断(計算書なし)、枠外の記載
・内容 各調査ごとの委託料の額、枠外は委託料の合計額と国庫補助率・国庫補助金の額と仮定

E 債務負担行為について中、高石小学校、高陽小学校それぞれの一食単価、各校ごとの委託料、各校ごとの委託料を合算した額
・内容 上記のとおり

F 学校給食調理委託料学校別見積金額一覧表中、見積金額、1食当たり単価
・内容 各校ごとの委託料の1食単価、各校ごとの委託料見積額、枠外は委託を予定している2校分の委託料見積額を合算した額と仮定

3-3-1-2 予定価格が決定されるまでの過程は、次のとおりである。

ア 設計書、仕様書等に基づいて必要な資機材の量、作業量等を見積もり単価を掛けて事業費を算定する。
イ アで算定した事業費を基に財政部門に予算要求をする。
ウ 予算要求を査定し(最終の査定は市長)、予算案を作成する。
エ 予算案は市議会で議決されて予算となる。
オ 予算に基づいて権限のある職員がアの積算を参考に予算の範囲内で予定価格を決定する。

3-3-1-3 予算以外で予定価格を具体的かつ容易に推測できることが可能な情報について説明する。

 予定価格は、予算の範囲内で決定される。予算は、アで積算された事業費と同額とは限らず、財政事情、予算編成過程での事業内容の変更、補助金との関係などさまざまな事情により、事業費よりも上回ることもあれば下回ることもある(圧倒的に同額又は下回る場合が多い。)ので、予定価格の推測は、予算の方がアで積算された事業費よりもより具体的かつ容易にできるはずである。したがって、アで積算された事業費から予算案までのいずれの情報も、予算よりもより具体的かつ容易に予定価格を推測できる情報ではない。予算よりもより具体的かつ容易に予定価格を推測できる情報として可能性があるのは、アの積算で使われた資機材の量、作業量等と単価である。確かに、アで使われてた資機材の量、作業量等と単価がわかれば、予算を参考にそれぞれの数字を上下させ、ある程度具体的に予定価格を推測することができる可能性はある(しかし、積算の結果としての予算が公開されるのであるから、資機材の量、作業量等と単価を公開しないことにどれほどの意味があるかわからないが。)。したがって、一応、アで使われた資機材の量、作業量等と単価を予定価格を具体的かつ容易に推測できる情報としておく。

3-3-1-4 本件非公開部分は、前項で説明した予定価格を具体的かつ容易に推測できる情報にはあたらない。

 3-3-1-1の@からFの情報について、順次見ていく。

 @とAは、アの事業費に相当するものと国庫補助率、国庫補助額であって、予定価格を具体的かつ容易に推測できる情報ではない。
 BとCは、アの事業費に相当するものであって、予定価格を具体的かつ容易に推測できる情報ではない。
 Dは、一見、アの資機材の量、作業量等と単価のように見えるが、耐震診断業務ををコア試験、耐震化優先度調査、一次診断(計算書あり、計算書なし)の各業務に分解して記載しただけのもので、アの資機材の量、作業量等と単価に相当するものではなく、予定価格を具体的かつ容易に推測できる情報ではない。
 EとFは、1食単価は、一見、アの資機材の量、作業量等と単価に相当するもののように見えるが、この1食単価は、単に他市の委託例から計算した1食単価と推測され(これまで、市教委は、1食単価を150円として委託料を試算している旨、繰り返し、保護者、教育委員、市議会、市職労等に説明し、資料も配布している。)、資機材の量、作業量等と単価に相当するものではない。資機材、作業量等と単価に相当するものは、1食単価の基となる積算で用いられる数量と単価、すなわち、給食調理業務に必要な職種別人数と給与費単価、委託会社の負担となる消耗品等の必要量と単価、事務費等である。各校ごとの委託料及び各校の合計額はアに相当する事業費である。したがって、いずれの非公開部分も予定価格を具体的かつ容易に推測できる情報ではない。
 以上のとおり、本件文書の非公開部分は、予定価格を具体的かつ容易に推測できる情報にはあたらない。なお、Dの枠外には、35,000コア試験費単価という記載があるが、市教委の主張からは、この数字は非公開としなければならないはずである。

3-3-2 予定価格が推測されると契約事務に支障が生じるかどうかについて

 市教委は説明していないが、予定価格の公開(事前公開と理解しておく。)による契約事務の支障とは、談合を容易にすることと思われる。確かに、予定価格が事前に公開されると、談合を行って予定価格に近い額で応札することが容易になることが考えられる。しかし、一般競争入札を活用する、指名競争入札でも指名業者がお互いにわからないよう入札手続きを行うこと等により談合を防止することは可能であり、予定価格が公開されたからといって談合が容易になるというものではない。現に、国土交通省の調査によると、2005年10月1日現在で、予定価格の事前公表をしている自治体は32.4%、事前公表と事後公表を併用している自治体は21.6%、両方をあわせると過半数の自治体で予定価格の事前公表又は事前公表と事後公表の併用が行われている。そして、事前公表、事前公表と事後公表の併用のいずれもが、前年よりそれぞれ6.4ポイント、3.1ポイント増加しており、事前を含む予定価格の公表は大きな流れとなってきている。高石市においても、2007年2月1日から一定額以上の請負契約について、予定価格の事前公表制度が設けられた。市教委は、弁明書で「本市では予定価格の公表制度を採用していないことを考慮すると当然の措置である」と主張しているが、そのような前提は既になくなっている。

4 結論

 これまで、予算要求書とそれに附属する予算見積書は、個人情報を除いて繰り返し公開されてきた。予算要求書と予算見積書の全ての公開を求めたこともあったが、個人情報を除いて公開された。予算要求書と予算見積書の公開により、、談合が誘発されるなど契約事務の適正な執行に支障が生じたとは聞いていない。市教委が今回に限って個人情報ではない部分を公開しなかったのは、これまでの経過からして異常な対応である。
 以上、市教委は、部分公開が違法ではないことを具体的に立証していないこと(したがって、異議申立人の反論に困難が生じた。)、非公開部分は、予算から推測されるよりもより具体的かつ容易に予定価格を推測できるような情報にはあたらないこと、仮に予定価格が具体的に推測されても談合を容易にするものではないこと、これまで、本件公開請求と同種の予算要求書とそれに附属する予算見積書が個人情報を除いて公開されてきたが、それにより契約事務に支障が生じるようなことはなかったことから、本件公開請求に係る文書を部分公開にする理由は全くなく、公開されなければならない。

<教育委員会の弁明書中の「弁明の理由」部分>

 異議申立人は概ね以下の理由をもって本件公文書部分公開決定の違法性を主張している。
(1) 「かなり具体的に予定価格が推測され、同事務の適正な遂行に支障がある」として、部分公開された文書中の公開されなかった部分からは具体的な予定価格を推測することは困難である。
(2) 予算という予定価格がより推測しやすい情報が公開されているのに、推測が困難な予算の要求書を部分公開することは矛盾している。
(3) かねてより予算要求書及び予算見積書は、個人情報を除いて繰り返し公開され、それにより予定価格が具体的に推測されたことも適正な事務の遂行に支障があったことを聞いておらず、今回に限って予算要求書と予算見積書を部分公開に止める合理性がない。
(4) 具体的に予定価格を推測できる情報を公開すると事務の適正な遂行に支障があるのかどうかという点についても慎重な検討が必要であるが、予定価格を公表している自治体すらある。
 しかし、公文書部分公開決定通知書にも記載されているように、今回の予算要求書及び説明資料には、入札に係る予定価格の積算根拠とする数字が多数含まれている。従って、全部公開すると、容易に予定価格の試算が可能となり、適正な契約事務が期待できない。本市では予定価格の公表制度を採用していないことを考慮すると当然の措置である。
 以上のことから、今回の部分公開決定は至当である。

(2007.2.6 掲載)

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