高石市教育委員会協議会議事録の不存在による非公開決定異議申立に係る反論書と弁明書

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○ 高石市職員労働組合が高石市教育委員会に対して教育委員会協議会の議事録の公開請求を行ったところ、文書が存在しないとして非公開決定を受けました。このため、異議申立を行い、高石市情報公開審査会に諮問されていましたが、教育委員会から情報公開審査会に弁明書が提出されたため、異議申立人から情報公開審査会に反論書を提出したものです。ここに掲載しているのは、その反論書と教育委員会の弁明書中の「弁明の理由」部分です。

<異議申立人の反論書>

2006年12月20日

 高石市情報公開審査会 様

異議申立人           
高石市職員労働組合     
執行委員長  小 倉  望 

反  論  書

 平成18年11月27日付、高石教委総第3251号の弁明書について、次のとおり反論する。

1 異議申立に係る処分

 高石市教育委員会の平成18年8月18日付、高石教委総第2355号による異議申立人に対する公文書不存在による非公開決定

2 趣旨

 平成18年8月18日付、高石教委総第2355号による公文書不存在による非公開決定を取り消し、公開決定をするべきとの答申を求める。

3 理由

 学校給食調理業務の業者委託問題は市政運営上の重要事項であるので、委託方針等については教育委員会の会議において議論されるべきものであるが、委託方針を決定した2006年5月12日の教育委員会定例会を挟む2006年2月から6月までの教育委員会の会議の議事録を見る限りでは、そのような形跡がない。したがって、学校給食調理業務の業者委託問題は、教育委員会の会議ではなく教育委員会協議会で議論されたものと推測される。高石市情報公開条例及び高石市公文書管理規則によると、市民に知る権利を保障し、教育委員会が説明責任を果たすという情報公開条例の目的を達成するために、教育委員会には、文書を適切に作成、取得し、適切に保管する義務が課せられている。したがって、学校給食調理業務の業者委託問題という市政運営上の重要事項が議論された教育委員会協議会の議事録は作成されているはずであり、当該議事録は、情報公開条例の非公開事項には該当しないと思われるので、公開されなければならない。以下、詳述する。
※ 教育委員会定例会と臨時会を教育委員会の会議と表現した。

@ 学校給食調理業務の業者委託問題の重要性について

 異議申立書で述べたとおり、かねてより学校給食調理業務の業者委託問題は、推進しようとする教育委員会とこれに反対する保護者・市民とが激しく対立してきた。我々高石市職員労働組合を含む委託に反対する側は、主に、@教育委員会は、経費削減を目的に調理業務の業者委託を実施しようとしているが、委託は、直営を維持するよりも2校委託時で毎年2000万円、3校委託時で毎年3000万円の経費増になる、A委託により給食の質が低下したという事例が多数あり、高石市でもそのような事態を招くおそれがある、B食育基本法の制定など学校給食の教育的役割の重要性が増している中で調理業務を委託することは、学校給食の教育的役割の低下につながる、の3点を主張して、ビラの配布、署名活動、集会の開催など調理業務の委託に反対する運動を行ってきた。これに対し、教育委員会は、委託を予定している高石小学校と高陽小学校であわせて7回の保護者説明会を開催したほか、保護者向け説明文書の配布やアンケート調査も行ってきた。また、高石市議会でも、この問題は、2006年2月に開催された行財政改革調査特別委員会、5月に開催された総務文教委員会、6月に開催された定例会などで繰り返し審議されてきた。さらに、2006年7月、11月、12月の3回にわたって住民監査請求も行われている。このように、学校給食調理業務の業者委託問題は、教育委員会が委託方針を決定した2006年5月12日の前後を通じて、保護者や市民を巻き込む市政運営上の重要な事項であり続けたのである。

A 教育委員会協議会について

 公開請求により入手した教育委員会の会議の議事録によると、2006年2月から委託方針を決定した5月12日の定例会までの間に、教育委員会の会議で学校給食調理業務の業者委託問題が議論されたことは1回もない。委託方針が決定された5月12日の定例会ですら、事務局の提案の後、質問も議論も全くないまま委託方針が決定されている。前項で述べたように、学校給食調理業務の業者委託問題は、保護者や市民を巻き込む重大な問題となっていたのであるから、教育委員会が、この問題について、事務局に質問もせず、議論もしないまま委託方針を決定するというようなことは、およそ考えられない。現に、委託予定校を決定した2006年7月12日の教育委員会定例会では、事務局を含めてかなりの議論がされている。弁明書によると、教育委員会協議会とは、教育委員会の会議に先立って開かれ、日程等の説明や意見交換がされる場と位置づけられている。すなわち、学校給食調理業務の業者委託問題は、教育委員会の会議ではなく、教育委員会協議会で議論されたのではないかと強く推測されるのである。そうであるなら、市政運営上の重要事項である学校給食調理業務の業者委託問題が教育委員会でどのように議論されたのかは、教育委員会の会議の議事録ではなく、教育委員会協議会の議事録を見なければわからないということになる。

B 教育委員会の適切な文書管理義務について

 情報公開条例前文によると、情報公開条例は、「市民の知る権利を保障し、市の説明責務を果たす」ことを目的に制定されている。そして、この目的を実質的に意味あるものとするため、第27条第1項で、実施機関は、「公文書の作成、取得、保存及び廃棄を適切に行うよう努めなければならない」ものとされ、同条第2項で、「公文書の管理に関し必要な基本的事項についての定めを設け」るものとされた。そして、この規定に基づいて公文書管理規則が制定され、文書管理の基本原則として、第3条第3号で、「文書事務の適正かつ円滑な遂行及び情報公開条例の目的の達成を妨げることのないよう、必要な公文書の作成又は取得を怠ることがあってはならない」、同条第5号で、「公文書は、文書事務の適正かつ円滑な遂行及び情報公開条例の目的の達成を妨げることのないよう、必要とされる期間保管又は保存しなければならない」と規定されたのである。
 いかに情報公開条例上、市民に知る権利が保障され、実施機関に説明責任が課せられたとしても、文書が作成されていない、取得されていない、必要な期間保管されていない、というようなことであれば、知る権利も説明責任も絵に描いた餅である。情報公開条例第27条や公文書管理規則第3条は、このような事態を防ぎ、実質的に知る権利を保障し、実施機関に説明責任果たさせる役割を持っているのである。
 弁明書によると、教育委員会協議会の議事録を作成していない理由として、@教育委員会協議会は規則等により位置づけられたものではないこと、A名称は便宜上教育委員会協議会の呼称が使われているに過ぎないこと、の2点を挙げている。しかし、これらのことは、議事録を作成していない理由にはならない。議事録を作成する必要があるかどうか、いつまで保管すべきかなどは、情報公開条例や公文書管理規則の規定から、、執務上の必要性のほか、市民に知る権利を保障することや実施機関が説明責任を果たすことの必要性から判断されるべきであって、会議が規則等で規定されているか否かとか、会議の名称が便宜上の呼称か否かとかいうようなことで判断されるべきものではない。
 また、公文書管理規則第10条は、「電話、口頭等文書によらずに情報を受領したときは、必要に応じて当該情報を記録した公文書を作成しなければならない。」と規定している。口頭でやり取りした情報であっても、情報公開条例の目的を達成するために必要があれば、文書を作成しておかなければならないのである。こういう点からいっても、会議が規則等で定められているかどうか、名称が便宜上のものであるかどうかが、文書を作成するかしないかの判断基準になり得ないのは明らかである。

C 結論

 学校給食調理業務の業者委託問題は市政運営上の重要事項であることから、教育委員会協議会においてこの問題が議論されていることが強く推測され、、情報公開条例第27条と公文書管理規則第3条の規定から議事録が作成されていないとは考えらず、公開されなければならない。仮に、教育委員会協議会の議事録が作成されていないとすれば、教育委員会協議会で学校給食調理業務の業者委託問題という重要な事項が議論されていることを知った上で議事録を作成しなかったという極めて悪質な情報隠しである。高石市情報公開審査会におかれては、情報公開条例第21条の調査権限を行使して厳正な審査を行うよう要請するものである。



<高石市教育委員会の弁明書中の「弁明の理由」部分>

3 弁明の理由
 異議申立人は、教育委員会協議会における議事録が不存在であることについて、高石市文書管理規則第3条第3号の規定「文書事務の適正かつ円滑な遂行及び情報公開条例の目的の達成を妨げることのないよう、必要な公文書の作成又は取得を怠ることがあってはならない。」及び高石の子どもを守る市民連絡会が行った「情高幼稚園の移管先を慈光学園に決定した選考委員会の会議録」の公文書不存在による非公開決定に係る異議申し立てにおいて貴審査会がなされた判断中「高石市情報公開条例第27条第1項に規定された適正な文書管理を行う努力義務に違反したことについて反省を求めるとともに、今後は公文書の管理を適切に行うよう強く要請するものである。」の判断を引用し、本件公文書を公開するとの決定を求めている。
 しかし、教育委員会協議会は、教育委員会会議の開催に先立って事前に日程等の説明する場、あるいは教育行政に関する意見交換する場として取り行われるものである。また、当協議会は、規則等により何ら位置付けされたものでなく、名称そのものについても便宜上、協議会の呼称が使われているに過ぎない。以上のことから当協議会の内容を公文書として記録するべき必要性の事由は認められず、議事録の不存在は何ら責められるべきものではない。

(2006.12.25 掲載)

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