市役所で働くパート職員に雇い止め提案、
パート職員の雇い止めを阻止しましょう!

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         市役所で働くパート職員に雇い止め提案
         パート職員の雇い止めを阻止しましょう!

 2月23日に高石市長から職員労働組合に対して、パート職員の雇い止め提案がありま
した。市長からの申し入れ文書によると、パート職員の雇用について次のような問題があ
るとしています。@長期反復して同一の雇用を繰り返している、A民間の雇用情勢の悪化
を受け職を失った人等に均等に就労の機会を提供できていない、B高齢化が進んでいる、
Cその他。しかし、これらの理由は、雇い止めの理由として明らかに正当性を欠いていま
す。

 第一は、パート職員の雇用形態の問題です。パート職員は、正規職員の大幅削減により
経常的業務を担当する職員としてやむを得ず制度化されたもので、長期反復して同一の雇
用を繰り返しているのは、パート職員の地方公務員法上の位置づけが明確ではないために
やむを得ず講じられている措置です。地方公務員法の欠陥を本市のパート職員の雇用形態
に問題があるかのごとく主張するのは論理のすり替えです。

 第二は、パート職員の失業問題です。市長が認めているとおり、雇用情勢は厳しい状況
にあります。大阪府の有効求人倍率は、0.59しかありません(2010年12月、大阪労働局)。
中高年者の求人は一層厳しいと思われます。雇い止めになると次の職を得るのは難しく、
雇い止めされたパート職員は失業者となる可能性が高いと思われます。担当業務がなくな
ったなどやむを得ない理由があるならともかく、担当業務が依然として存在しているのに、
単にパート職員と失業者等を入れ替えるだけのことに正当性はありません。

 第三は、失業者等に対する雇用の機会均等の問題です。失業者等に均等に就労の機会を
提供できていないとの市長の主張は、前記のとおり、単にパート職員と失業者等とを入れ
替えるだけのことであり、正当性はありません。福祉の増進を図るべき自治体のすべきこ
とは、失業者等に対する就労支援や新たな仕事づくりなどであり、パート職員と失業者等
との入れ替えではないはずです。また、失業者等に均等に就労の機会を提供するというな
ら、その論理は、パート職員に限らず、非常勤嘱託員や正規職員などにも妥当するはずで
す。なぜ、今回はパート職員に限って雇い止めを提案したのでしょうか。

 第四は、パート職員の高齢化の問題です。市長は、高齢化が進んでいるのが問題だと主
張していますが、高齢化が進んでいるのはパート職員だけではありません。活力が失われ
るのではないか、業務遂行がマンネリ化しないか、といった問題の生じるおそれのあるこ
とは認めます。しかし、日本全体が高齢化していく中で、中高年層の職員の経験、熟練を
生かした仕事の仕方を工夫することこそが高齢化社会にあって求められることです。高齢
化したから入れ替えるということではないはずです。そのようなことをしていたら高齢化
社会は破綻してしまいます。

 第五は、パート職員の入れ替えによる事務執行上の問題です。ベテランパート職員がい
なくなり短期雇用の経験の乏しいパート職員ばかりになると、効率的に、かつ、水準の高
い仕事が維持できなくなるという問題が生じます。民間委託されている高陽小学校の調理
業務について受託業者調理員の入れ替わりと勤務時間数を調べたところ(年齢と性別で同
一人か別人かを判断しましたので正確ではありませんが。)、配置されている調理員7人(一
時期6人。)が2008年5月1日から2010年3月31日までのほぼ2年の間に、異動回数は5
回、転出者は9人、転入者は9人、責任者の異動は3回、2年間継続して勤務した者は2
名となっています。1日あたりの延べ勤務時間数は、46.25時間です。仮に高陽小学校給
食を直営で調理したとすると、配置される調理員は正規職員3人、パート職員1人の合計4
人、1日あたり延べ勤務時間数は29.60時間となります(2009年度)。直営の方が人数も
勤務時間数もかなり少なくなります。このことからわかることは、職員の入れ替わりが激
しくて経験を積んだ熟練の職員が少ない場合は、多数の人員と多くの時間を投入するとい
う人海戦術にならざるを得ないのではないかということです。また、常に新規採用職員が
職場に配置されることになり、正規職員にとっても新人教育に多くの時間を割かざるを得
なくなり、全体として仕事を、水準を保ったまま効率的に遂行することが難しくなること
になります。

 第六は、本市の業務を受託している業者で働く労働者への悪影響の問題です。「行革」
により、業務の民間委託や指定管理者制度の導入が進みました。これらの業務の発注先は
入札や応募業者に対する評価により決定されますので、契約期間、指定期間終了後同一の
業者が次も受託できるとは限りません。すなわち、受託業者の労働者は、不安定雇用にな
らざるを得ない面があります。このことは、その労働者だけの問題ではなく、長期に勤務
して経験を積み、技能や技術の向上を図ることが難しくなり、ひいては市民サービスの低
下につながりかねないという問題も持っています。したがって、受託業者が入れ替わって
もその業務に就労している労働者は継続してその業務に就労できるようにすべきことが課
題となっています。ところが、パート職員の雇い止めは、このような課題の解決に逆行す
るものとなります。

 第七は、パート職員の将来設計の問題です。一定の期間で雇い止めとなり、その後の職
は保障されず、失業者となる可能性が高いとなると、将来の生活設計が成り立たず、パー
ト職員は、住宅ローンは組めず子どもの学資も確保できないということになりかねません。
雇用者責任や福祉の増進を図るべき自治体責任はどうなるのでしょうか。不安定雇用を作
り出すのが福祉の増進を図るべき自治体のすることでしょうか。

 第八は、パート職員の意欲の問題です。パート職員自身、一定の期間で正当な理由のな
い雇い止めがあるとなると、仕事に対する意欲を持ち続けることができるでしょうか。技
能や技術を身に付け、向上しようという意欲を持ち続けることができるでしょうか。これ
は、仕事の水準にも関わる問題で、市民サービスの低下にもなりかねない問題です。

 第九は、非常勤嘱託員、正規職委員への波及問題です。市長の挙げた雇い止め理由は、
パート職員のみに該当することではありません。雇い止めがパート職員に導入されると次
に非常勤嘱託員に拡大されるのは必至です。他市では、本市の非常勤嘱託員に相当する職
員に雇い止めが制度化されているケースがあります。また、将来、地方公務員法の改正に
つながって、正規職員の雇い止めの制度化に進む可能性がないとはいえません。パート職
員の雇い止めは、非常勤嘱託員や正規職員にとっても重大問題であり、ワーキングプア社
会に生きる次の世代の重大問題でもあります。

 パート職員の雇い止め問題は、福祉の増進を図るべき自治体、すなわち社会に蔓延して
いるワーキングプアの解消を図るべき自治体が自らワーキングプアを実行しようというも
ので、断じて許すことはできません。

(2011.3.9 掲載)

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高石市職員労働組合 「高石まちづくり情報」
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