第4次高石市総合計画基本計画案に係る意見

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○ 第4次高石市総合計画基本計画案について、高石市職員労働組合が高石市に提出した意見です。


                              2010年11月15日

 高石市長 阪 口 伸 六 様

                           高石市職員労働組合     
                           執行委員長 堀 川 和 貴 

        第4次高石市総合計画基本計画案に係る意見について

 第4次高石市総合計画基本計画案に係る意見を次のとおり提出します。なお、本意見は、
基本計画案についてあらゆることを網羅的に取りまとめたものではありませんので、今後
とも必要に応じて随時意見を提出することがあることを申し添えます。

○ はじめに
 2010年11月15日を提出期限に第4次高石市総合計画基本計画案に係るパブリッ
クコメントが実施されています。本総合計画は10年間を計画期間とする高石市の基本的
な計画であり、計画策定にあたっては市民やさまざまな団体の参加を得て議論がされ、合
意形成が図られる必要があると考えます。したがって、意見提出は、パブリックコメント
の枠に限られず、さまざまな形式、方法があってしかるべきです。本意見は、パブリック
コメントの手続きに基づいて提出するものではありませんが、基本計画策定にあたっては、
十分参考にしていただくよう要請します。

○ 全体
 基本計画は向こう10年間の具体的な施策が記載される重要な計画です。したがって、
パブリックコメントや審議会の審議、シンポジウムだけではなく、十分に時間をかけて市
民や市内のさまざまな団体の意見を聴き、市民の納得と合意に基づいて策定するべきです。
 率直に感想を述べれば、全体的に内容が乏しいといわざるを得ません。これは、基本計
画案を、時間をかけて、庁内や市民、さまざまな団体と議論を重ねて作ってきたのではな
く、拙速に作成したからです。今高石市で何が問題となっているのか、その原因は何か、
それを解決するために何をするべきか、また、人間都市たかいしを作っていくために柱と
なる施策は何かなど、時間をかけて体系的に整理し、内容を豊かにしていくべきです。
 高石市は、これまで7小学校、7幼稚園、7保育所、7公民館を基本に公共施設の整備
を進めてきました。これは、まちづくりの基本単位を小学校区に置いたからです。しかし、
その方針は既に崩れています。まちづくりの基本単位をどう設定するかは重要であり、本
基本計画においても明らかにするべきです。

○ 3ページ
 「民間活力の導入等による保育の充実、待機児童の解消に努め」とありますが、そもそ
も、公立保育所民営化の検証はされていません。また、例えば、高石保育所の民営化の場
合は、市職労の試算では、高石市は年1400万円もの負担増となっています。つまり、
子どものために使える市の財政がそれだけ減ったということです。民間活力云々は根拠の
ない単なる憶測にすぎないので削除するべきです。

○ 4ページ
 「新たな保育制度を含めた」とありますが、新たな保育制度は、まだ政府において検討
中です。したがって、新たな保育制度が制度化されることを前提とした記載は削除し、本
市として求められる子育て支援の理念とそれに基づく施策、本市の責務を記載するべきで
す。
 高石市幼児教育のあり方検討委員会から3歳児保育の試行的な実施を検討するべきとの
意見が出されています。公立幼稚園における3歳児保育の早急な試行とその試行を検証し
た上での実施を記載するべきです。
 「幼稚園の適正規模の確保のため再編を進める」、「幼児期の教育における適切な集団規
模の確保」とありますが、まずは統廃合を前提としないで保護者や市民の参加による検討
(集団規模の確保のみではなく多面的な検討)を行うべきです。
 幼稚園園舎の耐震化は記載がありますが、保育所園舎の耐震化は記載されていません。
保育所園舎の耐震化も記載するべきです。それとも、公立保育所は全廃するのでしょうか。
そうであるなら公立保育所の全廃には強く反対します。

○ 5、6ページ
 「保育所、幼稚園、小・中学校等の連携を進めます」、「幼稚園、保育所、小・中学校等
の連携教育の推進」とありますが、幼稚園や保育所を次々と民営化し、私立幼稚園、私立
保育所が多くなってきています。私立幼稚園には市外の子どもも通っています。このよう
な条件の中で私立幼稚園、私立保育所とどのように連携するのか、具体的に記載するべき
です。

○ 7、8ページ
 「市民の自発的な学習意欲を醸成し、誰もが生涯学習や青少年健全育成への関わりを通
じて生きがいを持ち、心豊かに暮らせるまちづくりをめざします」とありますが、公民館
の廃止・縮小が既に行われています。基本計画案と実際に行われていることとが矛盾して
います。社会教育法第3条は、次のように規定しています。「国及び地方公共団体は・・
社会教育の奨励に必要な施設の設置及び運営、集会の開催、資料の作製、頒布その他の方
法により、すべての国民があらゆる機会、あらゆる場所を利用して、自ら実際生活に即す
る文化的教養を高め得るような環境を醸成するように努めなければならない。以下略」。こ
の規定に基づいて、公民館など社会教育施設の整備や社会教育のあり方を具体的に記載す
るべきです。

○ 8ページ
 青少年健全育成の取り組みの項目の中に「あおぞら児童会」がありますが、あおぞら児
童会は学童保育であって放課後や学校休業日における学童の生活と保護者の就労を保障す
る施設です。したがて、あおぞら児童会には青少年健全育成という枠組みに入りきれない
役割があります。あおぞら児童会は第1節安心して子どもを生み育てられるまちづくりの
項に移すべきです。

○ 9ページ
 アプラホールには指定管理者制度が導入され、これまで株式会社が指定管理者に指定さ
れてきました。株式会社は利益の追求を目的とする私的な組織であって、公共的役割を担
うのには限界があります。つまり、ホールという物理的な施設の管理はできても市民や文
化関係団体、公民館等と連携して本市の文化振興を推進することは困難です。したがって、
アプラホールの指定管理者制度の見直しを記載するべきです。

○ 17ページ
「個人の自立を基本とし」とありますが、個人が自立するためには成育、家庭環境、学
力、所得、社会関係などにおいて自立し得るだけの条件が整う必要がありますが、すべて
の市民が個人の自立を可能とする環境におかれているわけではありません。個人の自立の
強調は自己の責任ではないこと(例えば、生まれた家庭の所得は本人は選択できません。)
についてまで自己責任を強調することにつながり、ひいては憲法第25条に基づく市民の
権利と自治体の責務を希薄化させることにもなりかねません。したがって、「個人の自立を
基本とし」は削除するべきです。

○ 18ページ
 「国民健康保険の財政の健全化と安定運用に向けた制度の見直し」とありますが、財政
の健全化も制度の安定運用ももちろん必要なことではあるものの国民皆保険の基盤であり、
「社会保障及び国民保健の向上」(国民健康保険法1条)を目的とする国民健康保険の役割
に鑑み、前段に「市民の保健と福祉の向上を基本とし」を追加するべきです。

○ 21ページ
 住民の自主的な活動やボランティアの役割は重要ですが、自治体の責務は住民の自主的
活動やボランティアで代替できるわけではありません。したがって、高石市の責務は明確
にするべきです。
 「自立」は前掲理由により削除し「社会参加」のみにするべきです。

○ 33ページ
 「人口の増加を図り、市域の発展をめざす」とありますが、既に日本の人口は減少期に
入っています。人口の増加=まちの発展、という図式から脱却し、むしろ人口の減少を積
極的に生かした環境に優れたゆとりあるまちづくりを目指すべきです。

○ 34ページ、54ページ
 主な取り組みとして南海中央線や羽衣駅再開発が記載されていますが、大型公共事業は
前掲理由と財政上の理由により、慎重な対応をするべきです。

○ 39ページ、40ページ
 臨海工業地帯は、温室効果ガスの大量の排出源になっていると思われます。今世紀末で
の気温上昇を2°C以内に抑えようとすれば、温室効果ガス濃度を450ppm程度に止
める必要があり、そのためには、先進国では、温室効果ガスを、1990年比で、202
0年までに25%〜40%削減することが、2050年には80%削減することが必要と
されています。日本も高石市も人口減少の時代となった中で、中長期的にみて臨海工業地
帯の構造転換は不可避ではないでしょうか。低炭素社会をめざすまちづくりの項は、臨海
工業地帯のあり方に踏み込んだ記載とするべきです。

○ 45ページ、55ページ
 市街化区域内農地について、保全・活用の方向が示されていますが、農地の保全、良好
な環境の確保のため、市街化調整区域の市街化区域への編入はするべきではありません。

○ 49ページ
 「新たな公共」とありますがその定義はどこにも書かれていません。企業、団体、ボラ
ンティアなどは、いまさら「新たな公共」というような言葉を持ち出すまでもなく、それ
ぞれが何らかの公共的な性格を持っています。したがって、これらの団体等の活動の公共
的側面を支援することは重要ですが、ことさら高石市と民間との協働を「新たな公共」と
して強調するのは、国や自治体の憲法第25条に基づく責務を希薄化するおそれがありま
す。したがって、「新たな公共」という言葉は削除するべきです。

○ 50ページ
 「情報公開制度の適正な運用」とありますが、権利の濫用とも受け取れる請求により困
っている自治体があるのは承知していますが、権利行使について「適正な運用」を強調す
る一方で高石市の側からの自主的な情報の提供を意味する「積極的な情報提供の推進」と
記載すると、市民の権利行使を抑制しつつ高石市の側で市民に提供する情報をコントロー
ルするという意味になりかねません。したがって、この項は、単に「積極的な情報公開」
とだけ記載するべきです。

○ 51ページ
 産業振興は、現在の産業構造を維持、発展させるという立場ではなく、地球温暖化効果
ガスの大幅削減を視野に入れた新たな方向性を打ち出すべきです。
 「連携ゾーンは・・・産業振興につながる有効な活用が求められています」とあります
が、連携ゾーンはスポーツ施設が集中立地しているところであり、「産業振興につながる有
効な活用をするべき地区」ではないので、削除するべきです。

○ 52ページ
 市民会館跡地は売却予定ではないのでしょうか。それとも売却にあたって何らかの条件
を付けるという趣旨なのでしょうか。どのようなことを考えているのか具体的に記載する
べきです。

(2010.11.16 掲載)

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高石市職員労働組合 「高石まちづくり情報」
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