第2回高石市政研究学習会/地球温暖化とまちづくり(講演要旨)

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○ 2010年3月11日に行われた第2回高石市政研究学習会における柏原誠大阪経済大学講師/同地域活性化支援センター長の講演の要旨を市職労の責任でまとめたものです


     第2回高石市政研究学習会/地球温暖化とまちづくり(講演要旨)

 地球の平均気温はこの100年間で2度上昇しています。日本でも2度上昇しています
が、都市部ではもっと上昇しています。気温が上がると南極やグリーンランドの氷床が溶
けて海面が上昇します。海面が1メートル上昇すると、おそらく、この市役所も水浸しに
なると思います。太平洋の島々では、既に水浸し状態になってきています。つまり、先進
国がどんどん温室効果ガスを排出し、そのことによる被害は発展途上国や弱者が被るとい
う構図になっているのです。アルプスのマッターホルンの氷河も20年間で大きく後退し
ています。

 IPCC(気候変動に関する政府間パネル)は、今のまま温室効果ガスを排出し続ける
と、50年後の地球の平均気温は、今よりも、楽観的にみて1.1度、悲観的にみて6.
4度上昇するとしています。不確定な部分がありますが、だからといって何もしなければ
後戻りのできない点を越え、大変な事態を招くことも考えられます。予防的に手を打って
いかなければなりません。地球温暖化の影響は、異常気象の多発、食糧生産、熱帯域特有
の病気の拡大など広範囲に及びます。

 温室効果ガスの代表は、二酸化炭素です。太陽光を熱として地球に貯める性質がありま
す。2006年の地球全体の二酸化炭素の排出量の21.1%がアメリカ、20.6%が
中国です。人口一人あたりでは中国の順位は下がり、アメリカがダントツの1位となりま
す。日本の排出割合は4.5%です。日本が排出する温室効果ガスの7割が二酸化炭素で
す。京都議定書では、日本は温室効果ガスを2008年から2012年の間に1990年
比で6%の削減とされましたが、現状は7〜8%の増で、京都議定書を守ろうとすれば、
現状から14%程度の削減が必要となり、事実上不可能という事態になっています。

 現在、地球全体で年間60数億トンの二酸化炭素が排出されています。このうち自然吸
収される量はおよそ半分です。温暖化を止めるためには、二酸化炭素の排出量をこの自然
吸収量以下に止めなければなりません。COP15では、今世紀末までの気温上昇を2度
未満に抑えるためには、二酸化炭素濃度を450PPMで安定化させなければならないと
しましたが、既に二酸化炭素濃度は380PPMに達しています。二酸化炭素濃度の45
0PPM安定化をするためには、2015年までに二酸化炭素の排出量を減少させ始め、
2020年に先進国で20%から40%の削減が必要とされています。COP15は失敗
とも言われていますが、気温上昇を2度未満に抑えることが認知され、各国で自主的に計
画を出すことになり、その範囲は55カ国、排出量の78%をカバーし、拘束力はないが
検証の対象となるという成果はありました。

 日本の場合、2020年を中期目標とし、1990年比25%削減、現状からは3分の
1削減という計画です。電力、鉄鋼などエネルギー大量消費型企業は大反対、自動車、家
電企業は比較的賛成という構図になっています。大企業180社で排出量の50%を占め
ますので、大企業の削減に果たす役割は重要です。

 二酸化炭素の排出削減にはコストがかかります。したがって、二酸化炭素を出してもペ
ナルティなし、削減に頑張っても報われないでは成果が出ません。そこで、RPS法とい
って、電力会社に太陽光、風力、小水力発電など自然エネルギーによる電力調達を義務付
ける法律があります。しかし、調達率は1.35%で、ヨーロッパ各国よりも1桁低い割
合です。しかも、ヨーロッパ各国の制度は、発電コストを上回る価格での買取りです。ま
た、排出権取引といって、二酸化炭素の排出量に価格を付け、それを企業に割り当て、割
当量を上回る排出があれば、割当量を下回る企業からその分の権利を買い取るという制度
があります。頑張って排出量を削減すれば、余った排出枠は売却できます。したがって、
排出削減にインセンティブが働きます。もっとも批判もありますが。

 原子力発電は、運転時には二酸化炭素は排出されず、稼働率が高いとコストが低い、た
だし、コストに含まれていない費用がありますが、のが特徴ですが、発電効率が悪く、大
量の温水、つまり熱を排出し、放射性廃棄物が出て、古くなると安全性に問題が出るなど、
好ましいエネルギー源とはいえません。

 自然エネルギーは、太陽、風、小水力、地熱、波など様々なものがあります。その特徴
はエネルギーの地産地消です。エネルギーの外国依存からの脱却が期待されます。問題は、
コストが高いことですが、技術革新によるコスト削減や電池技術の発展で電力の安定供給
に道が開けると思います。

 地球へ降り注ぐ太陽エネルギーの16000分の1を使うだけでエネルギー問題は解決
すると言われています。自然エネルギーの開発、つまりエネルギーの地産地消を進めるこ
とは、エネルギーの消費者が生産者になることであり、地域経済の振興につながることで
もあります。それは、市民の運動や行動、自治体の取り組みが政府や大企業を動かすこと
によって促進されます。

                             (編集責任:高石市職労)

(2010.3.26 掲載)

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高石市職員労働組合 「高石まちづくり情報」
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