羽衣保育所廃止処分取り消し訴訟が大阪地裁で原告敗訴
「保育」を理解しない不当判決(弁護団声明)

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○ 羽衣保育所廃止処分(民営化)取り消し訴訟は、5月18日に大阪地裁で原告敗訴の判決が言い渡されました。ここに掲載するのは、弁護団の声明です。

              「保育」を理解しない不当判決
                         2017年6月5日
                         羽衣保育所廃止処分取消訴訟弁護団

1 大阪地方裁判所第7民事部(裁判官山田明、岩佐圭祐、安藤巨騎)は、2017年5月18日、
 羽衣保育所廃止処分取消訴訟において、原告らの請求を棄却する判決を出した。原告ら弁護
 団は、行政の判断・主張にただ追随するだけで、子どもを保育するということの意味も、保護者
 の思いも理解しようとしない不当判決に抗議する。

2 本件は、優れた保育実践を行い、地域住民からも愛されていた高石市立羽衣保育所を、高
 石市が、2014年4月1日、保護者の意見も聞かず、一方的に廃止・民営化を強行した事案で
 ある。当時通所していた半数以上の44世帯、77人の原告がそれに納得できないとして提訴
 していた。
  高石市は、本件廃止・民営化に際して、事前の検討や意見を踏まえることなく突如廃止を発
 表した。条例に基づかず違法に選考委員会を組織し、運営業者の選考委員に受託業者の利
 害関係人を入れるなど、異常な手続きでこれをすすめようとした。
  また高石市は、羽衣保育所の保育内容を引き継ぐなどと口では言いながら、何をどう引き
 継ぐのか全く明らかにしなかった。そればかりか、受託事業者募集要項では、引継ぎは1年以
 上かけて行うこと、保護者も含めて引継計画を作成すること、引継ぎの実施にあたって保護者
 の意見を聞くことなどを条件にしていたにも関わらず、受託業者との協定書にはこうした定め
 を一切しなかった。
  さらに高石市は、保護者には園舎全部の耐震化が必要なため民営化が必要などと説明し
 ていたが、その後の調査で、耐震化のために全面建替えをする必要はなく、また、民営化によ
 る経費節減効果も認められないことが明らかになった。

3 ところが、本件判決は、このような本件羽衣保育所の廃止・民営化を、問題はあったが違法
 ではない、問題はあったが高石市の裁量の範囲などという抽象的な言い回しだけを述べるだ
 けて、なぜ違法でないのか、なぜ原告らにこれほどの不安と苦痛を強いてまで民営化を強行
 する裁量が認められるのかについては説明をしていない。この判決の根底には、羽衣保育所
 において継続的に保育を受けるという保護者・子どもの権利・利益、その重みに対する無理解
 がある。

4 保護者が保育所を選択し、入所後継続的に保育を受けることは、法的に認められた権利・利
 益であり、行政の都合で一方的に奪うことはできないはずである。本件羽衣保育所の廃止・民
 営化は議会の議決によりなされているが、子どもの育ちや未来は、個々の子どもたちにとって
 唯一無二のものであり、多数決によって理不尽に奪われるべきものではない。

  本件事件弁護団は、本件判決の不当性を訴え、これに抗議するとともに、控訴審において、
 子どもたちの「保育を受ける権利・利益」の確立をめざしてさらに奮闘する決意である。

(2017.7.6 掲載)

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