高石市立図書館に指定管理者制度導入
図書館の運営方針を持っていないのは重大問題

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どういうときに指定管理者制度を導入できるのか

 公の施設に指定管理者制度を導入できるのは「公の施設の設置の目的を効果的に達成す
るため必要があると認めるとき」にです(地方自治法第244条の2第3項)。そうすると、
指定管理者制度を導入するためには、公の施設の設置の目的や役割が明確にされ、その目的
や役割を達成するための施設の運営方針が確立していなければなりません。でなければ、
「設置の目的を効果的に達成する」という判断はできません。もちろん、その運営方針は、
利用者、市民、職員等の手により作成されなければなりません。

前提を欠く高石市立図書館への指定管理者制度導入

 ところが、高石市立図書館の運営方針は見たことがありません。現在募集されている「高
石市立図書館及び分館の指定管理者募集要項」にも図書館の運営方針は何も書かれていま
せん。前提を欠いた指定管理者制度の導入と言わざるを得ません。指定管理者制度は運用を
誤ると、不動産賃貸業者=自治体、不動産賃貸業者から不動産を借り受けて事業を行う業者
=指定管理者、という関係、要するに施設運営は民間事業者に「丸投げ」され、民間事業者
は少ないリスク負担(施設を建設するリスクは負担しません。利益が上がらなければ指定期
間満了による撤退は自由です。)で公の施設の運営から利益を得ることができる、というこ
とになりかねません。自治体側で施設の運営方針を持たない指定管理者制度の運用は、自治
体と指定管理者とをこのような関係に落とし込み、そこには「利権」も生じかねません。

どこへ行った図書館奉仕

 図書館法第3条には図書館奉仕として9項目の事業が列記されています。また、高石市図
書館管理運営規則第2条にも行うべき8項目の事業が列記されています。図書館奉仕を行
えとか、図書館条例や図書館管理運営規則に基づいて業務を行え、と募集要項には記載され
ていますが、図書館奉仕や図書館事業を具体化した施設の運営方針もなければ、事業計画書
の様式や選定基準も図書館奉仕や図書館事業に対応したものにはなっていません。

客観性・具体性のない採点基準

 採点基準は抽象的すぎて客観性・具体性がありません。したがって、応募者からの提案は、
採点者の主観によって採点されざるを得ません。採点の公正性・公平性に問題ありと言わざ
るを得ません。
 例えば、評価項目の「管理運営基本方針」には、採点基準として「管理運営の方針が施設
の設置目的、当該事業の目的を認識した上で具体的に示されているか。」とだけ記載されて
います。しかし、この採点基準は抽象的で客観性・具体性がないため、提案を客観的・具体
的に評価することはできません。高齢化社会に合せて高齢者向け読書会の充実を提案した
事業計画と子育てに焦点を当てて小中学校との協力体制を提案した事業計画とどちらの提
案を高く評価するのか、又は同じ評価をするのか、採点基準には何も書かれていないので、
そのような場合は採点者の主観による評価にならざるを得ません。なぜそのようなことに
なるのか。それは高石市立図書館の目的や役割が明確にされ、その目的や役割を達成するた
めの具体的な図書館の運営方針が確立されていないからです。例えば、子どもの読書充実と
いう図書館の目的があり、その目的を達成するために学校図書館との連携を重視するとい
う図書館の運営方針を持っていれば、高齢者向け読書会の提案よりも小中学校との連携の
提案が高い得点となるでしょう。また、応募者も子どもの読書充実のための具体的な事業計
画を提案するでしょう。図書館の運営方針を持っていないので客観的・具体的な採点基準が
書けないのです。

<参考>

図書館奉仕 図書館法第3条
1 郷土資料、地方行政資料、美術品、レコード及びフィルムの収集にも十分留意して、図
 書、記録、視聴覚教育の資料その他必要な資料(電磁的記録(電子的方式、磁気的方式そ
 の他人の知覚によつては認識することができない方式で作られた記録をいう。)を含む。
以下「図書館資料」という。)を収集し、一般公衆の利用に供すること。
2 図書館資料の分類排列を適切にし、及びその目録を整備すること。
3 図書館の職員が図書館資料について十分な知識を持ち、その利用のための相談に応ず
 るようにすること。
4 他の図書館、国立国会図書館、地方公共団体の議会に附置する図書室及び学校に附属す
 る図書館又は図書室と緊密に連絡し、協力し、図書館資料の相互貸借を行うこと。
5 分館、閲覧所、配本所等を設置し、及び自動車文庫、貸出文庫の巡回を行うこと。
6 読書会、研究会、鑑賞会、映写会、資料展示会等を主催し、及びこれらの開催を奨励す
 ること。
7 時事に関する情報及び参考資料を紹介し、及び提供すること。
8 社会教育における学習の機会を利用して行つた学習の成果を活用して行う教育活動そ
 の他の活動の機会を提供し、及びその提供を奨励すること。
9 学校、博物館、公民館、研究所等と緊密に連絡し、協力すること。

高石市立図書館の行う事業 高石市立図書館管理運営規則第2条
(1) 図書館の図書、記録その他資料(以下「資料」という。)の収集、整理及び保存
(2) 個人貸出し及び団体貸出し
(3) 読書案内、読書相談及び参考調査
(4) 読書会、研究会、講演会、鑑賞会、資料展示会等の主催及び奨励
(5) 読書団体との連絡、協力及び団体活動の促進
(6) 他の図書館、学校、公民館等との連絡及び協力
(7) 郷土資料の収集、保管、展示等
(8) その他図書館の目的達成のための必要な事業

(2015.10.1 掲載)

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高石市職員労働組合 「高石まちづくり情報」
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