高石市立図書館への指定管理者制度の導入の問題点
(高石市教育委員会定例会(2015年6月)会議録から)

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       高石市立図書館への指定管理者制度の導入の問題点
       (高石市教育委員会定例会(2015年6月)会議録から)

〇 西川図書館長の説明

 「さらなるサービス向上、コストの削減を図りつつ、図書館としての役割を果たしていく
必要がある」
  ↓
 指定管理者にしなければサービスの向上は望めないというものではありません。本音は、
コストの削減と思われます。図書館の経費の多くは、図書購入費、人件費、建物維持管理費
です。購入図書を減らさないとすれば、コスト削減=人件費の削減=図書館職員を低賃金労
働者に置き換えるということになります。これが指定管理者制度導入の究極の目的と高石
市教育委員会は考えていると思われます(後掲の西中隆高石市教育委員会委員長代理の発
言参照)。

 「図書館の開館日数の増加やレファレンスへの対応の充実など、なお一層の利用者サービ
スの向上のため、民間事業者の有するノウハウを活用することがより効果的に図書館の設
置目的を達成できる」
  ↓
 指定管理にしなければ開館日数の増加もレファレンスの充実もできないというものでは
ありません。指定管理となった施設には制度上、市民参加は保障されてはいません。直営施
設であればその施設の職員は全体の奉仕者ですが、民間事業者の従業員は全体の奉仕者で
はありません。株式会社であれば株主利益と相反することはできません。図書館の利用者は
「主権者」からサービスを購入する「消費者」に変化します。レファレンスの中立性にも疑
問があります。例えば、図書館に指定管理者制度を導入した場合の問題点を調べたい、とレ
ファレンスサービスを指定管理者の従業員に求めた場合、中立性は保てるのでしょうか。指
定管理に否定的な見解を紹介するのは指定管理者にとって不利益となり、株主利益と相反
するかもしれません。直営の場合は、職員は全体の奉仕者ですからこのようなことは起き得
ません。

 (民間にはどのようなノウハウがあるのかとの質問に対して)「カフェコーナーの設置で
あるとか、読書ポイント制度の導入であるとか、さまざまな提案が期待できる」
  ↓
 カフェコーナーの設置は指定管理者でないとできないというものではありません。そも
そも図書館の本質的な事項ではないカフェコーナーの設置が期待される民間ノウハウとは
あまりにも小さいことではないでしょうか。読書ポイント制度が何を指しているのか不明
ですが、図書館の指定管理を受けているTSUTAYAを運営するカルチュア・コンビニエ
ンス・クラブ株式会社(CCC)がTポイントカードを図書館利用者カードに使い、CCC
が図書館利用情報を取得したとして物議をかもしたのは記憶に新しいところです。図書館
利用情報は思想信条に密接に関わる機微な個人情報です。高石市個人情報保護条例も「思想、
信条及び宗教に関する個人情報並びに社会的差別の原因となるおそれのある個人情報を収
集してはならない。」と収集を原則禁止しています。読書ポイント制度が民間の割引ポイン
ト制度を指すのであれば、そのような制度導入は、高石市個人情報保護条例違反と思われま
す。

 指定管理者が管理している和泉市立図書館では、「開館日の増であるとか、窓口接遇のこ
と、また調べコンクールなどの各種事業の拡充」という声を利用者からいただいていると聞
いている。
  ↓
 指定管理者制度にしたからできたというものではありません。このようなサービス向上
は直営であってもできることで指定管理者制度とは何の関係もありません。

〇 西中隆委員長代理の発言

 「業務委託や指定管理の場合は、要するに人件費の節減が目標」
  ↓
 指定管理者制度による低賃金労働者の「活用」を露骨に主張しています。この発言が高石
市教育委員会の本音と思われます(他の教育委員も事務局もこの発言を批判も否定もしな
かった。)。貧困と格差が社会問題となっている今、福祉の増進を図るべき自治体の職員(し
かも教育委員!)として相応しい発言とは思われません。

 高石市立図書館の目的・果たすべき役割とそれを実現するための基本的な方針を示さな
いまま民間ノウハウの活用をしたいと言っています。民間ノウハウについても、直営でも十
分行うことのできるカフェコーナーの設置、開館日数の増加、レファレンスサービスの充実
を挙げる程度で具体的かつ十分な説明はありません。西中隆委員長代理の発言からは、高石
市教育委員会の考える民間ノウハウとは低賃金労働者の「活用」によるコスト削減にすぎま
せん。

(2015.9.25 掲載)

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高石市職員労働組合 「高石まちづくり情報」
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