大阪府が2011年度から5年間に246億円を
中学校給食実施のための初期費用に補助
学校給食は食育面でも経費面でも有利な自校直営で

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 大阪府が2011年度から5年間に246億円を中学校給食実施のための初期費用に補助
       学校給食は食育面でも経費面でも有利な自校直営で

 朝日新聞2011年2月18日付に「中学校給食ご当地の事情」と題する記事が掲載されて
います。全国で8割の公立中学校で給食が導入されていますが、大阪ではわずか7.7%で
導入費用がネック。このため、大阪府は2011年度から中学校給食を導入する市町村に初
期費用の半額程度を5年間の時限で補助することとし、総額246億円を予算計上とのこと
です。これは大きなチャンスで、これを使って中学校給食の実施に向けた取り組みが期待
されます。
 しかし、記事によると、大阪府教委は、初期費用は1校あたり1億5千万円から2億5
千万円、運営費は毎年3000万円、民間委託で1500万円とのこと。初期費用は、他市の例
からこの程度と思われますが、後段の、運営費が年3000万円、民間委託で1500万円は大
いに疑問です。大阪の中学校(除:大阪市、堺市)の1校あたり喫食数515食を前提にざ
っと計算してみると次のようになります。
 直営経費は、人件費(パート職員賃金も人件費とした。)1400万円+光熱水費等720万
円の合計2120万円、委託経費は、委託料1400万円+委託校配置栄養士人件費280万円+
光熱水費720万円の合計2400万円と委託経費の方がやや高くなります。委託料は過去の
委託契約を基に計算しましたが、高石市の2011年度予算(債務負担行為)は現行委託料
から約18%アップしていますので、仮に委託料が15%アップするとすれば、委託料は
1610万円となり、委託経費は2610万円となります。こうなると、委託の方がだいぶ高く
なります。
 この計算は仮定をたくさん置いているのでこのとおりになるとは限りませんが(例えば、
給食関係の光熱水費が学校全体の光熱水費の3分の2とした明確な根拠はありません。仮
定した額は他市の例と比べると低目と思われます。)、いずれにせよ、大阪府教委の直営
経費の見積もりは過大であり、逆に委託経費の見積もりは過少といわざるを得ません。
 そもそも、調理を直営でするか委託でするか、経費面だけではなく検討するべきところ
がたくさんあります。例えば、
@ 献立作成と調理とは密接不可分。それを調理の委託で分離してしまっていい給食がで
 きるのでしょうか?
A 子どもたちの体験が重要とされる食育を、調理を委託してできるのでしょうか?
B 金額のみの入札で受託業者の調理員はワーキングプアになっていないでしょうか?
C ワーキングプアになっているとすればその調理員は長期に勤めて熟練の調理技能を身
 に付けることができるのでしょうか。
D 熟練の調理技能を身に付けることができなければ、手間ひまのかからない加工品、冷
 凍食品の多用で給食の質が落ちないでしょうか?
E 手間ひまのかかる地産地消(規格が揃いにくいのでどうしても手間ひまがかかる。)
 もできなくなるのではないでしょうか?
F 市栄養士や府費栄養士が、給食の安全と質を確保するためや献立の意図を実現するた
 めに調理場に入って受託業者の調理を監督すると違法な偽装請負にならないでしょう 
 か?
 給食のあり方からも経費的な面からも委託が有利との根拠は全くありません。直営=高
い、委託=安い、という固定観念からそろそろ脱却してはいかがでしょうか。

○ 経費の計算方法

 ・ 中学校1校あたり喫食数を515食とした。
 ・ 喫食数515食に対する調理員の配置を4人とした。
 ・ 4人の調理員を正規職員2人、パート職員2人とした。
 ・ パート職員の勤務時間数は1日6時間とした。
 ・ 正規職員の人件費を基準財政需要額積算内容を参考に1人あたり550万円とした。
 ・ パート職員の人件費を時給1000円を基礎に1人あたり150万円とした。
 ・ 調理委託費を1食140円を基礎として1400万円とした。
 ・ 委託校配置の市栄養士の人件費を高石市2011年度予算を参考に1人あたり280万円と
  した。
 ・ 光熱水費を高石市立小学校(1校あたり喫食数573食)の1校あたり光熱水費の3分の2
  と仮定し600万円とした。
 ・ 人件費と光熱水費を除く経費を高石市立小学校(1校あたり喫食数573食)を参考に
  120万円とした。

(2011.2.24 掲載)

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