「子ども・子育て新システム」で子育て、保育はどうなるのか

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      「子ども・子育て新システム」で子育て、保育はどうなるのか

 「子ども・子育て新システム」とは、幼稚園や保育所の一体化(幼保一体化)を含め、
特に就学前の子ども・子育て関連の制度・財源・給付(補助金給付)を一元化するとして、
政府が構想している新制度です。現在、内閣府を中心に制度の詳細が検討され、2011年の
通常国会に法案を出そうとしています。
 新システムのねらいは、保育の公的な責任をなくすことです。
 現行制度で規定されている市町村による保育の提供(現物給付)をなくし、一定の基準
を満たした事業者を指定する「指定制」にし、保育所の運営費を公費で保障することをや
めます。市町村は保育の必要時間の認定をしますが、保育所探し・入所は保護者が行い、
施設が足りずに待機児童となっても「自己責任」となります。保育料は利用時間に応じた
価格となり、低所得層では、長時間子どもを預けなければならない事情があっても必要な
保育が受けられないおそれがあります。利用料の補助も認定時間内のみで、それ以外は自
己負担です。また、虐待のリスクのある子、障害のある子などが入園を遠回しに断られる
「逆選択」もあり得ます。保育時間も子どもごとにバラバラになることから、これまで保
育の中で大切にしてきたこども同士の育ちあい、1日を丸ごと見通した保育が困難になり
かねません。
 保育所・幼稚園を廃止し「幼保一体化」した新しい「こども園」は、運営主体の規制は
なくなり、保護者とこども園とは直接契約・直接支払いとなり、保育料は実質自由価格、
入園選抜あり、保育料は利用時間に応じて決まることとされ、利用時間が長ければその分
保育料も高くなります。
 こども園構想は、幼稚園側の反発を受けると途端にトーンダウンし、幼稚園型や保育所
型、保育所だけを市場化する案が出てきました。また、「定員割れの幼稚園と保育所を一体
化すれば待機児童をなくせる」といわれていますが、政府案では待機児童の多い3歳未満
児の子どもの受け入れを義務付けていません。
 政府は、子ども・子育て新システムを「すべての子に充実した幼児教育・保育を提供す
るため」と言っていますが、政府が本気でしたいのは「幼保一体化」ではなく、国、都道
府県、市町村が保育の提供に責任を持つという公的保育制度を解体し、保育の市場化を進
めることです。
 高石では市立取石保育所・市立取石幼稚園が廃止され、今年4月から民間の認定こども
園になります。私たちは、この廃止、民営化の経過の中で、保護者や保育現場の意見に耳
を傾けず、拙速に物事が進められたことのマイナスや混乱がいかに大きいかを実感してき
ました。幼稚園と保育所はそれぞれ異なる機能と歴史があります。それぞれの地域の事情
も異なります。これらの異なる機能、歴史、地域の事情などを十分考慮せずにこのまま予
定どおり拙速に法案が通ってしまうようなことがあれば、それは高石で起きたマイナスや
混乱が全国に広がることを意味します。
 子どもの育ちあいを無視した、お金のあるなしによって受ける保育に格差が生まれるよ
うな子ども・子育て新システムを許さない運動を全国に一層広めていきましょう。

(2010.1.6 掲載)

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高石市職員労働組合 「高石まちづくり情報」
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