子ども・子育て新システム−保育所がなくなる?−

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○ 2010年9月17日に高石保育運動連絡会が行った学習会における樋口和恵大阪保育運動連絡会副会長の講演の要旨を市職労の責任でまとめたものです。

        子ども・子育て新システム−保育所がなくなる?−

 政府は子ども・子育て新システム関係法案を2011年通常国会に提出を計画

 6月25日に政府は、子ども・子育て新システム基本制度要綱案を発表しました。そし
て、9月10日の閣議で決定された「新成長戦略実現に向けた3段構えの経済対策」にお
いて、幼保一体化を含む法案を2011年通常国会に提出するための準備を進めることを
明らかにしました。

 子ども・子育て新システムとは何?

 子ども・子育て新システム(以下「新システム」という。)は、現行の、保育を施策と
して保護者に給付するという現物給付の仕組みを、金銭を保護者に給付し、保護者はその
金銭を使って保育を買うという現金給付の仕組みに変えるというものです。

 現行の公的保育と新システムとどこが違うのか

 現行の児童福祉法による公的保育制度は3つの柱で成り立っています。第一は、保育に
欠ける子どもには市町村が保育を実施しなければならないことです。言い方を変えると、
保護者には保育を要求する権利があるということです。第二は、保育の最低基準が定めら
れ、その基準以上の保育が実施されることです。第三は、最低基準を維持するために必要
な費用について国の負担があり、保育料は応能負担、すなわち、所得に応じて決まるとい
うことです。したがって、現行制度は、保護者は入所を市町村に申し込み、市町村が保育
を実施し、保育料と保育所運営費とは直接リンクしないという仕組みになります。
 この仕組みを新システムは、保護者と子ども園とが直接契約を結ぶことにし、保育料も
直接子ども園に支払うことにするというもので、保育は、保護者の権利から商品に転換し
ます。また、事業者は社会福祉法人だけでなく株式会社、NPOその他何でもありとなり
ます。したがって、多様な保育が実施される可能性はありますが、保育料もバラバラとな
り、質の高い保育はそれなりの値段でということになります。また、多様な保育は子ども
ごとに時間も保育メニューも異なることになり、子どもと保育士との人間関係の形成や集
団保育の実施などに問題が生じると予想されます。

 幼保一体化で基準は低いほうに?

 新システムは幼保一体化となります。幼稚園と保育所は、給食室、職員配置など基準が
異なります。これが一体化で高い方の基準に統一されるのならいいのですが低い方の基準
にあわされそうです。
 保育の現場はこの2、3年で一変しました。配慮の必要な子どもたちが増え、手厚い保
育が必要になってきていますが、2000年以降保育所の施設や配置基準の緩和、家庭保
育などの規制緩和が進み、不十分な施設や設備、子どもの詰め込みなどが起こり、子ども
が死亡するというような痛ましい事故まで起こっています。新システムは、さらに規制緩
和し、幼稚園も株式会社OKとし、保育を市場化しようというもので、さらなる保育の質
の低下が懸念されます。また、障害児のことについては全く触れられていません。

 新システムのねらいは何?

 新システムの最大のねらいは保育を児童福祉法から切り離すことです。児童福祉法から
切り離すことで、保育を収益の対象にし、株式会社などの参入を認め、経済成長につなげ
ようというものです(幼保一体化が「新成長戦略実現に向けた3段構えの経済対策」に掲
げられているぐらいなのですから。)。そのために、公的保育の最大の拠点である公立保
育所を決定的に少なくする必要があるのです。

 新システムを先取りしようとしている橋下府政

 新システムは、2013年実施が目標とされていますが、待機児対策や地域の要請で前
倒しも可能とされています。橋下大阪府知事は、新システムの先取りとなるような、認可
外保育所、私立幼稚園の預かり保育、保育ママ制度などによる待機児解消をねらった特区
によりバウチャー制という利用者に対する金銭給付を行おうとしましたが、認められませ
んでした。しかし、大阪府は独自の施策としてはあきらめていません。20億円の予算を
考えていたようですが、その予算は認可保育所の充実による待機児解消を図るべきです。

 急速に運動を強めましょう
 
 2011年通常国会に新システム関係の法案提出が予定されています。急速に運動をつ
よめなければなりません。7月30日から8月6日まで開会された臨時国会では、参議院
において「現行保育制度に基づく保育施策の拡充に関する請願」が全会一致で採択されま
した。参議院は選挙が終わったばかりで最新の世論が反映されています。その参議院でこ
のような請願が全会一致で採択された意義は大きく、運動に生かしてほしいと思います。

(2010.10.20 掲載)

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高石市職員労働組合 「高石まちづくり情報」
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