学校給食調理業務委託偽装請負及び監督員・検査員問題
交渉議事録(2009.11.6)

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○ 学校給食調理業務の委託に係る偽装請負問題と監督員・検査員問題について交渉を行った議事録です。偽装請負とは、契約の形式は請負(委託)であるのに業務遂行の実態が労働者派遣となっている請負(委託)契約のことで、労働者派遣法に違反します。


     学校給食調理業務委託偽装請負及び監督員・検査員問題交渉議事録

○ 2009年11月6日(金)
○ 高石市教育委員会 園田教育部長、金谷教育部次長兼教育総務課長、西川教育総務課
           長代理
高石市職員労働組合 北口副委員長、吉田副委員長、溝之上書記長他

○ 学校給食調理業務偽装請負問題について

市職労
  学校給食調理業務の委託は、業者に、食材を無償提供し、調理場を無償提供し、電気
 ・ガス・水道を無償提供し、設備の維持管理経費を市が負担し、献立を市教委が作成し、
 調理は市教委が作成した学校給食衛生管理マニュアルに従って行わせ、市栄養士に、業
 者が衛生管理マニュアルに従って作業しているかどうかを確認させる、という内容で、
 今後もこれを守るということを確認できるか。
市教委
  確認する。
市職労
  高石小学校、高陽小学校と加茂小学校とでは契約書の内容、仕様書の内容が異なるが、
 今日は、加茂小学校の契約書仕様書をもとに、昭和61年労働省告示第37号(<参考>に
 掲載)に照らして本件調理業務の委託が偽装請負であることを説明するので、市教委の見
 解を求める。疑義のある箇所は多数あるが、主なもののみ指摘する。
  契約書の4条2項は、請負者(給食会社)に、業務に従事する従業員の氏名及び資格
 を発注者(高石市)に通知させ、その承諾を受けなければならないと、規定している。
 これは、告示37号のUの1の(3)のAの「労働者の配置等の決定及び変更を自ら行う
 こと。」に該当せず、偽装請負となる。
  仕様書の5の(3)、7の(1)、別表5は、請負者の調理員の必要資格、特定給食施設
 における必要経験年数、配置人数、配置条件・勤務条件を規定しており、告示37号の
 Uの1の(3)のAの「労働者の配置等の決定及び変更を自ら行うこと。」に該当せず、
 偽装請負となる。
  仕様書の6の(1)のDは、献立作成委員会と物資購入委員会等に発注者の指名する
 者の参加を義務付けており、告示37号のUの1の(3)のAの「労働者の配置等の決定
 及び変更を自ら行うこと。」に該当せず、偽装請負となる。
  仕様書の6の(4)の@は、請負者に調理員の名簿、写真を貼った履歴書、有資格者
 にあっては、その資格を証する書類の写しを発注者に提出させており、告示37号のU
 の1の(3)のAの「労働者の配置等の決定及び変更を自ら行うこと。」に該当せず、偽
 装請負となる。
  次に指摘することは、学校給食調理業務の委託で最重要の問題点である。契約書の8
 条、仕様書の6の(3)の@等で、発注者は請負者に、調理場、設備等を無償で使用さ
 せ、食材を無償で提供し、電気・ガス・水道を無償で提供しており、告示37号のUの2
 の(3)のイ「自己の責任と負担で準備し、調達する機械、設備若しくは器材(業務上
 必要な簡易な工具を除く。)又は材料若しくは資材により、業務を処理すること。」に
 該当せず、かつ、仕様書の5の(12)、6の(5)の@で市学校給食衛生管理マニュアル
 に従った作業をさせ、その作業が同マニュアルに従っているかどうかを市栄養士を常駐
 させ確認しており、告示37号のUの2の(3)のロ「自ら行う企画又は自己の有する専
 門的な技術若しくは経験に基づいて、業務を処理すること。」にも該当せず、偽装請負
 となる。
  以上について、市教委の見解を求める。
市教委
  学校給食は、安全・安心で、かつ、時間に間に合わせなければならない。請負者の有
 する専門的な技術、経験に基づいて業務を処理していると考えている。
市職労
  専門的な技術、経験とは、調理員の持っている技術、経験のことではなく、請負者が
 事業者として持っている技術、経験のことである。市学校給食衛生管理マニュアルに従
 って作業をし、それを常駐する市の栄養士がチェックするのであるから、請負者の技術、
 経験に基づいて作業をしていることにはならない。明らかに偽装請負である。委託を中
 止し、直営に戻すことを求める。

○ 学校給食調理業務委託の監督員・検査員問題について

市職労
  市栄養士はどのような仕事をしているのか。
市教委
  業者の管理者と連携して安全・安心の学校給食を提供している。
市職労
  具体的な仕事の内容、職務の内容を説明願いたい。
市教委
  校長の管理・監督の下、安全・安心な給食を提供している。
市職労
  具体的な職務内容は何か。
市教委
  主な業務は、献立作成、物資購入、業者との連携である。
市職労
  業者が市学校給食衛生管理マニュアルどおりに作業をしているかを確認することは市
 栄養士の職務か。
市教委
  市栄養士は、業者が市学校給食衛生管理マニュアルどおりに作業しているかを確認し
 ている。
市職労
  昨年の交渉で、校長、教頭、府費栄養士、市栄養士全員が監督員と検査員を兼務して
 いるという説明であったが、これは、高石市監督及び検査事務規程3条(監督員と検査
 員の原則兼務禁止)に違反する。
市教委 
  その規程は、工事監督に限ると解釈している。
市職労
  市栄養士に、あなたは監督員兼検査員である、という説明はしたのか。
市教委
  ・・・
市職労
  監督員と検査員の兼務を禁止しているのは、自分が監督した仕事をもう一度自分が検
 査しても意味がないからだ。校長、教頭、府費栄養士、市栄養士全員が監督員兼検査員
 というような体制は、責任が曖昧になり、むしろ無責任体制になる。
市教委
  安全・安心の学校給食は、校長、教頭、府費栄養士、市栄養士が一体となった体制が
 必要である。
市職労
  校長、教頭、府費栄養士、市栄養士が協力しあうことは必要だが、規程に基づく責任
 ある監督、検査の権限行使とは別問題だ。
  新しく入った高石小学校、高陽小学校、加茂小学校の市栄養士には監督員、検査員の
 説明はしたのか。
市教委
  ・・・
市職労
  校長、教頭、府費栄養士、市栄養士全員が監督員兼検査員というような体制は、高石
 市監督及び検査事務規程に違反する無責任体制である。是正を求める。

○ 市職労コメント

@ 調理業務委託の偽装請負について

 調理業務を委託した場合、教育としての学校給食や地産地消を推進するためには、食材
調達を業者に任せるのではなく、市教委が自ら行わなければなりません。一方、安全・安
心の学校給食をしようとすれば、市教委が責任をもって衛生管理マニュアルを作成し、業
者に実行させなければなりません。すなわち、学校給食調理業務の委託は、教育としての
学校給食や地産地消、安全安心の学校給食を実行しようとすれば、告示37号のUの2の
(3)のイ「自己の責任と負担で準備し、調達する機械、設備若しくは器材(業務上必要
な簡易な工具を除く。)又は材料若しくは資材により、業務を処理すること。」にもロ「自
ら行う企画又は自己の有する専門的な技術若しくは経験に基づいて、業務を処理するこ
と。」にも該当しなくなり、必然的に偽装請負にならざるを得ない構造になっています。

A 監督員、検査員について

 市教委は、昨年、校長、教頭、府費栄養士、市栄養士に監督員・検査員の職務命令を発
していると説明しました。この説明直後、複数の関係者に聞いたところ、監督員・検査員
の説明は受けていないとのことで、市教委が虚偽の説明をしたことが明らかになっていま
したが、今回のやり取りは、これを裏付けるものとなりました。
 また、市教委は、高石市監督及び検査事務規程は、「工事監督に限ると解釈している。」
と説明していますが、ア.地方自治法第234条の2は、契約の履行確保のために必要な監
督又は検査を義務付けていること、イ.高石市契約規則第61条、第62条、第64条は、
契約の適正な履行確保のため監督員及び検査員を置くこととし、監督員の職務範囲を工事、
製造その他の請負契約とし、検査員の職務範囲を工事又は製造としていること、ウ.高石
市監督及び検査事務規程第2条は、監督員又は検査員を高石市契約規則第61条の規定に
基づき命ぜられ、又は任命された職員をいうとしていることから、高石市監督及び検査事
務規程は工事に限られないことは明らかと考えます。なお、高石市監督及び検査事務規程
第4条は、監督の種類について工事監督しか規定していないという不備があるため、市教
委のような解釈が生じたものと思われます。

<参考>

○ 労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準(昭和61年4月17
 日労働省告示第37号)

T この基準は、法の適正な運用を確保するためには労働者派遣事業に該当するか否かの
 判断を的確に行う必要があることにかんがみ、労働者派遣事業と請負により行われる事
 業との区分を明らかにすることを目的とする。

U 請負の形式による契約により行う業務に自己の雇用する労働者を従事させることを業
 として行う事業主であっても、当該事業主が当該業務の処理に関し次の1及び2のいず
 れにも該当する場合を除き、労働者派遣事業を行う事業主とする。

1 次の(1)から(3)までのいずれにも該当することにより自己の雇用する労働者の労働力
 を自ら直接利用するものであること。

(1) 次の@及びAのいずれにも該当することにより業務の遂行に関する指示その他の管
 理を自ら行うものであること。
@ 労働者に対する業務の遂行方法に関する指示その他の管理を自ら行うこと。
A 労働者の業務の遂行に関する評価等に係る指示その他の管理を自ら行うこと。

(2) 次の@及びAのいずれにも該当することにより労働時間等に関する指示その他の管
 理を自ら行うものであること。
@ 労働者の始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇等に関する指示その他の管理(こ
 れらの単なる把握を除く。)を自ら行うこと。
A 労働者の労働時間を延長する場合又は労働者を休日に労働させる場合における指示そ
 の他の管理(これらの場合における労働時間等の単なる把握を除く。)を自ら行うこと。

(3) 次の@及びAのいずれにも該当することにより企業における秩序の維持、確保等の
 ための指示その他の管理を自ら行うものであること。
@ 労働者の服務上の規律に関する事項についての指示その他の管理を自ら行うこと。
A 労働者の配置等の決定及び変更を自ら行うこと。

2 次の(1)から(3)までのいずれにも該当することにより請負契約により請け負った業務
 を自己の業務として当該契約の相手方から独立して処理するものであること。

(1) 業務の処理に要する資金につき、すべて自らの責任の下に調達し、かつ、支弁する
 こと。

(2) 業務の処理について、民法、商法その他の法律に規定された事業主としてのすべて
 の責任を負うこと。

(3) 次のイ又はロのいずれかに該当するものであって、単に肉体的な労働力を提供する
 ものでないこと。
イ 自己の責任と負担で準備し、調達する機械、設備若しくは器材(業務上必要な簡易な
 工具を除く。)又は材料若しくは資材により、業務を処理すること。
ロ 自ら行う企画又は自己の有する専門的な技術若しくは経験に基づいて、業務を処理す
 ること。

V Uの1及び2のいずれにも該当する事業主であっても、それが法の規定に違反するこ
 とを免れるため故意に偽装されたものであって、その事業の真の目的が法第2条第1号
 に規定する労働者派遣を業として行うことにあるときは、労働者派遣事業を行う事業
 主であることを免れることができない。

○ 地方自治法(抄)

 (契約の履行の確保)
第234条の2  普通地方公共団体が工事若しくは製造その他についての請負契約又は物
 件の買入れその他の契約を締結した場合においては、当該普通地方公共団体の職員は、
 政令の定めるところにより、契約の適正な履行を確保するため又はその受ける給付の完
 了の確認(給付の完了前に代価の一部を支払う必要がある場合において行なう工事若し
 くは製造の既済部分又は物件の既納部分の確認を含む。)をするため必要な監督又は検
 査をしなければならない。

○ 高石市契約規則(抄)

 (監督員及び検査員)
第61条 市長は、契約の適正な履行を確保するため、又はその受ける目的物の確認をす
 るため、必要な監督員と検査員を置くものとする。
 (監督員の一般的職務)
第62条 地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)第234条の2第1項
 の規定により監督に当たる職員(以下「監督員」という。)は、必要があるときは、工事、
 製造その他の請負契約に係る契約書、仕様書、設計書その他の関係書類に基づいて契約
 者が作成した図書を審査して承認をしなければならない。
2 監督員は、必要があるときは、請負契約の履行について、立会い、工程の管理、履行
 途中における工事、製造等に使用する材料の試験又は検査等の方法により監督し、契約
 者に必要な指示をしなければならない。
3 監督員は、監督の実施に当たっては、契約者の業務を不当に妨げることのないように
 するとともに、監督において、特に知ることができたその者の業務上の秘密に属する事
 項は、これを他に漏らしてはならない。
 (検査員の一般的職務)
第64条 法第234条の2第1項の規定により、検査に当たる職員(以下「検査員」という。)
 は、契約の履行を確認するため、次の各号に該当するときは検査を行うものとする。
(1) 工事又は製造において契約目的物が完成したとき。
(2) 第55条第4項の規定による部分払の請求のため、既成部分検査願書(様式第10号)
 の提出があったとき。
(3) 第60条の規定により既成部分又は既納部分の引渡しを求めるとき。
(4) その他市長が必要と認めるとき。

○ 高石市監督及び検査事務規程(抄)
 (定義)
第2条 この規程において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところに
 よる。
(1) 監督員 高石市契約規則(平成7年高石市規則第3号。以下「規則」という。)第61
      条の規定に基づき監督を命ぜられた職員をいう。
(2) 検査員 第6号から第9号に規定する検査を行うため、規則第61条の規定に基づき
      任命された職員をいう。
 (兼務の禁止)
第3条 検査員の職務は、特別の必要がある場合を除き、監督員の職務を兼ねることがで
 きない。
 (監督及び検査の種類)
第4条 監督及び検査の種類は、次に掲げるとおりとする。
(1) 工事監督
(2) 工事検査
(3) 物品検査
(4) その他の検査

<調理業務の請負(委託)で働く調理員の皆さんへ>
 高石市教育委員会に直接雇用を求め、雇用の安定を図りましょう。

(2009.11.13 掲載、2009.11.17掲載)

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高石市職員労働組合 「高石まちづくり情報」
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