学校給食に係る申し入れ
@調理業務を直営に
A監督員・検査員の職務と責任を明確に
B教育総務課に栄養士の配置を

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○ 高石市職員労働組合が2009年7月29日に高石市教育委員会に提出した申入書です。


              学校給食に係る申し入れ

 学校給食について下記の事項を申し入れますので、誠意ある対応をされるよう要請しま
す。

                   記

1 調理業務の委託を直ちに中止し、直営に戻すこと。委託業者調理員を希望により直接
 雇用すること。
2 誰が監督員・検査員であるかを明確にし、その職務と責任の範囲を確定すること。
3 教育総務課に栄養士を配置すること。

○ 申し入れ事項の説明

1 「調理業務の委託を直ちに中止し、直営に戻すこと。委託業者調理員を希望により直
 接雇用すること。」について

@ 調理業務の委託は教育としての学校給食にはなじみません。

 民間調理業務の委託は、学校給食法で定められた学校給食の教育的役割を放棄すること
につながるおそれがあります。学校給食法は学校給食の目標として、@適切な栄養の摂取
による健康の保持増進を図ること、A日常生活における食事について正しい理解を深め、
健全な食生活を営むことができる判断力を培い、及び望ましい食習慣を養うこと、B学校
生活を豊かにし、明るい社交性及び協同の精神を養うこと、C食生活が自然の恩恵の上に
成り立つものであることについての理解を深め、生命及び自然を尊重する精神並びに環境
の保全に寄与する態度を養うこと、D食生活が食にかかわる人々の様々な活動に支えられ
ていることについての理解を深め、勤労を重んずる態度を養うこと、E我が国や各地域の
優れた伝統的な食文化についての理解を深めること、F食料の生産、流通及び消費につい
て、正しい理解に導くこと、の7点を掲げ、2008年1月17日の中央教育審議会答申では、
学校給食調理員にも学校における食育の取組に協力することが期待され、研修においても
食育の推進に関する内容を充実し、すべての教職員の理解と連携・協力が必要であり、職
種横断的な研修の取組など新たな研修なども有効である、と調理員を含む教職員の食育に
おける役割が示されています。しかし、調理業務の委託は調理を外部化することであり、
調理のブラックボックス化を招き、調理に直接携わる調理員の食育への参加の道を閉ざす
ことになります。食育は机上で学ぶだけではなく、農業や食材、調理などを具体的に「見
て、聞いて、触って」体験することが重要です。調理や調理員の関わらない食育は充実し
た食育にはつながらないと考えます。

A 調理業務の委託は労働者派遣法に違反する違法な偽装請負です。

 請負か労働者派遣かは、「昭和61年労働省告示第37号」に基づいて判断されます。請
負か労働者派遣かは、ア.労務管理上の独立性・・・委託先が自己の雇用する労働者を自
ら指揮命令して業務を遂行しているかどうか、イ.事業経営上の独立性・・・委託先が自
己の請負(委託)業務として注文事業主から独立して当該業務を処理しているかどうか、
の二点で判断されますが、この二点を判断するために「基準」には詳細な定めが置かれて
います。調理業務委託契約書・仕様書を検討すると、委託先に市教委の指名する者の市教
委の会議、研修への参加を求めていること、委託先に市教委が作成した衛生管理マニュア
ルに従って調理することを義務付けていること、同マニュアルに従って調理されているか
どうか市栄養士を委託校に常駐させ監督していること、市教委が委託先の配置する調理員
の資格、人数を定めていること、調理場・設備・備品を無償で委託先に使用させ、保守も
市教委の負担で行っていること、電気・ガス・水道を委託先に無償で提供していること、
食材を委託先に無償で提供していることなど、明らかに労働者派遣となります。特に、2009
年度〜加茂小学校調理業務委託契約は、委託先に調理業務に従事させる者の氏名、資格を
市教委に通知させ、かつ、市教委による承諾を義務付け、さらに、受託者に、業務に従事
する従業員の頻繁な交代がないよう留意させ、交代する場合は、業務の質の低下を招かな
いよう配慮させ、かつ、市教委による承諾を義務付けています。すなわち、2009年度〜
加茂小学校調理業務委託契約は、委託先の人事異動の承諾権が市教委にあるというような
内容であり、違法性は誰の目にも明らかです。
 なお、市教委は、2008年12月22日の交渉において、今後とも、業者に、食材は無償
提供し、調理場は無償提供し、電気・ガス・水道は無償提供し、設備の維持管理経費は市
が負担し、献立は市教委が作成し、調理は市教委が作成した学校給食衛生管理マニュアル
に従って行わせる、労働局から偽装請負と指摘を受けてもこれは守る、と表明しているこ
とを申し添えます。

B 調理業務の委託は、直営よりも高くつきます。

 市教委が委託から3年間の経費試算に用いた前提条件を用いて直営と委託との経費試算
をしたところ、2校委託時で年間2000万円、3校委託時で年間3000万円、全校直営時で
年間1000万円も委託が高くつくことが判明しています。委託当初から全校委託までの間
に数億円の無駄遣いが発生し、全校委託後にその無駄遣いを回収できるどころかさらに無
駄遣いを重ねることになります。高石市は市民生活に大きな影響を及ぼす第4次財政健全
化計画案を作成し実行に移していますが、その一方でこのような多額の無駄遣いを放置す
ることは許されず、これは、地方自治法第2条第16項(地方公共団体は、その事務を処
理するに当つては、住民の福祉の増進に努めるとともに、最少の経費で最大の効果を挙げ
るようにしなければならない。)、財政法第4条第1項(地方公共団体の経費は、その目的
を達成するための必要且つ最少の限度をこえて、これを支出してはならない。)に違反す
る疑いがあります。

C 調理業務の委託は、貧困と格差を助長する官製ワーキングプアです。

 委託業者は金額のみの入札で決定されます。調理業務に係る経費の多くは人件費です。
すなわち、人件費の安いところ=賃金の安いところ(配置人数は契約で決められますので、
人件費を安くしようとすれば賃金を安くするしかありません。)が落札する可能性が高く
なります。求人広告によると、民間学校給食パート調理員の賃金は、大阪府最低賃金の748
円を少し上回る程度でしかありません。調理場は、夏季は高温多湿となり、冬季は低温の
上冷たい水を使い、重量物を運搬し、熱湯・高温の油を取扱うなど労働環境が厳しく、指
曲症、難聴等の職業病のおそれもあります。そのような厳しい労働に対して委託校パート
調理員には最低賃金を少し上回る程度の賃金しかし支払われておらず、しかも、前項で述
べたように、経費は直営よりも相当高くついています。このような調理業務の委託の実態
は社会正義に反するといっても過言ではなく、「住民の福祉の増進を図ることを基本とし
て、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する」(地方自治法第1条の2)地方公
共団体の役割にも反するものです。

2 「誰が監督員・検査員であるかを明確にし、その職務と責任の範囲を確定すること。」
 について

 地方自治法第234条の2第1項では、契約の適正な履行を確保するため又はその受ける
給付の完了の確認をするため必要な監督又は検査行うことが規定され、この規定を受けて、
高石市契約規則第61条では、監督員と検査員の設置が規定されています。また、高石市
監督及び検査事務規程第3条では、監督員と検査員の兼務の原則禁止が規定されています
(監督した者が検査をするのでは検査の意味がありません。)すなわち、監督員及び検査
員は、それぞれ独立して権限を行使し、その結果について、責任を負う(地方自治法第243
条の2は、故意又は重大な過失により損害を与えたときは賠償責任を負う旨規定されてい
ます。)こととされています。ところが、市教委は、2008年8月6日の説明会において、
監督員と検査員は誰かという質問に対してしばらく沈黙した後検討すると回答し、2008
年12月22日の交渉において、監督員と検査員は校長、教頭、府費栄養士、市栄養士で職
務命令を発していると説明しましたが、複数の当事者に確認したところ、そのような職務
命令は聞いていないとのことであり、職務命令を発したという市教委の説明は虚偽である
疑いがあります。すなわち、学校給食という食中毒等人命に関わる事故の可能性がある慎
重かつ厳しい取扱いが必要な給食調理業務の委託について、少なくとも委託が始まった
2007年4月から2008年末まで、地方自治法及び高石市契約規則で設置が義務付けられて
いる監督員も検査員も配置されていなかったという杜撰な状態が継続していたことになり
ます。また、校長、教頭、府費栄養士、市栄養士が監督員と検査員を兼務するのは高石市
監督及び検査事務規程第3条に違反するもので、事故を招く可能性を高める杜撰な体制と
いわざるを得ません。

3 「教育総務課に栄養士を配置すること。」について

 学校給食を所管している教育総務課には、驚くべきことに栄養士が配置されていません。
以前は栄養士が配置されていましたが、2005年4月以降栄養士が配置されていない状態
が続いています。したがって、2007年4月に実施された調理業務の委託は、教育総務課
における体制を整えないままが強行されたことになります。これは、当初の委託理由であ
る効率的な学校給食=経費削減が事実上撤回されていることとあわせると、いかに調理業
務の委託が何ら合理的な理由のないまま、委託そのものを目的にがむしゃらに強行された
かを物語っています。教育総務課への栄養士の配置は、一刻の猶予もありません。

(2009.7.31 掲載)

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高石市職員労働組合 「高石まちづくり情報」
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