学校給食調理業務委託の偽装請負とは何か

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○ 高石市職員労働組合機関紙(2009.6.3付)から転載しました。


学校給食調理業務委託の偽装請負とは何か

 高石市では、2007年度から高石小学校と高陽小学校で、2009年度から加茂小学校で学校給食調理業務の業者委託が始まりました。しかし、契約書、仕様書を「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準」(昭和61年労働省告示第37号)に基づいて検討すると、明らかに違法な偽装請負です。市職労は、市教委に対してこのことを指摘し、委託先調理員を希望により直接雇用し、直営化することを求めていましが、市教委はこれを無視して加茂小学校の調理業務も委託しました。しかも、加茂小学校契約は内容が変更され、高石小学校・高陽小学校契約よりも偽装請負性=違法性がさらに強化されています。

・偽装請負とは

 偽装請負とは、契約の形式を請負(委託)としつつ実質は労働者派遣となっている「請負(委託)」契約のことで、労働者派遣法に違反します。労働者派遣とは、他人が雇用する労働者の派遣を受け、派遣を受けた側の指揮命令のもとに当該労働者を就業させることをいい、労働者派遣法により規制されています。偽装請負は、派遣期間の制限等労働者派遣法によるさまざまな規制を逃れるために契約の形式を労働者派遣とはせずに請負(委託)としたにすぎない契約です。

・請負(委託)か労働者派遣かの判断基準

 請負(委託)か労働者派遣かは、前掲のとおり「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準」(昭和61年労働省告示第37号)にしたがって判断されます。判断基準は、@労務管理上の独立性・・・委託先が自己の雇用する労働者を自ら指揮命令して業務を遂行しているかどうか、A事業経営上の独立性・・・委託先が自己の請負(委託)業務として注文事業主から独立して当該業務を処理しているかどうか、の二点で、この二点を判断するために「基準」には詳細な定めが置かれています。

・学校給食調理業務の偽装請負性

 調理業務の委託契約書、仕様書によると、委託先に市教委の指名する者の市教委の会議、研修への参加を求めていること、委託先に市教委が作成した衛生管理マニュアルに従って調理することを義務付けていること、同マニュアルに従って調理されているかどうか市栄養士を委託校に常駐させ監督していること、市教委が委託先の配置する調理員の資格、人数を定めていること、調理場・設備・備品を無償で委託先に使用させ、保守も市教委の負担で行っていること、電気・ガス・水道を委託先に無償で提供していること、食材を委託先に無償で提供していることなど、「基準」に照らすと、明らかに労働者派遣となります。

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・加茂小学校の委託契約は偽装請負性=違法性をさらに強化

 また、加茂小学校契約は、高石小学校、高陽小学校のものから変更され、委託先に調理業務に従事させる者の氏名、資格を市教委に通知させ、かつ、市教委による承諾を義務付け、さらに、受託者に、業務に従事する従業員の頻繁な交代がないよう留意させ、交代する場合は、業務の質の低下を招かないよう配慮させ、かつ、市教委による承諾を義務付けています。すなわち、加茂小学校契約は、委託先の人事異動の承諾権が市教委にあるというような内容であり、明らかに委託先の労務管理の独立性と事業の独立性を損なうものです。市職労がこれまで調理業務の偽装請負性を指摘してきたにもかかわらず、逆に違法性を強化するような契約内容の変更を行った市教委と契約事務を統括している契約検査課の責任は重大です。

・偽装請負を適正請負に是正することは市教委の責任放棄

 偽装請負を解消するためには、適正請負にするか直営に戻す必要があります。適正請負により偽装請負を是正しようとすれば、@献立作成、食材調達という学校給食の根幹部分を業者に任せるか、A衛生管理マニュアルを業者側のものにし、市教委は市栄養士を常駐させるような調理業務の監督をやめるか、いずれかの方法を採用せざるを得ません。これは、学校給食の教育的役割を放棄し、学校給食の安全や質を市教委の責任において確保することを放棄することにつながります。また、調理業務の委託は、3校委託で毎年3000万円も直営よりも高くついています。適正請負による偽装請負の是正は、このような多額の無駄遣いを将来にわたって高石市に強いることにもなります。

(2009.6.3 掲載)

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