学校給食調理業務委託
高石市教育委員会が市職労の指摘を無視して違法な偽装請負を強行
加茂小学校契約(2009年度〜2010年度)は偽装請負性をさらに強化

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○ 高石市では、2007年度から高石小学校と高陽小学校で、2009年度から加茂小学校で学校給食調理業務の業者委託が始まりました。しかし、委託契約書、仕様書を「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準」(昭和61 年労働省告示第37 号)に基づいて検討すると、次のように明らかに違法な偽装請負と判断できます。市職労は、高石小学校、高陽小学校の給食調理業務について、違法な偽装請負であると指摘し、委託先調理員を希望により直接雇用し、直営化することを求めていましが、市教委は、これを無視して加茂小学校の学校給食調理業務も委託しました。しかも、情報公開請求により加茂小学校契約書・仕様書を入手したところ、加茂小学校契約は、高石小学校・高陽小学校契約よりも偽装請負性がさらに強化されていることがわかりました。

<告示37号>
U−1(労働力の直接利用)
(1) 次の@及びAのいずれにも該当することにより業務の遂行に関する指示その他の管理を自ら行うものであること。
@ 労働者に対する業務の遂行方法に関する指示その他の管理を自ら行うこと。
A 労働者の業務の遂行に関する評価等に係る指示その他の管理を自ら行うこと。

<契約書、仕様書>
・ 市教委が委託先に、調理した給食を校長、学校栄養職員又は校長が指定した職員の検食の供し、その評価を受け、その評価を業務の参考にすることを義務付けています。
・ 試食会等については、校長が指示することになっています。
・ 市教委が委託先に、献立作成委員会、物資購入委員会等への市教委の指名した者の参加を求めています。
・ 市教委が委託先に、市学校給食会が実施する研修会等への市教委の指名した者の参加を求めています。
・ 市教委が委託先に、食材のトラブル等は校長の指示に従うことを義務付けています。
・ 市教委が学校給食衛生管理マニュアルを作成し、委託先に同マニュアルに基づいて業務を遂行することを義務付けています。

<告示37号>
(3) 次の@及びAのいずれにも該当することにより企業における秩序の維持、確保等のための指示その他の管理を自ら行うものであること。
@ 労働者の服務上の規律に関する事項についての指示その他の管理を自ら行うこと。
A 労働者の配置等の決定及び変更を自ら行うこと。

<契約書、仕様書>
・ 市教委が委託先に、管理栄養士又は栄養士の資格を有し、資格取得後特定給食施設に1年以上従事した者1名を常勤者として業務に従事させることを義務付けています。
・ 市教委が委託先に、調理師の資格を有し、資格取得後特定給食施設に3年以上従事した者1名を常勤者として業務に従事させることを義務付けています。
・ 市教委が委託先に、一定数の栄養士又は調理師の資格を有する者の配置を義務付けています。
・ 市教委が委託先に、一定数の調理員の配置を義務付けています。
・ 市教委が委託先に、契約金額の範囲内で調理員の増員を認めています。
・ 市教委が委託先に、清掃、洗浄等には栄養士、調理師の有資格者の配置を義務付けないこととしています。
・ 市教委が委託先に、調理員の名簿を提出させ、顔写真を貼った履歴書、有資格者における資格証明書類の添付を求めています。
・ 市教委が委託先に、調理員の頻繁な交代がないよう求めています。
・ 市教委が委託先に、調理員の欠員、交代等について事前報告を求めています。
・ 市教委が委託先に、調理員に対する初任者研修、教育研修等を求めています。
・ 市教委が委託先に、朝礼等における業務確認を求めています。
・ 市教委が委託先に、研修計画書を提出させ、その計画に基づく研修の実施と市教委への報告を義務付けています。
・ 市教委が委託先に、市教委が衛生管理上不適当と判断した調理員の業務従事禁止を義務付けています。

<告示37号>
U−2(事業の独立性)
(3) 次のイ又はロのいずれかに該当するものであって、単に肉体的な労働力を提供するも
のでないこと。
イ 自己の責任と負担で準備し、調達する機械、設備若しくは器材(業務上必要な簡易な
工具を除く。)又は材料若しくは資材により、業務を処理すること。
ロ 自ら行う企画又は自己の有する専門的な技術若しくは経験に基づいて、業務を処理す
ること。

<契約書、仕様書>
イについて
・ 市教委が委託先に、食材を無償で提供しています。
・ 市教委が委託先に、食材の規格表に基づく受領、点検をさせ、検収表を作成させています。
・ 市教委が委託先に、食材の保管、在庫管理をさせ、市教委が使用状況を確認しています。
・ 市教委が委託先に、調理場を無償で貸与しています。
・ 市教委が給食設備、調理機器等を購入し、委託先に無償で貸与しています。
・ 市教委が委託先に、水道、ガス、電気を無償で供給しています。
・ 市教委が給食施設、主要な設備の設置、改修を無償で行っています。
・ 市教委が貸与機器の経年劣化又は消耗による修繕費を負担しています。
・ 市教委が委託先に、貸与施設、機器類の使用を義務付けています。
・ 市教委がねずみ、昆虫の駆除費を負担しています。
ロについて
・ 市教委が学校給食衛生管理マニュアルを作成し、委託先に同マニュアルに基づいて業務を遂行することを義務付けています。

<市教委の業務指示・体制>
・ 市教委が調理工程を作成し、委託先に同工程に基づいて業務を遂行させています。
・ 市教委が委託校に市栄養士を常駐させ、委託先が市教委作成の学校給食衛生管理マニュアルに従って調理業務をするよう監督させています。

○ 加茂小学校契約は、高石小学校・高陽小学校契約よりも違法性が強化されています。

・ 加茂小学校契約書によると、受託者に、調理業務に従事させる者の氏名、資格を市教委に通知させ、かつ、市教委による承諾を義務付けています。また、受託者に、業務に従事する従業員の頻繁な交代がないよう留意させ、交代する場合は、業務の質の低下を招かないよう配慮させ、かつ、市教委による承諾を義務付けています。これは、告示37号U−1(3)Aの「労働者の配置等の決定及び変更を自ら行うこと。」に明らかに該当せず、偽装請負となります。
  
○ 監督、検査という点からの問題

・ 地方自治法第234条の2(契約の履行の確保)は、「・・・契約の適正な履行を確保するため又はその受ける給付の完了の確認・・・をするため必要な監督又は検査をしなければならない。」 と規定しています。
・ 高石市契約規則第61条(監督員及び検査員)は、「市長は、契約の適正な履行を確保するため、又はその受ける目的物の確認をするため、必要な監督員と検査員を置くものとする。」と規定しています。
・ このように、委託業務の監督、検査が地方自治法上義務付けられ、市契約規則で監督員、検査員の設置が義務付けられていますが、安全安心の学校給食のため、市栄養士を委託校に常駐させ、委託先の調理業務の監督を強化すればするほど偽装請負性が濃くなります。

○ 適正請負は、市教委の責任放棄

・ 偽装請負を解消するためには、適正請負にするか直営に戻す必要があります。
・ 適正請負により偽装請負を是正しようとすれば、@献立作成、食材調達という学校給食の根幹部分を業者に任せるか、A衛生管理マニュアルを業者側のものにし、市教委は市栄養士を常駐させるような調理業務の監督をやめるか、いずれかの方法を採用せざるを得ません。これは、学校給食の安全や質を市教委の責任において確保することを放棄し、学校給食の教育的役割を放棄することにつながります。

 高石小学校契約書仕様書(2008〜2010)
 高陽小学校契約書仕様書(2008〜2010)
 加茂小学校契約書仕様書(2009〜2010)

(2009.5.1 掲載)

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高石市職員労働組合 「高石まちづくり情報」
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