学校給食調理業務の委託について
市職労の質問と市教委の回答+コメント

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○ 学校給食調理業務の委託について高石市職員労働組合が高石市教育委員会に提出していた質問と市教委の回答、市職労のコメントです。高石市職員労働組合機関紙(2008.7.28〜)から転載しました。


              学校給食調理業務の委託について
             市職労の質問と市教委の回答+コメント

質問1
 給食調理業務の委託を中止し、直営に戻すこと。
回答1
 業務委託の中止はできません。

質問2
 給食調理業務を委託する理由を説明すること。
回答2
 平成18年度学校給食調理委託業務実施に関する基本方針に基づき、各学校の喫食数に
伴う正職員の配置状況により業務委託を実施。
コメント
 市教委は、当初、委託は低コストと委託理由を説明していました。しかし、第3次財政
健全化計画案によれば委託により経費はむしろ増加し、長期の経費見通しも計算されてい
ないことが判明すると、市教委は、給食調理員は正規職員でなければ給食の質を維持でき
ないが、正規職員による直営と委託とを比較すると委託の方が安いという説明を始めまし
た。給食調理業務の経費は、市職労が試算したところ、正規職員の退職を臨時職員で補充
すると、委託は直営よりも3年間で8千万円、8年間で2億円以上も高くつき、全校委託
と全校直営の経費はいずれも1億3千万円で同じという結果になりました。市教委は、給
食の質を維持するためには給食調理員が全員正規職員でなければならないと説明しなが
ら、市職労に対する説明会(2007.4.27)の席上、自らその根拠はないことを認めました。
また、正規職員でなければ給食の質を維持できないとする根拠として公開した文書(根拠
はないと説明しているのに根拠だとする文書を公開するのは矛盾した行為ですが。)につ
いて、高石市情報公開審査会は、公開された文書から「学校給食の質と安全を確保するた
めには調理員が全員正規職員でなければならないということを読み取ることは困難といわ
ざるを得ない。・・・本件異議申立てのような事態を招いたことは、実施機関が説明責務
を適切に果たしていなかったからだといわざるを得ない。」という答申をしています。市
教委は、給食調理業務の委託会社に給食調理員全員の正規従業員義務付けをしていません。
したがって、市教委の説明に従えば、直営校は給食の質が守られているが、委託校は給食
の質が守られているかどうかわからないということになります。毎年2千万円、3千万円
もの経費を給食調理業務の委託に注ぎ込むのか、小中学校7.3%、幼稚園11.1%(2008.4.1)
という極めて低い校舎耐震化率の改善に使うのか、市教委の対応が問われます。

質問3
 給食調理業務の委託を検証すること。
回答3
 高石市学校給食調理業務委託業者選定委員会より示された委託内容の検討と評価に基づ
き検証するとともに学校栄養職員の報告書をもって検証を行った。
コメント
 市職労が要求したのは、給食調理業務の委託そのものの妥当性の検証です。しかし、市
教委が行った検証は、委託業者の契約の履行状況等の検証です。さまざまな問題が指摘さ
れている給食の委託(例えば、委託料の増嵩、質の低下、委託会社給食調理員の低賃金・
・・)であるからこそ委託そのものの妥当性を保護者、専門家、栄養士、調理員等により
多角的に検証するべきです。なお、市教委は市職労に対して「検証して問題があったとし
ても学校給食調理業務の委託は進めたい」と説明しています(2007.3.2)。

質問4
 中央教育審議会答申にあるように、食育における調理員の役割を明確にし、食育に調理
員を活用すること。
回答4
 食教育は、児童の健全な発達に誠に重要で栄養教諭、学校栄養職員がこれにあたるが、
学校給食の調理を担当する調理職員の役割を重要と考え、学校現場の取り組みが大切と考
える。
コメント
 給食調理員を食育に活用することを求めたのに、市教委は活用の具体的な考えを示さず
に「学校現場の取り組みが大切」と学校に責任を振りました。そもそも、市教委は全校を
委託する方針で、直営校の給食調理員を全否定したのも同然です。いずれ全くいなくなる
給食調理員なのに「役割が重要」とは矛盾した説明です。それとも、委託会社の給食調理
員に委託で食教育をさせるというようなことを考えているのでしょうか。そうであるなら、
学校教育の一部を民間委託することになり、学校現場で民間会社の営利性と教育の公共性
との矛盾が生じることになります。また、委託料も高くなり、ますます委託は直営よりも
高くつくことになります。

質問5
 委託校では業務終了まで市栄養士又は府費栄養士が作業を確認する体制を取ること。
回答5
 調理業務委託校には、市の栄養職員を配置し府費負担の栄養職員とともに業務の確認に
あたっている。
コメント
 市栄養士の勤務時間は委託会社の作業終了までとはなっていないので、委託会社の作業
終了まで作業を確認できる体制を求めたのですが、回答はそのことには全く触れていませ
ん。業務を委託した場合、一般的に、委託先の作業を全て監督しているわけではありませ
んが、給食は、その性格上、調理後から子どもたちに提供するまでの間に調理済みの給食
を検査することは不可能な面があるため(味、色、匂い等は検査できても食中毒の原因と
なる細菌の検査まではできません。)、衛生管理マニュアルどおり調理等が行われている
か(食器の洗浄等の給食後の作業も含めて。)という作業工程の監督が重要になります。
そのため、委託校には市栄養士が配置されているのですが、市栄養士は、勤務時間の関係
から委託会社の作業工程全部を監督できるわけではありません。なお、市教委が作成した
委託の検証報告書によると、市栄養士は、食教育にも携わっています。そうすると、市栄
養士の勤務時間内でも市栄養士が委託会社の作業を監督していない時間帯があることにな
ります。市栄養士が食教育に携わるのは、本人のキャリアアップという点も含めて好まし
いことですが、そもそも市栄養士を配置した第一の目的は、委託会社の作業を監督するた
めであったはずです。市栄養士の職務と職責が明確にされる必要があります。

質問6
 少なくとも、教育総務課職員及び各校の校長・副校長は検便をし、調理場に立ち入れる
体制をとること。
回答6
 検討したい。
コメント
 市職労はかねてから管理職等が調理場に立ち入れるよう関係職員の検便を求めてきまし
たが、未だに「検討したい」という回答にとどまっています。市教委には学校給食に積極
的に関わる気はないと判断せざるを得ません。学校給食の責任者や担当者が調理場に立ち
入れないという体制が適切ではないのは明らかす。

質問7
 子ども、保護者等が外から調理場を見学できるようにすること。
回答7
 調理施設の構造上の問題がある学校もあるが必要なことと考える。
コメント
 「台に上がると調理員さんたちの給食作りが、すぐ目の前に、つぶさに見える。調理員
さんと話もできる。物事のプロセスを、いつでも見ることができるのはとても貴重なこと
だ。」(「吉原ひろこの学校給食たべ歩記」朝日新聞2007.1.26)。調理施設の構造上問題が
ない学校は見学できるようにすみやかに措置を講じていただきたいものです。調理施設の
構造上問題がある学校は、調理業務の委託を直営に戻し、それで削減できる経費で施設を
改善していただきたいものです。

質問8
 三季休業中は、委託校も直営校と同等水準の作業を行うこと。
回答8
 事業者は三季休業中直営校と同等作業を行い衛生管理面等徹底を図っている。
コメント
 夏休み中(2007年7月20日〜9月3日)は、直営校は、土曜日、日曜日、祝日を除く32
日間出勤し、食器、調理場、調理器具、食教育用の掲示板製作等を行っていますが、委託
会社は、6日又は8日の出勤しかありません。直営校と委託校とが同じ作業水準であった
とは到底考えられません。直営校からも委託会社からも報告書が提出されていますが、食
器やスプーンを洗っただけなのか、洗っただけでは取れない黒ずみや曇りまで取ったのか、
報告書からは作業の水準まではわかりません。直営校の作業水準については、市教委に資
料を提供し、説明もしています。市教委は、委託校と直営校と作業水準に差があることは
わかっているはずです。

※ 夏季休業中の直営校と委託校の作業日数、作業内容は、こちらです。

質問9
 夏季休業中に委託校で直営校と同等の水準の作業ができなかった原因を明らかにし、委
託業者にペナルティを課すかどうか判断すること。ペナルティを課さないのであれば、そ
の理由を明らかにすること。
回答9
 事業者は、学校給食の安全、衛生面の徹底を図っておりペナルティを課すものとは考え
ていない。
コメント
 市教委は、市職労に、夏季休業中に委託業者が直営校と同じ水準の作業ができなければ
ペナルティを課すこともあると説明しています(2007.4.27。もっとも、直営校と同等の水
準を委託業者に求め、できなければペナルティを課すということは、契約上疑義があり、
そのことは市教委に指摘しています。)。委託校が直営校の水準に達していないことは、
質問8のコメントのとおり市教委もわかっているはずです。委託校で直営校と同等の水準
の作業をさせると委託料は高くなり、直営よりも委託がさらに高くつくことになります。

質問10
 委託校の調理員の賃金単価を1000円以上とするよう契約に明記すること。
回答10
 本業務は、請負業務であり賃金単価は事業者とその雇用される労働者との契約問題であ
り、本市との契約書に賃金単価を記すものではないと考える。
コメント
 委託業者の給食調理員の時間給(パート)は、求人広告によると750円から800円まで
と思われ、市の臨時・パート給食調理員の時間給よりも200円以上低くなっています。し
かし、経費は、委託の方が直営よりも高くついています。委託業者は金額だけの入札によ
り決定されます。経費の大半は調理員の人件費と考えられますので、人件費の安いところ
が落札する可能性が高くなります。自治体の役割は市民福祉の向上ですが、市教委は、経
費をかけてワーキングプアを増大させていることになります。委託契約に賃金単価を1000
円以上とすることを明記することは可能と考えますが、それができないのであれば、直ち
に委託をやめ、委託会社の給食調理員を直接雇用すべきです。しかも、これは経費の削減
になります。

質問11
 全校で保護者、栄養士、調理員による懇談会を各学期1回以上行うこと。
回答11
 業務委託校にあっては、平成19年度より保護者参加による懇談会が設置されており、
児童のための給食をめざし学校給食会における検討事項とする。
コメント
 現に2校で実施されている懇談会を全校に広げることがなぜ検討事項なのか理解できま
せん。委託校だけ懇談会があるのは、市教委自ら委託には問題があると認識しているから
でしょうか?それとも委託に不満のある保護者の不満解消のつもりでしょうか?それと
も、委託業務をきちんと監督していることをアピールしたいからでしょうか?動機はとも
かく、懇談会の設置自体は前向きな取り組みとして評価したいと思います。すみやかに全
校で取り組んでいただきたいものです。また、回答は、学校給食会における検討事項とい
う内容ですが、学校給食の実施主体は市教委なのでしょうか、学校給食会なのでしょうか。
学校給食の実施主体は市教委であり、学校給食に責任を負うのは市教委なのではないでし
ょうか。したがって、懇談会も市教委主催であるべきです。

質問12
 ドライシステムの調理マニュアルを作成すること。
回答12
 市衛生管理マニュアルは、学校栄養士、調理職員の協力を得て改正を行った。

質問13
 全校に市又は府費の栄養士を配置すること。
回答13
 平成20年度より府費負担栄養職員が1名増員された。
コメント
 府費負担栄養士が1名増員されても栄養士のいない学校はまだ2校あります。調理業務
の委託を直営に戻して削減できる経費で非常勤栄養士を配置できます。栄養士の有資格者
を給食調理員に雇用するという方法も可能です。

質問14
 教育総務課に栄養士を配置すること。
回答14
 学校給食会との連携から配置の必要性は認識する。
コメント
 調理業務の委託を直営に戻して削減できる経費で栄養士を配置できます。質問11のコ
メントにも記しましたが、学校給食会とは何でしょうか?どうも性格がはっきりしません。

質問15
 市栄養士は、希望により継続雇用すること。
回答15
 本市定数外職員取扱要綱に基づき労働法規を遵守し対応する。
コメント
 市職労と市との間で、その職がある限り、本人の希望により継続して雇用し、雇い止め
はしないという合意がありますが、この回答はそのことには触れていません。合意の再確
認を求めます。

質問16
 調理員個人の賃金等の支給額が判明しかねない資料を議会に提出したことについて、個
人情報保護条例上問題ないか説明すること。なお、市教委は、2007年4月27日に、市職
労に対して個人情報保護条例上問題があるかどうか「答えは出す」と言ったまま放置して
いることを念のため申し添える。
回答16
 個人を類推するような資料の提示には十分注意する。
コメント
 個人情報保護条例違反を問うているのですから、「十分注意する」というようなあいま
いな回答でお茶を濁すべきではありません。しかも、市職労の指摘から既に2年近く経過
しています。個人情報保護条例に違反するというのであれば、議会提出資料は直ちに回収
するべきです。

(2008.7.29 掲載)

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高石市職員労働組合 「高石まちづくり情報」
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