高石保育所民営化に係る質問と回答
−民営化に正当性も根拠もないことが明らかに−

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○ 高石保育所の民営化について、高石市職員労働組合が高石市に提出した質問(2007.7.24)と高石市の回答(2007.8.20)を整理したものです。
 高石市は、この回答で、高石保育所の民営化で7千万円を超える財政効果があるとしていますが、その「財政効果」の前提条件は現行制度・条件とは異なるため、7千万円というような「財政効果」なないと思われます。高石市職員労働組合の試算では、高石保育所の民営化で逆に3千6百万円の負担増(2005年度決算ベース)となっています。


高石保育所民営化に係る質問書

 高石市が作成した「公立保育所の2園民営化について」及び「高石保育所の民営化について」によると、公立保育所を民営化する理由は、@児童福祉法に第56条の7が追加されたこと、A私立保育所が公立保育所より低コストであること、の二つとされています。ついては、次のとおり質問しますので、8月7日までに文書によりご回答ください。

質問1

 児童福祉法に第56条の7が追加された趣旨は、平成13年11月30日付厚生労働省雇用均等・児童家庭局長通知によると、「認可外保育施設に関する問題の背景には、保育所の不足がある」という認識に基づき「保育所の供給拡大を図る」ためとされています。そして、民間により「保育の実施に係る供給を効率的かつ計画的に増大させる」とされています。すなわち、保育需要の増大に対処するため民間により効率的に保育の供給を増大させることが本条の追加の趣旨ですが、「効率的に」には、二つの意味があると考えられます。一つは、公立保育所の供給を急速に増大させるのは財政状況が悪化している自治体の能力から見て困難であるため、民間の資金を活用しようとするというもの、もう一つは、公立保育所よりも民間保育所の方がコストが低いので、民間の方が公立よりも多くの保育の供給が可能であるというものです。高石市の場合、多額の資金を投入して新たに保育所を設置したり、既存の保育所を増築して定員を増やすほどの保育需要の増大があるわけではないので、児童福祉法第56条の7の趣旨により保育所を民営化するということは、結局のところ、保育所を民営化する理由の二つ目の民間保育所が公立保育所よりも低コストであるということになりますが、そのような理解でよろしいですか。違うのであれば、児童福祉法第56条の7の趣旨をふまえた民営化の意味を具体的にかつ詳しく説明願います。

回答1

 保育需要の急速な増大を背景に認可外保育施設が増加し、認可保育所における乳幼児の事故が社会問題化していること等に対応するため、平成13年11月30日に改正された児童福祉法では、「保育需要が増大している市町村は、公有財産の貸付け、保育所の運営業務の委託、その他の措置を積極的に講じ、社会福祉法人等多様な民間事業者による保育所の設置、運営を効率的かつ計画的に促進することとする」旨の条項(第56条の7)が追加されたのは、認可外保育施設に関する問題の背景には、保育需要ヘの供給不足があることを踏まえ、民間活力の活用により増大する保育需要に応えていくものであると解しています。
 子育て支援に関しては、公立・民間保育所のそれぞれの役割を担いながら多様化する保育ニーズ(一時保育、延長保育、休日保育など)への対応や、0歳児を中心に年度途中の待機児童の解消、さらには、財政健全化に向けてスリムな行政をめざし、行財政改革を進めていることなどを検討し、公立保育所を民営化し、子育て支援の充実に取り組んでいます。その際、手続きの透明性、公正性が求められているものと理解しています。

質問2

どのような根拠に基づいて「民間保育所が公立保育所に比して低コストである」と判断したのですか。単なる園児1人あたりコストとか1園あたりコストというような比較では、保育時間、保育内容、障害児保育、保育士の経験年数等保育を構成する要素を無視した比較となりますので、コスト比較の方法としては妥当ではないと考えます。あえて園児1人あたりコストや1園あたりコストというような比較をするのであれば、そのような比較方法の妥当性についても説明願います。

質問3

 仮に公立保育所よりも民間保育所の方が低コストであるというのでれば、その理由は何ですか。また、低コストであることによって何か問題が生じるおそれはないですか。

回答2、回答3

 民間保育所と公立保育所について、保育士の年齢、障害児保育の対応、配置基準などの違いがあるため、単純に全く同一条件で比較することは難しいが、格差があると認識しています。
 なお、比較する方法として、公立保育所の場合は、保育所管理費と保育所事業費の合計額を公立保育所入所児童数で除する。また、私立保育所の場合は、私立保育所費を私立保育所入所児童数で除する方法が考えられます。

質問4

 2006年11月14日に開催された市職労に対する説明会で、高石市保健福祉部は、財政効果について、「保育所運営費と延長保育の補助金が一般財源化された。府の制度も変わっていくので、財政効果については、試算しにくいのが現状。長期的に見たら、財政効果はあると思うが、今の段階では財政効果があるのかないのかがよくわからない。」と説明しています。一方、平成19年1月16日付保護者あて説明文書では、「今回の民営化でも、同じような効果(東羽衣保育所の民営化時と=市職労注)が生じるものと考えています。」と説明しています。市職労に対する説明と保護者に対する説明とが食い違っていますが、なぜ食い違いが生じたのですか。また、どちらの説明が正しいのですか。

回答4

 東羽衣保育所の民営化裁判において、前年度に比べて7,000万円を超える財政効果が、生じていると認められています。また、今回の民営化でも、同じような財政効果が生じるものと考えています。
 以上のことから、平成19年1月15目から開催しました保護者説明会において、説明をしています。

質問5

 保護者に対する「今回の民営化でも、同じような効果(東羽衣保育所の民営化時と=市職労注)が生じるものと考えています。」という説明は、東羽衣保育所の民営化と今回の民営化とが同じ条件であればそのようになるかもしれません。しかし、東羽衣保育所の民営化と今回の民営化とでは、少なくとも、公立保育所の運営経費が一般財源化されていること、公立保育所における臨時職員数が異なっていること、という点で大きく条件が異なっています。どのような根拠に基づいて今回の民営化の財政効果を東羽衣保育所の民営化と同程度であると判断したのですか。

回答5

 質問4で、ご回答申し上げたように、東羽衣民営化の裁判において、7,000万円を越える財政効果が生じていると認められていますので、財政制度の改正や、臨時的職員数の違いがありますが、同じ様な財政効果が生じるものと考えていますとしています。

質問6

 「公立保育所の2園民営化について」によると、「公民の役割り分担や多様化する保育ニーズヘの対応、また待機児童の解消さらには財政健全化に向けてスリムな行政をめざし、職員数の削減など人件費の削減を大きな柱に、行財政改革を進めていることなどを総合的に検討し」2園民営化することとしています。民営化する保育所を2園とした「総合的な検討」の内容を具体的にかつ詳しく説明願います。

回答6

 「公立保育所の2園民営化について」や「高石保育所の民営化について」において、民営化の考え方で述べているように、公民の役割として公立の保育所は、地域における子育て支援のセンター的役割や障害児保育事業を実施する役割などを担うものとし、またこの障害児保育事業については、民間にもその一翼を担っていただくとする一方、民間活力の導入により、多様化する保育ニーズ(一時保育、延長保育、休日保育など)に効果的、効率的な展開を行うなど、各々役割分担しながら、保育サービスの提供を行うことが必要であります。また、0歳児を中心に年度途中の待機児童の解消にも努めていく必要があります。さらには、財政健全化に向けてスリムな行政をめざし、行財政改革を進めていることなどを検討し、公立保育所を民営化し、子育て支援の充実に取り組んで行こうとするものです。

質問7

 仮に、民営化で財政効果があるとした場合、民営化の手法として指定管理者制度の活用も考えられます。指定管理者制度の活用は検討したのですか。検討しなかったのであれば検討しなかった理由、検討した結果採用しなかったのであれば採用しなかった理由を説明願います。

回答7

 保育所民営化の手法として、指定管理者制度の検討を行ってまいりました。 指定管理者制度には指定期間が設けられており、運営法人が頻繁に代わる恐れがあり、子どもへの環境の変化による影響が心配されることが考えられます。指定期間ごとに運営する法人を公募して選定する必要がありますので。このことにより、保育士の安定的な確保や保育士の継続性、保育の継承も保障されず、法人にとっても長期的な展望に立った継続的な取り組みや安定的な経営が困難になるのではと考えられます。
 修繕、管理については、市の責任において行う必要があります。

質問8

 第8回高石市立保育所移管に係る選考委員会議事録によると、事務局(子育て支援課)は、保育士の経験年数について、市立高石保育所は23年、民間保育園(高石市内の民間保育園か他市も含めた民間保育園か明らかではありませんが。)は5〜7年と説明しています。経験年数が5〜7年ということは、0歳から6歳まで、各年齢を1回ずつ担当すれば退職する、又は、各年齢を2回ずつ担当すれば、園児の年齢層の半分しか経験せずに退職するということです。すなわち、民間保育園保育士の多くは、初心者のままで退職していることになります。子育てには、場数を踏む=経験がものを言う場合が多々あると考えられ、選考委員会においてもそのような意見が出されていますが、経験者がいない又は圧倒的に少なく、初心者が圧倒的に多い場合に、保育をする上で問題が生じないでしょうか。民間保育園保育士は、なぜ若くして退職するのでしょうか。保護者の就労を保障するのが保育所の役割の一つですが、その保育所の保育士が若くして退職することは大きな矛盾ではないでしょうか。見解を説明願います。

回答8

 民営化にかかる保育所運営者募集要項の応募資格、条件や移管の方法と併せて保育所の運営の条件として「保育事業内容」や「運営及び組織」、「その他」など色々な項目にわたって、保育所移管に係る選考委員会においてとりまとめをし、応募の条件としています。
 この中で、保育士の年齢構成については、バランスも大事であるので、経験年数のある保育士を一定配置するように努めることを条件の―つにしています。
 なお、民間保育園の保育士の退職状況については、判断をしかねます。

(2007.8.29 掲載)

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高石市職員労働組合 「高石まちづくり情報」
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