公立保育所廃止は、こども・保護者・市民に対する責任放棄!

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○ 2007年6月市議会で民営化するため市立高石保育所を廃止する条例が可決されたことについて、高石保育運動連絡会が発表した見解です。


保護者の納得や子ども施策の全体像ビジョンを明らかにしないままでの
公立保育所廃止は、こども・保護者・市民に対する責任放棄!
保護者の声を押し切って6月議会で高石保育所の廃止を強行

 高石市議会は、6月28日の本会議において、「高石市立保育所設置条例の一部を改正する条例」(高石保育所廃止条例)を賛成多数で可決しました。一方、同市議会に提出された「高石保育所の廃止・民営化の凍結、見直しを求める」請願は、賛成少数で不採択とされました。
 公立保育所の民営化問題をめぐっては、「第3次財政再建計画案」や「保育所・幼稚園・学校給食のあり方等について」の中で、「平成20年度に1保育所、平成21年度に1保育所」を廃止・民営化する方針を打ち出しましたが、2006年6月の市議会において、高石市は民営化の実施時期について「平成21年度に2箇所」に変更することを明らかにしました。
 それ以降、2006年12月には、高石市に保護者を中心とする「民営化計画凍結・見直しを求める」1400名以上の要請署名を提出し、2007年6月議会には、約3600名の請願署名を提出し、さらに同市議会に当該高石保育所保護者(ほぼ全世帯)による「6月議会で議決せず、慎重審議」を求める要請書が提出されました。このように、民営化について、反対の声、不安や疑問の声が日を追うごとに高まり、民営化に保護者の納得が得られていないことは一目瞭然となっていました。このような状況の中で保護者の理解をないまま、民営化を強行したことは、高石市の保育行政にとどまらず、高石市政全体について深い不信と失望をもたらすこととなりました。
今回の高石保育所の民営化については、この間の市の説明会、市議会での議論を通じて、大きな問題が明らかとなっていますので、ここに私たちの見解を明らかにしておきます。

今後の子育て支援、こども施策のビジョンを示さないままの民営化

 第1の問題点は、前回の民営化の十分な検証もせず、今後の子育て支援、こども施策のビジョンを示さないまま民営化を決めたことです。
 わずか半年の間に「2園民営化」であったものを「1園民営化、もう1箇所については発表を留保」と変更しました。「幼稚園の統廃合等の経緯を見て検討したい」という留保した理由は、まさに、こども施策のビジョンがない中で民営化だけを先に決めた、ということを示していることにほかなりません。
 公民の役割分担についても、公立保育所、民間保育所の性格の違いをふまえた上で保育ニーズに応えるという検討を真剣に行ってきたのか大きな疑問があります。
さらに、仮に、民営化を推進するとしても、当然、前回の民営化についてさまざまな視点から検証し、教訓を汲み取るべきです。保育所廃止条例を議会上程前に保護者に説明したり「引き継ぎ期間」について一定の考慮がされてはいるものの、前回の民営化において、こどもや保護者にどのような影響があったのか、十分な検討の上で対応策が提案されたとはいえません。そのことは、保育運動連絡会や保護者会連絡会の強い要請により、廃止・民営化から5年も経過してから、ようやく東羽衣保育所の民営化を経験した保護者にアンケート調査を実施したということを見ても明らかです。

保護者の理解を得ずに民営化を強行

 第2の問題点は、「保護者の意見は聞く」、「理解を得ながらすすめる」としながらも、実際は保護者の疑問や不安を払拭できないまま「スケジュールどおり」に進めることを至上命題とし、その結果、保護者の理解を十分得られないまま高石保育所の廃止を強行したことです。6月議会開催直前に、高石保育所の保護者のほぼ全員から「6月議会で議決せず、慎重審議を」の要請書が提出されたことからも"保護者の理解を得ていない"ことは歴然とした事実です。"説明会を開催したからよし"ではなく、保護者と市との信頼関係がいかに培われてきたのかが問題なのです。

「こどもの最善の利益」の保障は自治体の責務

 第3の問題点は、民営化の大きな理由である財政効果がはっきりしていないことです。
 これまで、高石市は、財政効果について、保護者には、前回の東羽衣保育所と同程度の効果があると説明していますが、保育連と市長との懇談の場で試算は示されませんでした。東羽衣保育所の民営化以降公立保育所運営費が一般財源化され、また、臨時職員の割合も東羽衣保育所の民営化当時と今とでは全く異なっています。したがって、仮に東羽衣保育所の民営化で財政効果があったとしても、東羽衣保育所の民営化と今回の民営化とでは財政上の条件は全く異なり、財政効果も異なると考えられます。高石市の説明は、保護者に対するものと、保育連に対するものとで説明内容を変えるという矛盾したものです。
 いま、国の方針は、公的保育制度を崩すと同時に、株式会社も参入しやすい保育の市場化を進めています。いくら保育、子育て支援に熱心で質の高い保育を実践しても、コストダウンを図り、他の保育所との競争に勝てない限り生き残れないようにするというのが国の政策なのです。事実、民営化された保育園が経営難から廃園となったケースもあります。そうなれば、こどもたちが安定した生活を送ることすら危ぶまれます。高石市が民営化を進めるということは、こどもの最善の利益ではなく、このような保育の市場化の流れに加担することになるのです。
保育の市場化は、お金で保育サービスを買うという傾向を強めます。そうなると、質の高い、価格の高い保育サービスを買うことのできる高所得者と、質の低い、価格の安い保育サービスしか買えない低所得者との格差を拡大することになります。市民福祉の向上をその役割とする自治体が、格差の拡大に手を貸すようなことをしてはいけません。

こども施策のビジョンと真の公民役割分担をめざして

 公立保育所と民間保育所とは性格が異なります。すなわち、公開と参加によりみんなでつくる保育所というのが公立保育所であり、保育所運営者の保育理念で運営され、その保育理念に賛同する保護者がこどもを預けるというのが民間保育所の基本的性格なのです。このような性格の違いをふまえた役割分担こそが、本来の公民の役割分担であるべきです。
 高石保育所の廃止・民営化は、手続きにおいても内容においても大きな問題があり、到底容認できるものではありません。こどもたちの未来に責任を担う者として、断固抗議し、あわせて、子ども施策のビジョンの作成と真の公民役割分担に基づく保育所のあり方の検討を求めるものです。

2007年7月
 高石保育運動連絡会

(2007.8.8 掲載)

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高石市職員労働組合 「高石まちづくり情報」
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