学校給食調理業務の業者委託理由に根拠なし!−高石市教育委員会が認める−

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○ ここに掲載したものは、2007年4月27日に行われた高石市教育委員会から高石市職員労働組合への説明会の議事録です。説明会は、高石市職員労働組合からあらかじめ提出してあった質問に答える形で進められました。その説明の中で、市教委は、驚くことに、学校給食調理業務の業者委託をする理由に根拠がないことを認めました。これは、事実上、保護者や市職労に虚偽説明を繰り返していたことを認めたことになります。

学校給食調理業務の業者委託に係る説明会議事録

日時 2007年4月27日(金)午後6時〜午後8時30分
出席者 高石市教育委員会:澤田教育部次長兼教育総務課長、杉本教育総務課参事兼課長代理
      高石市職員労働組合:小倉委員長、吉田副委員長、山田執行委員他

質問@ 市栄養士は、契約書、仕様書、市衛生マニュアルに記載されていない事項(例えば、検品の詳細・ひび割れ卵の廃棄)であっても業者に履行を求める権限があるのか説明願いたい。
質問A 前項において、受託業者は、契約上履行責任を負うのか説明願いたい。
質問B 前項において、受託業者が契約上履行責任を負うのであれば、その根拠を説明願いたい。

●市教委 直営校のこれまでの慣例・慣習で行ってきた衛生管理は、受託業者にも履行を求める。
○市職労 直営校の慣例・慣習も受託業者に履行させるとの契約上の根拠はどこあるのか。
●市教委 契約書に定めのない事項は双方協議して定めるとの条項だ。
○市職労 それは、双方が合意して初めて履行されることになる。市教委と受託業者と合意に達しなければ履行されない。また、目の前で進行している調理について、市教委と受託業者と双方協議して合意を得るなどということは非現実的な話だ。仕様書には、受託業者は市の衛生マニュアルに沿って調理することと規定されている。市の衛生マニュアルにない直営校の慣例・慣習による衛生管理を受託業者に履行させるということは、市教委から受託業者に対する衛生上の指示となるのではないのか。そうであるなら、契約書に定めのない事項の双方協議ではなく、仕様書の変更ではないのか。
●市教委 契約書に定めのない事項の双方協議だが、受託業者には履行する義務がある。
○市職労 受託業者に市教委の指示に従う義務があるのなら、契約書に定めのない事項の双方協議ではない。契約書や仕様書に、市教委は受託業者に対して衛生上必要な指示をすることができる旨の条項を設けるべきだ。
●市教委 市の衛生マニュアルにない直営校の慣例・慣習による衛生管理は、契約書に定めのない事項の双方協議により、履行を受託業者に求める。
○市職労 衛生上必要なことで契約書や仕様書に定めのない事項は、双方協議で受託業者に履行を求め、受託業者が市教委の求めに応じなかったときは、契約不履行で受託業者にペナルティーが課されることもあるということか。
●市教委 そうだ。
○市職労 契約書のそのような解釈には疑問がある。市栄養士は、調理場に入っているのか。
●市教委 調理場に入っている。業務開始当初については、調理等に関する指導も必要であり、調理場に入っている。
○市職労 市栄養士の受託業者調理員に対する具体的指示は、職業安定法や労働者派遣法に違反する。

質問C 市教委は、市職労に、三季休業中は委託校も直営校と同等の水準の作業を求めると説明しているが、受託業者は、求められたことについて契約上履行責任を負うのか説明願いたい。
質問D 前項において、契約上の履行責任を負うのであれば、その根拠を説明願いたい。また、受託業者が契約上履行責任を負わないのであれば、委託校において直営校と同等の水準の作業をどのようにして確保するのか説明願いたい。

●市教委 衛生上必要なことは、契約書に定めのない事項の双方協議により、直営校と同等の水準の作業を求める。
○市職労 三季休業中の作業は、衛生上、直接必要なことばかりではない。例えば、学期中使用してきた食器は縁が黒ずんでくる。これは、通常の洗浄では取れない。一つひとつ磨く必要がある。しかし、この作業は、衛生上必要なことでは必ずしもない。また、調理場外の会所の泥揚げもしている。このようなことも受託業者に求めるのか。
●市教委 そのようなことも含めて直営校と同等の水準の作業を求める。
○市職労 仕様書には、三季休業中の作業を直営校と同等の水準とする旨の規定はない。受託業者に直営校と同等の水準の作業の履行を求めるのであれば、契約書に定めのない事項の双方協議ではなく、仕様書の変更をするべきだ。
●市教委 契約書に定めのない事項の双方協議で受託業者に履行を求める。
○市職労 三季休業中は、受託業者にも食器磨きや会所の泥揚げなども含めて直営校と同等の水準の作業を求め、履行されない場合は、契約不履行で受託業者にペナルティーが課されることもあるということか。
●市教委 そうだ。
○市職労 そのような契約書の解釈には疑問がある。

質問E 市教委は、市非常勤栄養士の勤務時間は午前8時15分から午後2時45分まで(週1日は午後3時15分まで)と市職労に対する説明会で2回説明し、説明内容については文書でもって確認しているところであるが、説明どおりであると、非常勤職員の勤務時間は、正規職員の4分の3以内という勤務時間の基準を超えることになる。一方、採用予定者に対しては、勤務時間を午前8時30分から午後2時45分まで(週1日は午後3時15分まで)と説明している旨聞いている。いずれが正しいのか、説明願いたい。
質問F 前項において、採用予定者に対する説明内容が正しいのであれば、市職労に対しては、虚偽説明を繰り返していたことになる。これは、労使間の信頼関係を根底から損なうものである。なぜ、虚偽説明を繰り返したのか、説明願いたい。

●市教委 勘違いしていた。
○市職労 2月に口頭の説明があり、その説明は文書で確認し、3月に口頭の説明があり、その説明は文書で確認し、2月と3月の口頭の説明の間に採用予定者には正しい情報を伝えている。勘違いした理由は何か。
●市教委 ・・・。
○市職労 口頭で2回、文書で2回、しかも、すべて別の日だ。その全てで勘違いするというようなことはあり得ない。市教委の説明は全く信用できない。

質問G 市栄養士の勤務時間外において受託業者が行った作業の確認は、書類上の確認だけとならないよう、誰が、どのような手順、方法で行うのか具体的に説明願いたい。

●市教委 給食日誌その他提出書類で確認する。
○市職労 その他提出書類がどの書類を指すかわからないが、給食日誌には作業の詳細は記入しないので、給食日誌では受託業者の作業の詳細の確認はできない。虚偽の記載があっても全くわからない。受託業者は何時に来ているのか。
●市教委 仕様書では午前8時15分としているが、日々の実際の出勤時間までは把握していない。
○市職労 市栄養士が出勤するまでと退勤した後の受託業者の作業の確認はしているのか。
●市教委 市栄養士の勤務時間外の受託業者の作業は把握していない。
○市職労 受託業者の作業を把握する必要はないのか。
●市教委 業者との信頼関係の下、市栄養士の勤務時間外における受託業者の作業内容は把握していない。
○市職労 給食は、完成品を子どもたちが食べるまでに検査することは不可能である。したがって、調理過程が衛生マニュアルに基づいて確実に実行されているかどうかの確認が極めて重要である。そのために市栄養士を委託校に配置したはずだ。市教委のような信頼関係云々だけでは給食の安全と質は確保できない。

コメント 給食日誌に「調理台にアルコール噴霧をした。」と記載されていても、全面をきちんと噴霧したのかどうかの確認は、その現場に立ち会っていないとわかりません。

質問H 現行の市衛生マニュアルに代わる詳細かつ具体的な衛生マニュアル・調理マニュアルの作成は、いつまでに、誰がするのか、説明願いたい。
質問I 前項において、詳細かつ具体的な衛生マニュアル・調理マニュアルができるまで、どのような衛生管理上の措置を講じるのか説明願いたい。

●市教委 現行の市衛生マニュアルに代わる新しいマニュアルは、夏休みを目処に作成する。
○市職労 現場では、既に新しいドライ方式に対応したマニュアルを作成して使っている。この新しいマニュアルの公開請求をしたが、作成中として文書不存在の決定を受けた。なぜか。
●市教委 公開請求を受けた時点では、まだ作成中であった。新しいマニュアルは、参考資料として受託業者に渡している。
○市職労 新しいマニュアルが作成されたということを聞いたので公開請求をした。その説明には疑問がある。新しいマニュアルは提供していただけるか。
●市教委 提供する。

質問J これまで、市教委は、学校給食の質と安全を確保する条件は調理員が全員正規職員であることと繰り返し説明してきたが、仕様書によると、委託する高石小学校でも高陽小学校でも、それぞれ調理員4名中2名しか常勤調理員を義務付けていない。これは、これまで市教委が説明してきたことと矛盾し、学校給食の質と安全を確保できないこととなるが、なぜ、調理員全員を常勤調理員をとしなかったのか説明願いたい。
K 前項において、調理員全員を常勤職員と義務付けずにどのようにして質と安全を確保するのか、説明願いたい。

●市教委 直営校では、調理員を全員正規職員で確保できない。
○市職労 市教委は、学校給食の質と安全を確保する条件は調理員が全員正規職員だと繰り返し説明してきたのに、委託校ではいずれの小学校も調理員4名中2名しか常勤調理員を義務付けなかったのはなぜか。
●市教委 ・・・。
○市職労 説明不能なのか。
●市教委 受託業者に栄養士や調理師の有資格者を配置させている。
○市職労 栄養士や調理師の有資格者が学校給食の質と安全を確保する条件だというような説明は、調理業務の委託を決定する過程では市教委は全くしていない。学校給食の質と安全を確保する条件は調理員が全員正規職員であることだが、その根拠はないということか。
●市教委 そうだ。
○市職労 市教委が学校給食調理業務を業者委託する唯一の理由は、学校給食の質と安全を確保する条件は調理員が全員正規職員であるが、直営校ではそれが確保できないというものであったが、その根拠はないということか。
●市教委 そうだ。

質問L 受託業者から提出される書類の種類、項目、内容が不明確であったため整理するよう求めていたが、既に作成されていると思うので、書類の種類、項目、内容のわかる資料を提供願いたい。

●市教委 受託業者から提出される書類の一覧表は作成していない。受託業者には提出を求める書類の様式は渡している。
○市職労 様式を一式提供していただけるか。
●市教委 提供する。

質問M 学校給食調理業務の委託は短期的にも長期的も直営よりも財政上の負担が増大することは既に明らかとなっている。質と安全についても、高石小学校も高陽小学校も市教委の設けた条件(調理員が全員正規職員であること。)に達していない。2007年度予算は7億円の「カラ財源」があるとして否決された。学校給食費は、2校委託することによって当初予算比較で1400万円増加した。1400万円捻出するために「カラ財源」を計上したともいえる。このような財政状況でありながら多額の経費を注ぎ込んで委託をするメリットは何か、説明願いたい。
●市教委 平成19年度から平成21年度については、一時持ち出しがあるとこれまで説明してきた。

コメント 市教委は、2010年度以降の経費試算をしていません。したがって、持ち出しが3年間に限った一時のものかどうかわからないはずです。市職労の試算では、2校委託で約2000万円/年、3校委託で約3000万円/年も全校直営を維持するよりも経費が増加します。また、全校直営の経費と全校委託の経費とはいずれも約1億3千万円でほぼ同じです。したがって、将来とも委託による財政上のメリットはありません。

質問N 高陽小学校は業者が機材を持ち込んで半ドライ方式(午前中の上処理のみドライ方式で行う。)で作業していると聞いているが、これは事実かどうか確認願いたい。

●市教委 高陽小学校は半ドライ方式である。高石小学校はウエット方式のままである。

質問O 仕様書によると、5.基本条件において、「調理方法については、当該校の調理場は、「ウエット型」であるが「ドライ方式」にも対応できる能力を有すること。」とされている。これは、ウエット方式かドライ方式かの選択を業者に任せた規定ではない。したがって、高陽小学校で半ドライ方式が行われているのが事実であれば、契約に違反すると考えるが、見解を説明願いたい。
質問P 仕様書と異なる方式を契約締結後に認めるのであれば、入札の公平性を欠くと考えるが、見解を説明願いたい。
 
●市教委 業者から半ドライ方式でしたいとの申し出があり、許可した。
○市職労 それは仕様書の変更か。仕様書の変更は可能か。
●市教委 金額が同じで、より衛生上好ましいドライ方式にするので、仕様書の変更は可能である。
○市職労 仕様書にはどのように書かれているのか。
●市教委 仕様書には、調理場はウエット型、運用はウエット方式と書いている。契約書には、契約書に定めのない事項は双方協議で決定することと規定されている。業者から半ドライ方式で運用したいとの申し出があり、契約書に定めのない事項として双方協議の上許可した。
○市職労 それでは、契約書に定めのない事項を双方で協議して決めたということではなく、仕様書の変更だ。仕様書の変更手続きをするべきだ。
●市教委 そうではない。仕様書にウエット型でウエット方式と書いてあるが、契約書に定めのない事項の協議である。
○市職労 理解しがたい。仕様書の変更手続きをするべきだ。仕様書の変更なのか契約書に定めのない事項の協議なのか、一体どちらなのか。
●市教委 契約書に定めのない事項の協議だ。
○市職労 仕様書にウエット型でウエット方式と書いているのだから、そのような説明には疑問がある。半ドライ方式の許可は仕様書の変更だと考えるが、本当に仕様書の変更ができるのかということについても疑問がある。契約後に仕様書の変更ができるのであれば、入札の公平性を欠くことにもなりかねない。
●市教委 金額が同じで、よりよい条件に仕様書を変更するのであれば、変更は可能である。
○市職労 それは、契約担当にも確認願いたい。完全ドライ方式はウエット方式よりも衛生上好ましいと考えられるが、半ドライ方式では、その運用実態も含めて本当にウエット方式よりもより好ましいことなのか確認できるか。
●市教委 ・・・。
○市職労 半ドライの方式の申出と許可は文書でしたのか。
●市教委 申出は文書であったが、許可は口頭でした。
○市職労 受託業者からの申出文書は提供していただけるか。
●市教委 提供する。

コメント 調理方式の変更が申出は文書で、許可は口頭でされていますが、このような重要な仕様書の変更(市教委の立場は、契約書に定めのない事項の協議)は、許可も文書でするべきです。

質問Q ウエット方式を前提としている高石市学校給食衛生管理マニュアルは、半ドライ方式には適用できない。高陽小学校で適用されている衛生マニュアルは何か説明願いたい。
質問R 仕様書によると、5.基本条件において、「本市学校給食会が作成した「学校給食衛生管理マニュアル」に沿って運営すること。」とされている。高石市学校給食衛生管理マニュアルが適用されていないのであれば、契約に違反すると考えるが、見解を説明願いたい。

●市教委 文部科学省の「学校給食衛生管理の基準」、市の衛生マニュアル、堺市の衛生マニュアル(ドライ方式)、自社マニュアルを参考にして調理してもらっている。
○市職労 仕様書には、「本市学校給食会が作成した「学校給食衛生管理マニュアル」に沿って運営すること。」と書かれているので、これでは契約違反になる。
●市教委 契約書に定めのない事項の協議だ。
○市職労 仕様書に明確に書かれているのだから、その説明には疑問がある。市の学校給食衛生管理マニュアルはドライ方式には対応していないのだから、他市のマニュアルや自社マニュアルでやるということは、衛生管理の「丸投げ」だ。自社マニュアルの内容が適切かどうか確認したか。
●市教委 市教委事務局サイドでは確認していない。現場では確認していると思う。
○市教委 これは、市教委事務局サイドで確認すべきことだ。高石市のドライ対応衛生マニュアルはいつごろ作成するのか。
●市教委 夏休みを目処に作成する。

コメント 今回も含め過去3回の市教委説明で、学校給食調理業務の業者委託が、業者委託する理由に根拠もなければ、綿密な計画に基づいて実施されたものでもなく、杜撰な計画の上に、問題が発覚するごとに場当たり的対応を繰り返してきたことが明らかになりました。また、経費や業者委託する理由の根拠など、市教委が、事実上、虚偽説明を繰り返してきたことも明らかになりました。

(2007.5.10 掲載)

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