安全と質の低下が懸念される学校給食の委託−仕様書とマニュアルの不備が明らかに−

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○ 2007年2月7日に開催された高石市職員労働組合に対する学校給食調理業務の業者委託に係る高石市教育委員会の説明会の議事録です。

安全と質の低下が懸念される学校給食の委託−仕様書とマニュアルの不備が明らかに−
学校給食調理業務の業者委託に係る説明会

日時 2007年2月7日 午後6時40分〜7時40分
出席者 高石市教育委員会 小田教育部長、澤田教育部次長兼教育総務課長、杉本教育総務課参事兼課長代理
    高石市職員労働組合 小倉委員長、吉田副委員長、山田執行委員他

議事要旨

○市職労 受託業者に製造物責任法に基づく賠償責任保険への加入を義務付けているが、調理業務の委託は、給食という物の製造の請負か、調理業務という役務の提供かどちらなのか。
●市教委 民法でいう請負だ。
○市職労 指名願いの分類は役務の提供になっている。役務の提供であっても受託業者が製造物責任を問われることがあるのか。 
●市教委 契約の区分は請負であり、役務の提供は本市の指名願いにおける業種の一つである。
○市職労 契約の法的な性格は確認しておいていただきたい。
○市職労 高石市の「学校給食衛生管理マニュアル」に沿って運営することとされているが、高石市の衛生管理マニュアルはわずか数ページしかない。現在の直営調理員は経験年数が長い。だからこそ、数ページのマニュアルでも何とかできている。しかし、高石市の給食の経験のない受託業者と高石市の給食の経験のない新任の市栄養士では、このマニュアルできちんと衛生管理をするのは難しい。堺市の衛生マニュアルは詳細かつ具体的で100ページを超えるような分厚いものだ。そのマニュアルに基づいて調理作業が実行され、市栄養士もそのマニュアルに基づいて受託業者を管理している。堺市のような詳細で具体的なマニュアルを作成するつもりはないのか。
●市教委 検討したい。
○市職労 4月から委託給食が始まる。それに間に合うのか。
●市教委 それまでには作れない。
○市職労 それは納得できない。準備不足といわざるを得ない。
<コメント> 高石市教委教育総務課(本庁)には管理栄養士や栄養士は配置されていません。堺市教委の学校給食担当課(本庁)には管理栄養士が7名配置されています。
○市職労 調理された給食は、校長又は学校栄養職員若しくは校長の指定した職員が検食し、評価することとされているが、評価の項目、基準はあるのか。
●市教委 評価の項目、基準はない。
<コメント> 「学校給食日常点検票」によると、検食の点検項目として、「加熱調理は適切に行っている。」、「異味、異臭、異物等の異常はない。」、「野菜・果物等は十分洗浄されている。」、「検食結果について記録した。」の4項目があります。
○市職労 受託業者に書類等の作成及び報告をさせることとされているが、作成、報告させる書類の一覧はあるのか。
●市教委 作成させる書類は現在作成しているものと同様と考えているが、一覧はない。
○市職労 受託業者の調理員で本市の指名した者が献立作成委員会と物資購入委員会に参加することとされているが、正式メンバーとして参加させるのか。
●市教委 正式メンバーではない。投票はもちろん発言もできない。
○市職労 発注者側の会議に受注者側の調理員を参加させるのは問題だ。委託校が増えれば現場を握る受託業者が、献立や物資購入など学校給食の運営自体に強い影響を及ぼすことになる。受託業者の意見を聞いたり、打ち合わせをしたりする必要があれば、市教委が直接行えばよい。
○市職労 作業工程表と作業動線図を受託業者に作成させることとされているが、これは何か。
●市教委 調理作業のタイムスケジュールと調理場内における食材の移動経路である。
○市職労 そもそも、仕様書には調理作業のマニュアルがない。作業工程表と作業動線図があっても調理作業はできない。
○市職労 市で企画表を作成することとなっているが、これは何か。
●市教委 食材の規格を記載した表である。
○市職労 それでは仕様書の字が間違っている。「企画表」ではなく「規格表」だ。
○市職労 食材の受け取りは午前8時15分からとなっているが、実際は、午前8時15分前から納入されてくる。現在は、勤務時間前になるが早めに出勤して直接受け取っている。どうするのか。
●市教委 ・・・。
○市職労 高石小学校と高陽小学校だけ午前8時15分以降に納入となると、他校の納入時間が今よりも早くなったり、遅くなったりして、調理作業に影響が出る可能性がある。現場の実情を知らないで考えた仕様書のように思える。
○市職労 食材の受け取りは受託業者となっているが、検品は誰がするのか。
●市教委 市栄養士がする。
○市職労 受託業者調理員の出勤時間は何時か。
●市教委 受託業者が決めることだ。
○市職労 他市では、午前6時とか午前6時30分という例がある。受託業者に鍵の預けはするのか。
●市教委 学校は午前7時30分に開門する。業者に鍵の預けはしない。
○市職労 配缶、返却はあらかじめ定められた場所で行うこととされているが、それは、従前どおり各教室前ということか。
●市教委 各教室前である。
○市職労 調理業務の委託が、給食という物を製造する請負なら調理場について行政財産の目的外使用許可が必要となるが、調理という役務の提供なら許可は不要と考える。法律上どうなるか調査願いたい。
○市職労 給食調理実施日以外の作業計画を報告させることとされているが、これは何か。
●市教委 三季休業中の作業計画である。
○市職労 三季休業中は、これまで、直営で食器磨き、調理器具の清掃、洗浄、調理場の清掃、洗浄、食教育用の掲示板の製作等を行ってきた。受託業者にも同じ内容、水準の作業をさせるのか。
●市教委 仕様書に書いていないし、現場説明会でも説明していないが、受託業者には直営校と同じ内容、水準の作業を求める。
○市職労 現在(直営)の三季休業中の作業内容を把握しているのか。
●市教委 ・・・。
○市職労 他市の例では、調理業務を委託した場合の夏休みの作業は数日しかない。これでは、到底、直営校の内容、水準には及ばない。三季休業中の作業を直営校と同じ内容、水準で行えば、コストは跳ね上がる。受託業者は受け難いと考える。
○市職労 文部科学省の学校衛生管理の基準と高石市の学校給食衛生管理マニュアルに準拠することとされているが、文章に主語がない。何を準拠させるのか。
●市教委 調理作業を準拠させる。
○市職労 調理作業は、基本条件の項目中にあった、高石市の学校給食衛生管理マニュアルに沿って運営することということに加えて文部科学省の基準にも合致するようにせよ、ということか。
●市教委 そうだ。
○市職労 調理場、調理器具等は適切な方法で清掃、洗浄、消毒をすることとされているが、マニュアルはあるのか。
●市教委 マニュアルはない。
○市職労 何をもって適切な管理というのか。マニュアルがないのに適切な管理ははできない。
○市職労 受託業者は初任者研修、教育研修を積極的に行うこととされ、計画書や実施後の報告書の提出を求めているが、給食の安全と質を確保するために、研修の具体的な内容、回数等は決めないのか。
●市教委 研修の内容、回数等は決めない。受託業者に任せる。
○市職労 高石市が実施する研修会に高石市の指名した受託業者の調理員を参加させることとされているが、別表2では、研修は、受託業者の業務分担になっている。
○市職労 検便の検査項目が書かれていないが、検査項目は何か。
●市教委 検出された場合は業務に従事させないとしている赤痢菌、サルモネラ菌、O−157の3項目が検査項目である。
○市職労 検便と健康診断の結果、下痢症状、発熱、咳、外傷、皮膚病等の伝染性疾患で食品衛生上支障のおそれのある者を調理作業に従事させてはならないとされているが、検便と健康診断の結果によるだけでなく、毎日、健康チェックをし、不適当な者は調理作業に従事させてはならないと書くべきだ。
○市職労 調理の責任者は、業務中の火災、盗難等の事故が起こらないよう十分留意することとされているが、第一に重要なのは食中毒等の事故防止ではないのか。
○市職労 受託業者に標準作業書を作成させることとされているが、これは何か。
●市教委 スケジュールだ。作業工程表と似ている。
○市職労 どのようなものかよくわからない。既に指摘したが、作成すべき書類の種類、記載項目、内容等を一覧表にして整理すべきだ。
○市職労 大規模な災害時は市民への炊き出し、配食等について市に協力することとされているが、あくまでも協力か。委託業務とはしないのか。
●市教委 委託業務ではない。受託業者が被災することも考えられるので、協力である。
○市職労 職員は、震度5弱以上で出勤が義務付けられている。高石小学校、高陽小学校は、ともに2次避難所、津波避難所である。指定管理者には、震度5弱以上で職員の配置を義務付けている。同様の措置が受託業者にも必要ではないか。炊き出しも、協力ではなく、委託業務とし、契約上の義務履行とするべきだ。
●市教委 指定管理者のように全面的に施設を管理しているのではないので、調理員の出勤を義務付けるつもりはない。炊き出しも委託業務ではなく、協力でよいと考えている。
○市職労 協力が得られない場合は、誰が炊き出しをするのか。
●市教委 ・・・。
○市職労 市栄養士の勤務時間は何時から何時までか。
●市教委 午前8時15分から午後2時45分までだが、週1日だけ午後3時15分までである。
○市職労 受託業者の作業を市栄養士が管理できない時間帯が生じる。これでは、作業前の手洗い、消毒、食器や調理器具の洗浄、消毒等が確実に行われたかの確認ができない。
○市職労 受託業者に作業仕様書と作業計画書の作成をさせることとされているが、これはどういう書類か。
●市教委 ・・・。
○市職労 市が衛生面の遵守事項の作成をすることとされているが、これは何か。
●市教委 市が現在使っている衛生管理マニュアルである。
○市職労 既に指摘したが、市の衛生管理マニュアルは、委託業務の管理をするのには具体性、詳細性に欠ける。
○市職労 衛生管理簿の作成を受託業者にさせることとされているが、これはどういう書類か。
●市教委 ・・・。
○市職労 衛生管理簿の作成もその点検、確認も受託業者の分担となっている。書類の作成は受託業者が行い、点検、確認は市が行うべきだ。この区分は間違っているのではないか。
●市教委 ・・・。
○市職労 労働安全衛生として健康管理計画の作成等8項目が挙げられているが、この中の大半は、労働安全衛生にも関係するが、むしろ、給食の衛生管理の項目と考えられる。区分の仕方が適切ではないと考える。
 
<コメント> 調理員の配置基準と給食の安全と質

 調理員の配置基準は、高石小学校は4名、うち常勤は2名、高陽小学校も4名、うち常勤は2名です。市教委は、給食の安全と質を確保する条件は調理員が全員正規職員であることだと繰り返し説明してきましたが、この配置基準は、市教委のこれまでの説明に反しています。市教委の説明に従えば、この配置基準では、給食の安全と質は確保できません。
 また、経験年数は、高石小学校は経験年数3年以上が1名、1年以上が1名、残りの調理員の経験は不問、高陽小学校も経験年数3年以上が1名、1年以上が1名、残りの調理員の経験は不問です。私たちは、給食の安全と質を確保する条件は、長期の勤務で養成される調理員の熟練の技能だと繰り返し説明してきました。この配置基準は、私たちが給食の安全と質を確保するのに必要だと考えている条件も満たしていません。
 今回の委託仕様書による配置基準は、給食の安全と質を確保するために市教委が求めた条件にも市職労が求めた条件にも満たないものとなっています。

(2007.2.14 掲載)

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