学校給食調理業務の委託に係る監査請求(第3次)の結果について(声明)

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○ 学校給食調理業務の業者委託は違法、不当であるとして市民55人が行っていた住民監査請求は、不当にも却下されました。ここに掲載したものは、監査請求人の声明と監査委員からの通知です。弁護団から提供していただきました。

<監査請求人の声明>

学校給食調理業務の委託に係る監査請求(第3次)の結果について(声明)
−任務を放棄した高石市監査委員に厳しく抗議する−

2007年2月13日
監査請求人一同

 学校給食調理業務の業者委託に係る経費について、2006年12月18日に高石市監査委員に対して地方自治法第242条に基づく住民監査請求を行っていたところ高石市監査委員は、平成19年1月30日付で却下する旨の通知をした。しかし、高石市監査委員の行ったこの却下処分は、地方自治法の解釈を誤った違法な処分である。

1 第2次監査請求から変更された地方自治法の解釈

 我々は3次にわたって住民監査請求を行ってきた。第1次監査請求は、請求内容が一応検討され、棄却された。第2次監査請求、第3次監査請求は、内容が検討されないまま却下された。ところが、第2次監査請求と第3次監査請求とは同一の趣旨の請求であるが、高石市監査委員は、監査請求の要件について、地方自治法の解釈を異にしている。
 第2次監査請求に係る却下通知書によると、監査請求の対象となる行為について、「地方自治法の解釈では、請求の対象となる行為は、当該行為がなされることが相当の確実さをもって予測される場合であって、予算が議決されただけでは監査対象とならないとされている。」としている。すなわち、監査請求の要件として、市議会で予算が議決されるだけでなく、その予算に基づいて委託契約が締結されることが相当の確実さをもって予測されなければならないと地方自治法を解釈したのである。
 ところが、第3次監査請求に係る却下通知書によると、監査請求の対象となる行為について、「地方自治法の解釈では、請求の対象となる行為は、当該行為がなされることが相当の確実さをもって予測される場合であっても、予算が議決されただけでは監査対象とならないとされている」とし、「相当の確実さをもって契約が締結され、委託料が支出されることが予想されるとしても、契約内容や仕様については、相手方との合意の下に契約が締結されるのであって、仮に教育委員会内部において本件委託契約の草案の準備が進められているとしても、その草案どおりの内容や予算額で契約が締結されるとは限らない」としたのである。すなわち、「予測される場合であって」の次に「も」を挿入することによって、予算が議決され、委託契約が締結されることが相当の確実さをもって予測されるだけでは足らず、さらに契約内容が明らかになっていなければならないという解釈を採用したのである。
 我々は、第2次監査請求の結果を受けて、委託契約が確実に締結されるであろうことを証拠を添えて主張したが、それに対して、高石市監査委員は、契約内容が明らかでなければならないという要件を付け加えて却下した、というよりも、却下したいがために無理やり要件を追加したと考えざるを得ない。

2 地方自治法の解釈を誤った違法な却下処分

 前項で述べたとおり、第3次監査請求は、予算が議決され、委託契約が締結されることが相当の確実さをもって予測されるだけでは足らず、さらに契約内容が明らかになっていなければならないとして却下されたのであるが、地方自治法第242条第1項は、「普通地方公共団体の住民は、当該普通地方公共団体の長若しくは委員会若しくは委員又は当該普通地方公共団体の職員について、違法若しくは不当な公金の支出、財産の取得、管理若しくは処分、契約の締結若しくは履行若しくは債務その他の義務の負担がある(当該行為がなされることが相当の確実さをもつて予測される場合を含む。)と認めるとき・・・監査を求め、当該行為を防止し、若しくは是正し、若しくは当該怠る事実を改め、又は当該行為若しくは怠る事実によつて当該普通地方公共団体のこうむつた損害を補填するために必要な措置を講ずべきことを請求することができる。」と、当該行為が相当の確実さをもって予測されるという要件だけで監査請求を認めているのであるが、高石市監査委員は、この要件に加えて契約内容が明らかでなければならないという要件を付け加えて請求を却下した。これは、地方自治法の解釈を明らかに誤った違法な却下処分である。権限が付与されていないのに法律上定められた要件にさらに要件を勝手に付け加えるようなことが許されないのは当然のことである。仮に、100歩譲って、契約内容が明らかであることを監査請求の要件に加えたとしても、我々の監査請求は、調理業務を委託することによって経費を支出すること自体が違法、不当だと主張している内容を含むのであるから、契約内容に左右されずに審査されるべき部分がある。こういう点からも高石市監査委員の行った却下処分は違法である。

3 高石市監査委員の解釈では地方自治法上認められている違法、不当な契約締結の防止は不可能

 第3次監査請求は、既に実行された行為の是正等を求めたものではなく、学校給食調理業務の委託契約締結の手続きをするな、すなわち、地方自治法第242条第1項の「当該行為を防止」することを求めたものである。前述のとおり、高石市監査委員は、契約締結が相当の確実さをもって予測されること、契約内容が明らかであることの二つを監査請求の要件としたのであるが、高石市監査委員が自ら認めるとおり、「委託内容については、契約が締結されて初めて明らかになる」のであるから、地方自治法上認められている違法、不当な契約の締結防止という監査請求は、高石市においては認められないというとんでもない判断を高石市監査委員は下したことになる。

 このように、高石市監査委員は、我々の3次にわたる監査請求に対して、真っ当に向き合うことなく任務を放棄したといわざるを得ない。我々は、違法、不当な学校給食調理業務の業者委託をやめさせ、豊かな学校給食を実現するという目的に向け、さらに運動を進めるものである。



<監査請求についての通知>

                                        高石監第226号
                                      平成19年1月30日

請求人代理人代表
山ア 国満 様

                                高石市監査委員 上田 耕治
                                高石市監査委員 綿野 宏司

               住民監査請求について(通知)

 平成18年12月18日付で請求人から提出された、地方自治法第242条第
1項の規定に基づく住民監査請求については、下記の通り却下することに決定し
ましたので通知します。
                       記
第1 請求の要旨
 1.違法もしくは不当とする行為
 (1)学校給食調理業務委託は、大幅な経費持ち出しとなり、市の財政に損害
   を与えるおそれがあること。
 (2)学校給食の調理器具や調理場の行政財産を民間業者に貸与すること。
 (3)学校給食を業者に委託することが法律上の根拠を欠くこと。
 (4)業者委託となった場合、学校給食の内容・質・安全性等の確保が図れな
   いおそれがあること。
 (5)当該業務委託契約の締結と委託料の支出が行われることが、確実に予想
   できること。
 2.求める措置
 (1)学校給食調理業務委託契約の手続きの停止を勧告すること。
 (2)学校給食調理業務委託契約に基づく支出をしないよう、必要な措置を講ず
   るよう勧告すること
 (3)関係機関の陳述の聴取を行う場合には、請求人及び請求人代理人らの立
   会を求めること。
 (住民監査請求書に添付された事実証明書の資料掲載は省略する。)

第2 地方自治法第242条第1項の要件に係る判断について
 本請求の監査対象は、学校給食調理業務の委託契約を締結し、委託業者に委託
料を支出しようとすることである。この委託契約を締結するにあたり、平成18
年第3回高石市議会定例会第1日目(平成18年9月14日)において学校給食
調理業務委託事業として、2,735万円を限度額とする債務負担行為が議決さ
れたところであるが、地方自治法の解釈では、請求の対象となる行為は、当該行
為がなされることが相当の確実さをもって予測される場合であっても、予算が議
決されただけでは監査対象とならないとされている。
 これは、当該行為に係る予算が議決され、相当の確実さをもって契約が締結さ
れ、委託料が支出されることが予想されるとしても、契約内容や仕様については、
相手方との合意の下に契約が締結されるのであって、仮に教育委員会内部におい
て本件委託契約の草案の準備が進められているとしても、その草案どおりの内容
や予算額で契約が締結されるとは限らないからである。
 請求人は、請求理由として委託内容の違法・不当を主張しているが、この委託
内容については、契約が締結されて初めて明らかになるものであり、未締結の委
託契約の内容についての違法性・不当性の判断は、現時点においては不可能であ
る。

第3 結論
 以上のとおり、本件住民監査請求は、地方自治法第242条第1項の要件を満
たさない請求であるので却下する。

(2007.2.13 掲載)

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高石市職員労働組合 「高石まちづくり情報」
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