「公立保育所の2園民営化について」の見解

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○ 高石市が高石保育所と取石保育所の廃止・民営化を決定したことを受けて、高石市職員労働組合が発表した見解です。

子育て支援のビジョンなき安易な公立保育所の廃止・民営化は子どもと高石の未来を奪うもの
「公立保育所の2園民営化について」の見解

2007年1月16日
高石市職員労働組合本部執行委員会

 高石市は、2006年12月20日に行財政改革推進本部を開催して「公立保育所の2園民営化について」を決定し、2009年度に高石保育所を廃止・民営化すること、取石保育所は廃止・民営化の候補とするが廃止・民営化園としての発表は留保することを明らかにした。これについて、次のとおり我々の見解を明らかにする。

・ 公立保育所の廃止・民営化の決定に保護者・市民の参加は一切なし

 高石市は、2004年7月に子育て支援懇談会を設置し、同年12月に子育て支援のあり方について報告を受け、2006年1月に高石市立保育所移管に係る選考委員会を設置し、同年11月に民間に移管する保育所の選定基準について意見の提出を受けている。これら二つの組織は、いずれも保護者や福祉関係者が参加しているが、公立保育所の廃止・民営化そのものを決定した過程においては、保護者・市民は、情報の提供を受けたことも参加を求められたことも一切ない。公立保育所の廃止・民営化は、情報共有も市民参加もなく高石市が行財政改革推進本部(市長、各部長で構成)において一方的に決めて保護者・市民に押し付けたものである。

・ 本質に迫らない公民の経費比較

 「公立保育所の2園民営化について」は、「民間保育所が公立保育所に比して低コストである現状から鑑み・・・(民間保育所は)保育事業の効果的・効率的な展開を担う」と、公立保育所の廃止・民営化の理由を民間保育所が低コストであることに求めている。公立保育所・民間保育所間に経費の差があるとすれば、その原因は何か、それにより問題が生じていないかどうか等を検証する必要があるが、「公立保育所の2園民営化について」では経費の差が生じた原因や問題の有無については全く触れていない。

・ 公立保育所は保護者や市民の要求に応えないのか?

 「公立保育所の2園民営化について」は、公立保育所の役割を「子育て支援のセンター的役割、障害児保育を実施する役割、民間保育所への模範的役割」の三つに限定し、民間保育所の役割を「病後時保育、休日保育、延長保育、送迎ステーション、駅前保育サービス等、多様化する保育ニーズにおいて・・・保育事業の効果的、効率的展開を担う」としている。このような役割分担は、公立保育所は多様な保育ニーズには応えない、すなわち、保護者や市民の要求には応えないことを宣言したに等しい。「公立保育所の2園民営化について」で示された公民の役割分担は、単なる経費的な面からの「机上の役割分担」に過ぎない。そこには、いじめ・乳幼児虐待・親の子育て不安など子どもをめぐる地域のリアルな状況を行政として受け止め、問題解決に向け子育て支援のビジョンをつくっていく観点が全く欠落している。保護者・市民の切実な要求とかけ離れたお粗末極まりない公民の役割分担論である。

・ 説明されていない廃止・民営化する公立保育所を2園とした理由、「選定基準」決定の理由

 「公立保育所の2園民営化について」には、廃止・民営化する公立保育所を2園とし、公立保育所3園、民間保育所5園体制とする理由については全く説明されていないし、高石保育所と取石保育所を選んだ「選定基準」についても、なぜそのような「選定基準」を採用したのか、全く説明されていない。「公立保育所の2園民営化について」において廃止・民営化する公立保育所を2園とした理由、「選定基準」決定の理由が説明されるべきであるが、説明されていない。これでは、到底納得できない。

・ 保護者、市民とともに「安易な民営化」を許さない広範な運動を

 高石市は民営化の実施にあたって、「子どもの立場を見据え、保護者の理解を得られるよう最善の努力を講じる」ことを強調している。しかし、この間の保護者説明会での市のスタンスは,保護者の意見は聞くが、「スケジュールどおり計画を実施」することを押し付けている。高石保育運動連絡会の佐藤会長(保護者)は、「『民営化はあくまでも案』だと言いながら実際は”民営化ありき”でしか話ができない高石市。なぜ保護者の声を聴こうとしないのか、保護者と一緒に”子どもたちのために何が一番いいのか”を考え話し合おうとしないのか、市側の姿勢には失望するとともに憤りを感じます。」と高石市の姿勢を厳しく批判している。
 保護者の声を真摯に受けとめ、子どもの立場を見据えるならば、民営化をとりやめること、少なくとも実施を凍結することが強くもとめられる。そこにこそ、高石市は立脚すべきである。
 我々は公立保育所の安易な廃止・民営化を許さず、保護者・市民とともに高石の将来を担う「子どもの最善の利益」をはかるため、広範な運動を地域からまきおこすことを表明する。

 以上、「公立保育所の2園民営化について」の見解を明らかにしてきた。高石保育所・取石保育所を廃止・民営化すると、我々の試算では、高石市の財政上の負担は7700万円増えることになる。一方、2007年度から予定されている学校給食調理業務の業者委託による高石市の財政上の負担は、2009年度には3000万円と見込まれる。保育所と学校給食の民営化で高石市の財政上の負担は、1億円も増えることになる。なぜ毎年1億円もの負担をして保育所と学校給食の民営化を進めるのか、不可解な事態である。今後、高石市の財政が悪化し、赤字再建団体に転落するようなことがあるなら、市長はどう責任をとるのであろうか。

(2007.1.16 掲載)

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