学校給食調理業務の委託費から給食会社従業員の給与を推定する

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○ 高石小学校・高陽小学校の学校給食調理業務の2006年度〜2007年度委託費(債務負担行為額)から委託先給食会社の従業員の給与を推定してみました。


学校給食調理業務の委託費から給食会社従業員の給与を推定する  1
全員正規雇用とすると1人あたり税込み月額給与は高校卒初任給にも満たない12万6千円
                                            
 高石小学校と高陽小学校の学校給食調理業務を委託した場合の給食会社従業員の給与を推定しました。高石市教育委員会は、直営校の給食の質と安全を維持するためには調理員が全員正規職員である必要があると説明しています。下記の計算から、委託校ではそのような条件はあり得ないことがわかりました。
                                            
(円)
項目 金額 資料出所
債務負担行為額 ※1 27,350,000 2006年9月補正予算
高石小学校喫食予定数 350 2006年9月補正予算資料
高陽小学校喫食予定数 600 2006年9月補正予算資料
高石・高陽喫食予定数合計 950 2006年9月補正予算資料
年間給食日数 190 2006年9月補正予算資料
利益・事務費・公課費等 ※2 4,102,500            
総人件費 ※3 23,247,500            
法定福利費・退職手当引当金 ※4 4,649,500            
税込み人件費 ※5 18,598,000            
配置基準調理員数 ※6 9 2006年9月補正予算資料
1人あたり税込み年間給与 2,066,444            
1人あたり税込み月額給与 ※7 126,003            
1食あたり単価 ※8 152            
                                            
※1 2006年度中から契約期間が始まるが、債務負担行為額=2007年度分の契約金額とした。
※2 契約金額の15%とした。
※3 契約金額から利益・事務費・公課費等を差し引いたものを総人件費とした。
※4 法定福利費・退職手当引当金は総人件費の20%とした。
※5 総人件費から法定福利費・退職手当引当金を差し引いたものを税込み人件費とした。
※6 三季休業中は、直営校においては調理場の清掃、食器等の洗浄・磨き、食教育掲示板の製作等を行っており、委託校においても同等の作業をするためには三季休業中も直営校と同等の人員を配置し、作業日数も同等にする必要がある。なお、全校の配置基準は、補正予算資料では33人となっているが、教育委員会が作成した別の資料では29人となっている。4人の差が生じた理由は不明である。
※7 1人あたり税込み年間給与を、一時金を含む年間月数16.4で除した。
※8 この1食あたり単価は、委託金額の1食あたり単価である。委託経費全体の1食あたり単価は、この単価に市で雇用する栄養士の人件費単価を加えたものになる。なお、1食あたり単価を正確に計算するには、さらに、委託契約をするための経費、委託業務を管理する経費等も含めた計算が必要である。
※9 年次有給休暇の取得等の条件は、考慮していない。
                                            
学校給食調理業務の委託費から給食会社の従業員の給与を推定する 2
非正規雇用の時給は大阪府最低賃金712円を下回る669円
                                            
 高石小学校と高陽小学校の学校給食調理業務を委託した場合の給食会社従業員の給与を推定しました。高石・高陽各小学校にそれぞれ正規従業員で栄養士と調理師を1名づつ配置し、配置基準に不足する高石小学校2名、高陽小学校3名については非正規従業員を配置することとすると、非正規従業員の時給は、大阪府最低賃金の712円を下回る669円にしかならないことがわかりました。
                                            
(円)
項目 金額 資料出所
債務負担行為額 ※1 27,350,000 2006年9月補正予算
高石小学校喫食予定数 350 2006年9月補正予算資料
高陽小学校喫食予定数 600 2006年9月補正予算資料
高石・高陽喫食予定数合計 950 2006年9月補正予算資料
年間給食日数 190 2006年9月補正予算資料
利益・事務費・公課費等 ※2 4,102,500            
総人件費 ※3 23,247,500            
正規従業員人件費 ※4 17,105,400 2005年賃金構造基本統計
非正規従業員人件費 6,142,100            
配置基準調理員数−正規従業員数 ※5 5 2006年9月補正予算資料
非正規従業員の1時間あたり給与 ※6 669            
1食あたり単価 ※7 152            
                                            
※1 2006年度中から契約期間が始まるが、債務負担行為額=2007年度分の契約金額とした。
※2 契約金額の15%とした。
※3 契約金額から利益・事務費・公課費等を差し引いたものを総人件費とした。
※4 正規従業員を栄養士2名、調理師2名の合計4名とし、法定福利費・退職手当引当金を20%として計算した。
※5 三季休業中は、直営校においては調理場の清掃、食器等の洗浄・磨き、食教育パネルの製作等を行っており、委託校においても同等の作業をするためには三季休業中も直営校と同等の人員を配置し、作業日数も同等にする必要がある。なお、全校の配置基準は、補正予算資料では33人となっているが、教育委員会が作成した別の資料では29人となっている。4人の差が生じた理由は不明である。
※6 非正規従業員人件費を年間労働時間で除した。年間労働時間は、1837.5時間(7.5時間×245日)とした。
※7 この1食あたり単価は、委託金額の1食あたり単価である。委託経費全体の1食あたり単価は、この単価に市で雇用する栄養士の人件費単価を加えたものになる。なお、1食あたり単価を正確に計算するには、さらに、委託契約をするための経費、委託業務を管理する経費等も含めた計算が必要である。
※8 年次有給休暇の取得等の条件は、考慮していない。
※9 非正規従業員の法定福利費・退職手当引当金は考慮していない。
                                            
 高石小学校と高陽小学校の委託先給食会社は、価格のみの競争入札で選ばれます。調理業務の経費の大半は人件費なので、価格のみの競争入札では、経費の積算で最も人件費を少なく見積もった給食会社が落札する可能性が大きくなります。その結果、給食会社は、熟練の技能を持った調理員を確保することが難しくなります。熟練の技能を持った調理員が確保できないと、手間をかけた調理ができなくなり、手づくり給食から冷凍食品・加工食品を多用する給食へと給食の質が低下するおそれがあります。また、手間のかかるアレルギー対応も難しくなります。既に、クックチル給食という工場で生産された食品を学校で温めるだけという給食すら登場しています。

(2007.1.5 掲載)

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高石市職員労働組合 「高石まちづくり情報」
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