第5次高石市財政健全化計画案に係る意見について

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○ 第5次高石市財政健全化計画案について、高石市職員労働組合は、2011年8月29日に次のような意見書を市長宛に提出しました。

                              2011年8月29日

 高石市長 阪 口 伸 六 様

                          高石市職員労働組合     
                          執行委員長 堀 川 和 貴 

        第5次高石市財政健全化計画案に係る意見について

 第5次高石市財政健全化計画案(以下「計画案」という。)について、次のとおり意見
を提出します。なお、次の意見のうち、番号1、5、9、11、12及び13は、パブリ
ックコメントとしても提出しています。

1 全体
 パブリックコメントの期間を延長し、市民向け説明会等を開催し、市民の合意形成を図
るべきである。
 計画案は、高石市の将来に関わる重要な事項である。にもかかわらず、市民向け説明会
も職員向け説明会も行われていない。市民の意見聴取がパブリックコメントだけというの
は民主的ではない。しかも、パブリックコメントの期間はわずか10日間しかない。パブ
リックコメントをしていることすら、大半の市民は知らないと思われる。このような計画
策定手続きはあまりにも問題が大きい。行政手続法は、国に対して命令等(内閣又は行政
機関が定める「法律に基づく命令」、「審査基準」、「処分基準」、「行政指導指針」)を制定
するときの意見募集期間を原則として30日以上とするよう義務付けている。これに比べ
て計画案のパブリックコメントの期間はあまりにも短い。

2 2ページ〜4ページ
 これまで行ってきた委託・民営化・アウトソーシングの検証をするべきである。
 これまで、高石市は、委託料の削減、市が直接行ってきた業務の委託化・民営化、指定
管理者制度の導入等を行ってきたが、次のような問題がある。
@ 委託・指定管理等をすることにより、職員が市民と直接に接することが少なくなって
 いる。すなわち、市民の置かれている状況、要望、願い等を職員がリアルに把握する場
 面が少なくなり、高石市の施策立案や業務執行が現実に即さないものになるおそれが生
 じている。
A 委託・指定管理等をすることにより、委託・指定管理等を管理するための業務が発生
 する。したがって、委託・指定管理等をすることにより経費が削減されるとは限らない。
B 金額のみの入札により、受託者・指定管理者の労働者の賃金労働条件が切り下げられ
 る懸念がある。高石市の委託業務の中には、最低賃金(時給779円)とほぼ同じ時給780
 円という例があった。福祉の増進をすべき自治体が自らこのような低賃金労働者(官製
 ワーキングプア)を生み出すようなことはするべきではない。
 泉南市のプール事故は、報道によると、委託料の削減によるプール監視のための人数確
保の困難、市の杜撰な委託業務管理に起因すると思われる。高石市の委託業務管理は適切
か、委託料の水準は適切か、厳しく検証する必要がある。

3 4ページ
 企業立地等促進条例による市税収入の増が25,937千円となっているが、企業立地等促
進条例により、本当に市税収入が増えたのか検証するべきである。
 企業立地による市税収入増が事実としてあっても、それが企業立地等促進条例があった
からこそ実現したのだと説明できるのだろうか。企業立地等促進条例がなくても立地した
というのであれば、むしろ、企業立地等促進条例により本来入るべき市税収入が入らなか
ったとしてマイナス効果額を計上しなければならない。

4 6ページ
 社会保障関係経費の増加の原因に「格差と貧困の拡大」を付け加えるべきである。
社会保障関係経費の増加の原因は「少子高齢化や景気の低迷」のみではない。格差と貧困
の拡大も社会保障関係経費の増加の大きな原因である。原因を誤ると施策立案も誤ること
になる。

5 8ページ
 「土地開発公社は・・・公共用地を計画的かつ効率的に先行取得をしてきた」のか検証
するべきである。
 土地開発公社保有地で最も広いのが南海中央線用地で、その次が国鉄清算事業団から購
入した用地である(2009年度決算)が、国鉄清算事業団から購入した用地の購入目的
は不明確である。保健センター・きゃらの郷・診療センター用地は、バブル期の最も地価
が高騰した時期に購入している。これが「計画的かつ効率的」であったのか検証されなけ
ればならない。第三セクター等改革推進債を50億円借り入れ、市が一気に買い戻す計画
であるが、総務省の「第三セクター等の抜本的改革等に関する指針」によると、情報開示
の徹底による責任の明確化等として「事業採択の経緯とこれまで実施した対策の内容とそ
の効果、経営の責任、経営悪化の原因について明らかにするとともに、善管注意義務違反、
忠実義務違反、不法行為責任等に係る損害賠償請求等の是非も検討の上、その旨明らかに
する必要がある。また、会計処理・決算報告等が適正であったかどうかにも留意する必要
がある。」としている。

6 9ページ
 南海中央線が災害時の避難路として適切なのか、羽衣駅前再開発事業の屋上部分が避難
場所として適切なのか、慎重に検討するべきである。
 高石市が地震、津波に襲われたときに避難するのは、海岸部や臨海工業地帯から離れる
方向、すなわち、東部ではないだろうか。そうすると、避難路になるのは南北方向の南海
中央線ではなく東西方向の道路ではないだろうか。羽衣駅再開発事業の屋上を避難場所と
した場合、臨海工業地帯で爆発・火災等が発生したときに津波の危険を冒して羽衣駅再開
発事業の屋上から避難することができるのだろうか。慎重な検討が必要である。

7 11ページ、23ページ
 詳細な収支見通しを示し、市民的な議論を尽くすべきである。
 健全化前収支見通しの前年度繰上充用金を健全化後収支見通しの健全化取組効果額で解
消しようとするものと思われるが、健全化取組効果額の内訳が示されていない。健全化取
組効果額の内訳を示して市民的な議論を尽くすべきである。

8 12ページ
 事務事業の見直しは、市民的な議論により判断するべきである。
 事務事業の見直しとして記載されている事項は、統廃合・民営化・アウトソーシングの
推進、扶助費の給付適正化、目的基金の活用、その他、となっているが、福祉の増進とい
う自治体の存在意義を失いかねない内容がある。これまでの財政健全化の検証(財政上の
収支の検証だけではなく、財政健全化が市民生活にどのような影響を及ぼしたのか、市政
の運営にどのような影響を及ぼしたのか等の検証)をした上で、慎重に判断するべきであ
る。 

9 13ページ
 第三セクター等改革推進債を2013年度に50億円借り入れる計画であるが、300
億円の地方債現在高が15%以上も増加する。慎重に検討するべきである。
 第三セクター等改革推進債の利息の償還に特別地方交付税措置があると思われるが、償
還の負担は大きく、市民生活への影響は避けられない。また、実質公債費比率が2016
年度に23.2%と早期健全化基準の25.0%に近くなる。何らかの不測の事態があれ
ば、早期健全化基準を超えてしまう。また、2017年度以降の実質公債費比率は示され
ていない。第三セクター等改革推進債は2013年度までの制度であるが、これがベスト
の選択か慎重に検討するべきである。

10 14ページ
 今以上の職員数(正規)の削減はするべきではない。
 職員数(正規)は現状よりもさらに10%以上削減する計画となっているが、既に非常
勤嘱託員・パート職員・臨時職員(非正規)が多数雇用され、職員数全体に占める割合は、
30%を超えている。また、業務の委託や民営化で職員数を減らすことも計画されている。
正規職員がさらに減り不安定雇用の非正規職員が増え、委託や民営化も増えるとなると、
職員が仕事の専門性、ノウハウ等を身に付け、次世代に引き継ぎ、発展させていくことが
難しくなる。また、賃金労働条件の均等待遇の原則にも反し、官製ワーキングプアの増大
を招くという問題もある。

11 16ページ
 幼稚園の統廃合は現時点ではするべきではない。
 公立幼稚園の園児数の減少にあわせて幼稚園の統廃合をし、一定数の園児数を確保する
という幼稚園再編等検討委員会報告書に基づいて高石幼稚園を廃園しようとしている。公
立幼稚園の園児数が減少してきているのは、3歳児保育をしていないからであるが、計画
案は3歳児保育の実施については触れていない。3歳児保育の実施を含めて幼稚園の将来
のあり方を構想する中で統廃合は検討されるべきである。高石市では1小学校1幼稚園で
教育行政を進めてきたが、計画案では1中学校1幼稚園となっている。それに合理性はあ
るのだろうか。また、保護者に説明もせずに計画案に記載するようなことはするべきでは
ない。

12 16ページ
 加茂保育所民営化はするべきではない。
 公立保育所耐震化の財政措置には、地方交付税や社会資本整備総合交付金があると思わ
れるが、なぜ、民間向けの安心こども基金ばかり強調するのか。そもそも、耐震化の財政
措置のみで民営化を判断するべきではない。保育所は、居住地、通勤経路等の条件により
保護者が通園先を自由に選択できるというものではない。経営者の保育理念で運営され、
その保育理念を承認する保護者が子どもを預ける私立保育所と、保護者の参加で保護者の
ニーズに対応した運営をする公立保育所とでは性格が異なる。したがって、公立保育所が
なくなれば、経営者の保育理念を承認できない保護者は子どもを預ける保育所がないこと
になる。このようなことはあってはならないことである。また、保護者に説明もせずに計
画案に記載するようなことはするべきではない。

13 16ページ〜17ページ
 小学校給食調理業務の委託は中止して直営にするべきである。中学校給食は直営でする
べきである。
 小学校給食調理業務の委託は、試算したところ、2007年度から2009年度の3年
間の合計で、直営よりも7千万円以上も高くついている。2010年度までの合計では1
億円以上も高くつくと思われる。全校委託した場合は全校直営よりも1千万円高くつくと
試算している。
 学校給食は、調理も含めて教育として行われるものであり、委託できるような性格のも
のではない。
 給食は献立作成と調理との密接な連携により行われるべきものである。調理を委託して
献立作成と密接な連携をとるといわゆる「偽装請負」になる。
 業者に衛生管理を適切に行わせようとすると、これも「偽装請負」になる。
 高石市教委は、当初、委託の方が高いという試算を示しつつ経費節減のために調理を委
託する旨説明していたが、この説明を事実上撤回し「学校給食調理業務を業者委託する唯
一の理由は、学校給食の質と安全を確保する条件は調理員が全員正規職員であるが、直営
校ではそれが確保できない。」と繰り返し説明してきた。しかも、「学校給食の質と安全
を確保する条件は調理員が全員正規職員」との説明について「根拠はない」とまで言って
いる。高石市教委の説明が正しいのであれば、委託業者に調理員を全員正規職員とするよ
う義務付けるべきであるが、それはしていない。
 中学校給食調理業務についても経費を試算すれば、直営も委託もほぼ同じ金額になると
思われる。高石市教委は和泉市の資料を根拠に直営は高くつくと説明していたが、和泉市
の条件は明らかにされていない。

14 17ページ
 扶助費の適正化の項に、憲法第25条に基づく生存権保障に留意する旨付け加えるべき
である。
 もとより不正受給は許されないが、単に「給付申請に対する審査の重点化」、「医療機
関への多重・頻回受診者への指導強化」等と記載すれば、生活保護申請者や多重・頻回受
診者すべてが悪意のある申請者・受給者と見られかねず、真に必要な権利行使を抑制する
ことにならないか懸念される。

15 19ページ
 地方自治の充実を理念とする広域連携の目的を明確にし、その目的に沿って広域化が必
要な事務について広域化を図るとするべきである。
 行政スリム化のために広域連携をするというのであれば理念なき広域連携であり、将来
の合併につながる。「自立再生」にはならない。大阪府からの事務委譲も含めて、地方自
治の充実のために高石市が必要とする事務・権限は何か、十分な議論が必要である。

16 20ページ
 旧市民会館・旧図書館郷土資料室は、売却の見込みがないのであれば、市有地の売却リ
ストから削除するべきである。国鉄清算事業団用地(羽衣)が売却リストに記載されてい
ないが、利用予定がないのであれば、売却リストに記載するべきである。
 旧市民会館・旧図書館郷土資料室は、これまで売却に出されたものの売却できていない。
今後の売却の見込みはあるのだろうか。売却の見込みがないのであれば、収入の見込み違
いが生じるので、売却リストから削除するべきである。国鉄清算事業団用地(羽衣)は、
駅に近く売却できる可能性は高いと思われる。売却しないのであれば、その理由を明確に
するべきである。

17 21ページ
 手数料・使用料の見直しは、慎重に行うべきである。
 手数料、使用料について、公平性の観点から受益者負担の適正化を図る、とあるが、手
数料・使用料は、単なる受益者負担の観点からだけではなく、権利保障の面も考慮して決
定するべきである。例えば、公共施設の利用は、文化活動、市民活動等の権利の行使とい
う面があり、利用者の単なる受益とはいえない。

18 22ページ
 企業立地等促進条例の対象要件緩和、期間延長は、これまでの検証をした上で、慎重に
対応するべきである。

19 33ページ
 財団法人高石市施設管理公社は、一般財団法人として存続させるべきである。
 一般財団法人も公益財団法人も移行は難しい旨の記載があるが、一般財団法人に移行す
る場合、財団法人時に蓄積された資金を公益目的で消費しきる必要がある。しかし、これ
は、一般財団法人設立後の期間を含めて長期にわたって公益目的で消費してもよいものと
思われる。公共性の高い公の施設に指定管理を導入する場合、高石市が出資し、運営の民
主性が保障され得る施設管理公社を指定管理者の指定先として存続させる必要性は高い。
施設管理公社の寄附行為にある「市民のふれあい、交流の場を提供するための調査、研究
及び事業の実施」は、施設管理公社の行う公益目的事業としてふさわしいものである。

(2011.8.29 掲載)

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高石市職員労働組合 「高石まちづくり情報」
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