財政健全化法と高石市財政

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○ 高石市職員労働組合機関紙2008年新春特集号から転載しました。


財政健全化法と高石市財政

 地方公共団体の財政の健全化に関する法律(財政健全化法)が昨年の通常国会で成立し、2008年度決算から適用されることになりました。

 これまで、財政状況が悪化し、赤字比率(実質収支赤字額/標準財政規模)が20%以上(市町村)となった場合、財政再建団体となって財政の立て直しを図るという仕組みになっていましたが(自主再建という方法もあります。)、財政健全化法では、これを全面的に改めた仕組みが設けられています。

 まず、新たに設けられた4つの財政指標、@実質赤字比率、A連結実質赤字比率、B実質公債費比率、C将来負担比率、によって、財政の健全性が判断されます。この4つの指標のうちひとつでも基準を上回ると財政の早期是正の対象=財政健全化団体となります。そして、@からBの指標のうちひとつでも基準を上回ると財政再生団体=従来の財政健全化団体となります。早期是正(財政健全化)又は財政再生となる基準は、財政規模によって異なりますが、市町村の場合、早期是正(財政健全化)は、実質赤字比率が11.25%〜15%以上、連結実質赤字比率が16.25%〜20%以上、実質公債費比率が25%以上又は将来負担比率が350%以上、財政再生は、実質赤字比率が20%以上、連結実質赤字比率が30%以上又は実質公債費比率が35%以上となっています(朝日新聞2007年12月7日付)。※

 では、財政指標のひとつである実質公債費比率について、高石市の状況を見てみましょう。地方債の発行は、国の許可制から協議制に移行しましたが、実質公債費比率が18%以上となると従来と同様に国の許可が必要となります。高石市の実質公債費比率は、2005年度は17.8%とかろうじて18%未満となっていましたが、2006年度は19.2%と許可制となる18%を超えてしまいました。、

 将来負担比率には、債務負担行為に基づく支出予定額や出資法人の負債額、職員全員が前年度末に退職したとした場合の退職手当額などが含まれます。土地開発公社に対する債務負担行為額がここに含まれるとすると128億円(2006年度)、退職手当は1人2000万円とすると500人分で100億円が将来負担比率に算入されます。高石市の財政は、財政健全化団体になるかどうか、微妙な状況にあると考えられます。

 財政健全化法のもとでは、将来負担比率を下げることをねらった人件費削減、自治体リストラの圧力が高まるおそれがあります。そして、財政指標の基準は政令委任されているので、国の自治体統制が強まることも考えられます。財政政健全化法は、連結決算的な財政指標を用いて普通会計だけではなく自治体財政全体の状況を明らかにしようとしたという積極的な側面がある一方で、自治体財政の市場化を進めるために財政情報を金融機関に提供するという側面があると考えられます。

 高石市は第四次財政健全化計画の策定を進めています。これは、とりもなおさず、これまでの3次にわたる健全化計画では財政の健全化ができなかったことを示しています。市職労は、財政健全化のための財政健全化に陥ることなく、高石市の将来、まちづくりを見据えた財政健全化が必要だ、と主張してきましたが、まちづくりの方向性を明らかにするような市民的、全庁的な議論が行なわれてきたのか、はなはだ疑問です。まちづくりのビジョンを立て、その上で、何を残して何を削るのか、新たに何をするのか、市民参加、職員参加で徹底的に議論することが必要です。

※実質赤字比率…普通会計の実質赤字の標準財政規模に対する比率
 連結実質赤字比率…全会計の実質赤字等の標準財政規模に対する比率
 実質公債費比率…地方債元利償還金・準地方債元利償還金の標準財政規模に対する比率
 将来負担比率…公営企業、出資法人等を含めた実質的負債の標準財政規模に対する比率

※ 基準を定める政令は、2007年12月28日に施行されました。

(参考文献 平岡和久・森裕之著「新型交付税と財政健全化法を問う」。)

(2008.1.7 掲載)

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