「東宝特撮映画感想文」スペシャル
「GODZILLA 決戦機動増殖都市」感想文


(はじめに)
  ということで2017年から18年まで1年間・3部作に分けて公開された「アニゴジ」こ
とアニメーション映画に第2作目「GODZILLA 決戦機動増殖都市」のBDを拝見したのでそ
の感想を述べてみたいと思います。
 この感想文を書いている時点(2019年2月)では完結編となる第3作「GODZILLA 星を喰
う者」のBD/DVDの発売日は未定のようですが、それも発売されたら、その感想も述べて
みたいと思います。
(3部作である以上、最後まで見てみないと、という気持ちもあるしね)
 それでは感想に参りましょう。なお、本文中作品のネタバレを含んでいるので注意して
くださいませ。


人類最後の希望〈メカゴジラ〉が、起動する。
「GODZILLA 決戦機動増殖都市」

監督/静野孔文・瀬下寛之、ストーリー原案/虚淵玄、
シリーズ構成/虚淵玄・村井さだゆき、
脚本/村井さだゆき・山田哲弥・虚淵玄、
キャラクターデザイン原案/コザキユースケ、音楽/服部隆之、
アニメーション制作/ポリゴン・ピクチュアズ
声の出演/宮野真守(ハルオ・サカキ)・櫻井孝宏(メトフィエス)・
     花澤香菜(ユウコ・タニ)他

前作、つまり「怪獣惑星」の時の感想文で管理人はこう書きました。

「3部作アニメの第1作としてみれば○だけど、ゴジラ映画としては…」

で、まあ今回の第2作目ですけれど、同じように「単体としてはよくできているけれど、
ゴジラ映画としては…」という感想と同時に「なんか(1作目と比べると)ますますゴジラ
である必要がないんじゃね?」という感想を持ったんですよね。

前作のラストで謎の種族(フツア)に助けられたハルオが次第に打ち解けて行き、やがては
彼らが何やら崇拝しているというのを知る、という展開は『モスラ』を感じさせたり、あ
るいはメカゴジラの登場といったようにこれまでの実写版を踏襲しているな、と思われる
設定があったりというのはいいのですが、なんだかものフツアのパートとメカゴジラシテ
ィを発見してから再び対ゴジラの戦略に入る、という二つのパートがが別に絡み合う、と
いうわけでもないし、ラストの展開に至っては別にフツアがただの傍観者に過ぎないので
はないか、と思えてきますしね。
それになんかとってつけたようなストーリー展開もちょっと多かったような気がしますね。
物語序盤でハルオがはまった沼に後でユウコがはまってしまい、怪獣に襲われたところを
救出される、という場面がありましたが、それが後になって何の伏線にもなっていない、
というのもどうなのか、と言う気がしますし(それでユウコが終盤であんな風になってしま
うのが促進される、みたいな感じにすればよかったと思う)、という、いや、ラストの展開
に結ぶ関係上入れたのかもしれませんが、唐突に出てきたハルオとユウコのキスシーンも
もっとユウコがハルオに惹かれていく、というシーンを前に(それこそ第1作から)入れて
もよかったのではないか、という気がしますが。そうすればラストシーンのハルオの慟哭
ももっと生きたのではないか、と思いますが(それとスタッフロールの前と後で同じシーン
繰り返すのもどうかと思うが。ハルオの慟哭→スタッフロール→ごちゃごちゃでいいと思
うが)。

で、肝心のメカゴジラシティですが、「怪獣惑星」でも最後のほうで言及されたり、「人類
最後の希望〈メカゴジラ〉が、起動する。」というキャッチフレーズから考えたらどう考え
たって、アニメ用に新しくデザインされたメカゴジラがゴジラと対決する、というストー
リーを想像すると思うのですが、それがまさかの「アレ」ですからねえ。いや「機動増殖
都市」というサブタイトルの意味は分かるのですが、でも映画を見たファンはそれを期待
していったと思うのですが、結局メカゴジラではなくてガンダムもどきがゴジラと戦った
という(苦笑)。しかもやっていることが「怪獣惑星」とほとんど変わらないやり方ってど
ういうことなのでしょうか? しかも体長50mだったゴジラ・フィリウスに通用した手
が体長300mのゴジラ・アースにも通用するとは限らないと思いますが。おまけに最後
は仲間割れは起こすは、ハルオはゴジラを倒すことよりユウコを助けることを優先させる
わといったやり方では勝てる戦もとてもじゃないが勝てないと思いますが。

それに今回のゴジラは結局話の上じゃ数百メートル(数千メートルか?)歩いただけで終わ
ってしまいましたからね。ますますゴジラを出す必要が感じられなくなってきているし、
別にゴジラでなくても話そのものは成立するのではないか、という気がしますが。ですか
ら最後の最後でとどめを刺すのがハープーンではなく、例えばメカゴジラシティでレアメ
タルと化したビルサルドが2万年前に放棄されたメカゴジラの残骸と同一化し、メカゴジ
ラとなって復活し、ゴジラに立ち向かう、といったような展開だったらまだゴジラ映画と
しても燃える展開になったのではないか、と思いますが。

まあ、メトフィエスがますます怪しい人物になってきている部分とか、まだフツアについ
てわからない部分、例えばなぜ精神感応で会話ができるのか、あるいはなぜ地球の大気が
あんなふうになっても生活ができるのか、そして2万年前の地球人との関係はどうなるか、
最後にメトフィエスの語った「ギドラ」が次の話のキーワードになる、といった部分は3
作目への引き、という意味(「星を喰う者」は見ていない、という前提で話しています)、
という部分の話づくりは上手いと思いますが、まあ3部作の「序破急」の今回は「破」で
すから、どうももやもやした部分が残るのは仕方がない、という部分ですかね?
なんだか2作目は1作目と比べると「ゴジラ」である必要性が感じられない、といったと
ころが残念ですし、3作目もかなり評判が悪いという話を聞きますが、やはりこの目で見
ないとわからないので管理人、3作目のBD発売を待ちたいと思いますし、次回は3作を
振り返っての感想も述べたいと思います。



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