と言う事で大ヒットした「シン・ゴジラ」の公開とほぼ同じころだったか、ゴジラがアニ
メーション映画の3部作となって公開される、という情報を聞いてからほぼ2年。ようや
くアニメシリーズの第1作を見たわけですが、その感想と言えば…
「3部作アニメの第1作としてみれば○だけど、ゴジラ映画としては…」
という感じだったんですよね。
いや、突然怪獣が現れ、地球人が地球を捨て宇宙船の中で20年居住可能な惑星を探してい
る間に地球では２万年近く経っていた、と言う設定は悪くはないと思うのですが、個人的
にはゴジラシリーズと言うのはある日突然いつもと変わらない日常の中に突然怪獣が現れ
て…、と言うのが話の肝だと思うんですよね（勿論過去には「南海の大決闘」「ゴジラの息
子」「オール怪獣大進撃」みたいな作品もあったが）。
それが２万年経ってゴジラを頂点とする怪獣たちが地球を支配していた、と言うのは別に
ゴジラじゃなくても話そのものは成立すると思いますしね（出てくる怪獣も「怪獣惑星」
と言う割にはゴジラ・フィリウスとゴジラ・アースとゴジラが怪鳥になったようなものの3
種類しか出てこなかったし。もうあと5〜6種類出せば「2万年後の地球は怪獣が支配して
いる星になった」という感じがもっと出たんじゃないか、と思うが）。まあ、ゴジラをタイ
トルにしている以上、ゴジラが出てこなければいけないのは仕方がない部分なのかもしれ
ませんが。
で、まあ、そのゴジラに対して人類が立ち向かっていく、と言うのが「怪獣惑星」のスト
ーリーの骨格となるわけですが、どうもゴジラがゴジラらしく思えなくて。いうなれば1998
年のトライスター版「GODZILLA」のような感じ、と言えばわかりやすいでしょうか？
いや、あの作品のゴジラ・フィリウスは体長が50メートル、そして最後に出てくるゴジ
ラ・アースは300メートルあるという設定なのですが、舞台が2万年後の地球という事も
あって、その対比する建物とかが出てこないし、人間側もゴジラに接近して戦う、という
場面がなかったので余計にあまり大きさと言うのを実感できなかったのかな、と言う気も
しますし、ゴジラがあまり放射能熱線を吐かなかったというのもねえ。
なんか調べてみると静野孔文監督はゴジラのことを名前くらいしか知らず、「何故ゴジラが
口から炎を吐くのか」と言ったことを周りに尋ねるほどで、脚本の虚淵玄氏はそれをもと
に「ゴジラを知らない人でも楽しめるように」と言う事で話を肉付けしていった、と言う
事のようですが、でもやはりゴジラというタイトルがついている以上、観客はゴジラのこ
とを（それこそアメリカ制作の2作を含めた過去作全部見た人（事実管理人も過去作29作
＋ハリウッド版2作全部見た人間だし）だろうが、「シン・ゴジラ」しか見たことがいない
人だろうが）あらかじめ予備知識として知っている人がほとんどだろうし、やっぱり「あ
のゴジラがアニメにしたらどうなるのか」というのをを見てみたい、と言う人も多かった
のだと思いますから、静野監督は最低でも1954年の第1作や「シン・ゴジラ」、シリーズ
としてヒットを飛ばした1984年から95年の所謂「平成ゴジラ」から1〜2作くらいは見て
おいて「ゴジラとはこういうものだったのか」と言う予備知識を持っておいて作品に臨ん
でもよかったのではないか、と思いますが。
とは言え、ストーリーは一応3部作とは言え、これ1作で決着をつけている所はちゃんと
つけているし、次回作への引きという点も上手くできているとは思いますから管理人とし
ては最初に述べた通り「3部作の第１部としては○だけど、ゴジラ映画としては…」という
結論になるわけですよね。
なんか2作目はあまり評判がよくなく、3作目もあまり期待する声が上がっていないようで
すが、果たして３作見て管理人がどのような感想を持つか、それは今後やるであろう第２
作・第３作の感想で、と言う事ですね。
それとＢＤを見て気になった事を。登場人物の台詞が何言っているのか聞きづらい部分が
ありました。「シン・ゴジラ」を庵野監督がＢＤ／ＤＶＤ用に映像を手直ししたように映像
や音声を手直ししてもよかったのではないか、と思いますが。
それといつメトフィエスがユウコに対して「（ハルオは）いいやつなんでよかったら１回だ
けでもセッ（ピー）させてやってください」と言いだ…（ポカッ！）
