ということで2014年のレジェンダリー版「GODZILLA」の続編として制作された「ゴジラ キ
ング・オブ・モンスターズ」を観たわけですが、最初の予告編を見たときは「怪獣総進撃」
（1968年）みたいな話を作るのかな、と思ったのですが、実際は「ゴジラvsモスラ」（1994
年）のストーリー展開をややこしくした「ゴジラ FINAL WARS」（2004年）だったな、と
いう感じがしまして（笑）。
いや、映画を見て思ったのですが、マイケル・ドハディ監督はおそらくゴジラファンであ
ると思うんですよね。というのも作品の端々に日本のシリーズ、特に「平成ゴジラシリー
ズ」や「ミレニアムシリーズ」を彷彿とさせる場面があったりしたし、怪獣バトルのシー
ンやそりゃ流石に上がるし、何よりも（おそらく関係各位に了解を得るために奔走したと
思うが）「ゴジラのテーマ」や「モスラの歌（インストバージョン）」を使っていることか
らもわかりますし。
ただやはり「怪獣」に対する扱いの違いがやはり日本とアメリカでは違うな、と思ったの
も事実でして。
いや、今作のゴジラ（と言うか怪獣）たちは地球環境のバランスをとるために出現した存
在、という事になっているようですが（それもまた「ゴジラvsモスラ」を連想した理由の
一つ。ただあれとは違い、今作のゴジラとモスラの関係は良好、という「三大怪獣 地球
最大の決戦」以降のシリーズの存在に近い）、なんか個人的には2017〜18年にかけて上映
された劇場版アニメ３作の設定と似ているな、という感じがしたんですよね（監督がアニ
メシリーズを見たのかどうかはわからないけれど）。
ただあれは結果的に「人類がゴジラから地球を取り戻す」ために戦うのに対して今回の作
品は「怪獣を目覚めさせて地球環境を元に戻す」のが目的であり、そのやり方をめぐって
穏健派と過激派の戦い、というなんだかわけのわからないものになってしまいましたし（最
終的には地球の覇権を争ってゴジラとキングギドラが戦う、という話にはなったが）、そも
そも地球の生物から見れば異形の存在である怪獣にそんな役目を持たせていいのか、とい
う気もしますが。
それにまあ相変わらず核の扱いが全く正反対だという事もありますね。日本では「ゴジラ
vsデストロイア」の時に「体内で核暴走を起こしたゴジラが放射能を吸収するために戦時
中に日本で開発された原爆が隠されている場所に向かう」というストーリーが考えられて
いたのに結局ボツになったという話がありましたが、それくらい核に関してはデリケート
な問題だというのにアメリカは簡単に使うし、大体タイマーでセットして核爆発を起こす
というならば十分に逃げられるくらいの時間にセットすればいいでしょうに。そんなに切
羽詰まった状況だったのでしょうか？
それにファンとしてはオキシジェン・デストロイヤーの扱いに関してもなんだかなあ、と
いう気がしますね。というのもあれは第１作での扱いは「全世界の兵器バランスを根本か
ら覆してしまうくらいの威力がある兵器」であり、芹沢博士（渡辺謙がやっている芹沢猪
四郎博士ではなく、平田昭彦がやっていた芹沢大助博士の方です、念のため）はそれに悩
み結局、設計図を破棄しゴジラとともに運命を共にしたという位のシロモノであり、以後
の作品でも「どうやってもできない」位アンタッチャブルな存在だというのに。それに話
の途中でいきなり出てくるというのもどうかと思うのですが。例えば話の最初で研究を進
めていた、とかせめてゴジラとキングギドラの最終決戦で使う、とかいろいろと方法があ
ったでしょうに。
それに今回最大の悪役（であろう）アラン・ジョナに対してもなんかスッキリしない部分
が多かったですよね。個人的には最後は怪獣映画というのは「怪獣を利用するものは何ら
かの形で最後は滅びるものだ」という教育的な結末が必要だと思いますし、過去のもそん
な作品はゴマンとあったわけですしね。それともあれでしょうか？ 次回作である
「Godzilla vs Kong」にも登場させる予定なのでしょうか？ そしてその時に２作分の何
らかの制裁を加える、とでも考えているのでしょうか？
（今のところ出演予定者に名前はないが、あれで終わりとは思えないし）
まあいずれにせよ新型コロナウイルスの影響で今年の１１月２０日に予定通り公開できる
のかどうかわかりませんが、レジェンダリー版の最終作（であろう）「Godzilla vs Kong」
の公開を待ちたいと思います。
