吼える!オレキャラ!
(西岡園子対ルフ、バンディット)
「はわわ・・・園子さん、あんなに打たれてる〜」優香は同様していた、今夜の西岡の対戦相手、ルフ、バンディットは正直西岡にとって
強敵と言えるレベルでは無かった、優香自身も今日は西岡の圧勝に終わると思っていた。
だが、試合開始早々ルフのフックを西岡はモロに受けた、体勢を崩した所へ更に強烈なボディーアッパーが炸裂、
瞬く間に西岡の唇から血がタラリと流れ出した、「ふふーん、コイツ大した事無いじゃーん♪」ルフは調子に乗って次々にパンチを繰り出す。
バキッ!ドゴッ!ゴシッ!ドスッ!グシャァッ!
ドサァッ!ルフのアッパーを喰らい西岡がマットに倒れた、レフェリーが即座にカウントをとる「1・・・2・・・3・・・4・・・」
「ほらぁ!もうちょっと殴らせてよォ!」ルフが両手を打ち付けつつ悪態を付く、「5・・・6・・・7・・8・・・」カウントが続く、
「・・・・」突然ガバッと西岡が飛び起きる、カウントは9、レフェリーが試合続行を聞くと黙ってうなずく。
「ボックス!」再び試合再開、しかしまたも西岡はルフの強打を喰らい続ける、まるで空っぽの人形みたいに・・・・
「あ・・・園子・・さん・・ど、どうして〜」優香も西岡の異常な行動に戸惑っていた、あんなにクールで理知的な西岡が
目の前で無様に殴られ続けている、綺麗な顔が見る間に醜く腫れ上がって行く・・・・
ピッ、ピピッとリング外にまで血の滴が飛んで来る、既にマットは西岡の鮮血で紅に染まっていた。
ブシャァッ!!二度目のアッパーで再度のダウン、西岡の口からマウスピースが勢い良く飛んだ。
マウスピースは勢い良く2、3回バウンドしてリングの外へ転がる、「あ・・あ・・・」優香は西岡の血まみれのマウスピースを拾い上げ驚愕し続けた。
再びレフェリーがカウントを取ろうとした瞬間、瞬時に西岡がまた飛び起きた、プッ!と口から鮮血を吐き出すとおもむろに呟く。
「ケッ・・・まったく退屈だよ・・・ちっとも・・・燃えやしない・・・」そう言うと西岡が再び腕を構える、
「きゃはは、なーに言ってんのアンタ?頭打った?」ルフが笑い出す、「お前じゃ・・・やっぱり無理だったって事だよ・・・」
フッ!と突然西岡が脅威のフットワークでルフの懐へ瞬時に潜り込む「ヒッ!?」ルフが驚く「あああぁぁっ!!」
西岡が吼えた、その瞬間次々に目にも止まらぬフックやボディーが乱れ飛ぶ、
ゴッ!ボカッ!ドゴォッ!グシャァッ!ドギャッ!ドグォッ!ドスッ!バキャァッ!
「ぎゃっ!ぐえっ!ぐはっ!ああん!げおっ!ぶぶっ!げはぁっ!」みるみるルフの顔面が西岡以上に腫れ上がって行く。
「・・・そ・・園子さん・・・凄い・・・パンチが・・・・見えません・・・」優香は余りの西岡のスピードとパワーに今一度圧倒された。
「あんな凄い人と・・・アタシは・・・・戦ったんだぁ・・・・」ただ呆然と優香は西岡の実力を再認識していた。
そして、西岡がルフに止めの一撃を繰り出す「地獄に落ちな・・・・クソが」
グシャァァァァッ!!
顎が砕ける嫌な音と共にルフは頭からマットに倒れ込んだ、レフェリーが即座に両手を交差して試合終了の合図を送る。
血塗れで立ち尽くす西岡を歓声とゴングの音が包んだ、「アタシを燃えさせられる相手は・・・やはり・・・・・」
西岡が振り向く、振り向いた先には呆然としてる優香がいた。
「アイツ・・・だけみたいね・・・・」西岡が腫れ上がった唇を曲げて微笑を浮かべる。
だがその笑みは優香には見えなかった。