西岡と優香番外対決

  

「アハハハハハッ!まだまだぁ!」優香がたけり狂った声を上げて腕を思いっきり振って西岡の身体を鞭のように打ち据える。

「く・・・・・コイツ!」西岡は暴れまわる優香のなすがままにガードを固めてひたすら耐えていた、身体中に衝撃が次々に襲う。

「ウフフッ♪此処なら邪魔もはいらないし心行くまで殺してあげるね園子さぁん!アハハハハハ!」

狂ってる・・・・・・・園子は優香の凶悪な笑みを汗の滲む目で見据えていた、優香の目は何時の間にか真紅の色を湛えている

バシッ!遠心力をつけた一撃が西岡の剥き出しの胸に当たる「アグッ・・・・!!」西岡の苦悶の声が薄暗い部屋に染み込んでは消える・・・・

「アラ残念、次はバッチリ顔面決めますよっ!そーら!」また再び凶獣の一撃が空を切る

「く・・・・・・くそ・・・・・・・・・このアマァ・・・・・」西岡は怒りに満ち目で悪態をつくが優香の攻撃を避けるだけで今は精一杯だった。

優香ラリアットと呼びたまえ(お)

  

「園子さん、ちょっと顔貸して欲しいんだけど・・・・・」初めにそう優香が誘ったのが発端だった。

「・・・・いい度胸してるわねアンタ、貸してやるけど後悔しないでね」西岡はそう答えると優香と一緒にとある部屋に。

其処は所謂「遊技場」のような部屋で選手達がプライベートで試合とか公に出来ない事などを行える所だった。

「折角だから〜・・・・上なんてポイポイしてやりましょうか?どうせ女同士だし・・・・・ウフ♪」優香の目が怪しくキラキラ光る

「構わないけど・・・・・アンタがそう言うの珍しいね・・・・・」西岡はこういう事に慣れてるのか難なく承諾。

こうしてキャットファイトまがいの対決が開始されたのだが逆に後悔してるのは西岡本人だった。

此処はプライベートな空間の為審判も試合時間も無い、どちらかが完璧に堕ちるまで延々と死闘が続く。

図られた・・・・西岡はようやく優香の罠に気がついたがもう既に何もかも手遅れだった。

   

   

西岡様唖然、優香嬢がぜん余裕

グシャッ!・・・ようやく攻撃をかわし続けて密着戦までもつれ込ませた西岡のアッパーが絶え間なく優香の顎を強打する。

既に3発目で優香の口からドロドロした鮮血が噴出してはいるもののその表情は未だに薄気味悪く笑っていた。

ドスッ!とボディーを痛烈に叩き込んでも微笑を浮かべたままウットリとした瞳で西岡を見つめている・・・・・

まるで痛みや衝撃を味わっているような感じだ、西岡の身体に悪寒が走り始めた。

「・・・・何で・・・何で倒れないのよ・・・アンタ・・・」そう喋るのがやっとの西岡に優香は一言呟く「全然効いてないよ」

「な・・・・・!」 「ウフ・・・・ムキになって殴って来るなんてカワイー♪もっとムキになっていいですよ」優香が不気味な声で耳元に囁く。

「・・あ・・・・う・・・・・・・」呆然とする西岡に優香が更に耳打ちする「一応3分経ったから休んでいいよ」

そう言い残すとゆっくりとコーナーの一角に寄りかかって満足げに余韻に浸り始める優香、

フラフラと反対のコーナーに力無く寄りかかりながら西岡は声を漏らす「アンタ・・・・何が目的なんだよ・・・・・・・・」

「園子さんと遊びたかっただけ、でついでに無様に大の字にしちゃえっていう目的だけど・・・クス♪」

西岡は目的を聞いて愕然とした、コイツには邪心が無い・・・・と純粋にアタシを殺したいだけなのか・・・・・・と。

   

「もうすぐインターバル終了ー♪さっ、続き続きっ」優香が嬉しそうに両手を打ち鳴らしつつ笑いながら西岡に言う。

駄目だ・・・・・アイツに勝てない・・・・・・打つ手が無い・・・・西岡はノイローゼ気味にブツブツ呟いていた。

ありったけのパワーをぶつけても効果なし、すっかり獣に変貌したコイツとどう闘えばいいんだよ・・・もう闘いたくない・・・・・・

それでも「カ〜ン♪」と優香がゴングの口真似をするとコーナーから飛び出して行く自分がつくづく呪わしいと思った。

アタシはコイツに殺されたいのか・・・・・・・西岡はもはや戦う気力を失いかけてた。

「さーて、西岡選手逆転なるか?アハハハ!」優香が皮肉めいた言葉を浴びせながら西岡の顔面を強打する。

「ブッ・・・・!」西岡の脳内は白くモヤがかかり始めた、なすがままにサンドバックになっていくのが自分でも分かる。

「畜生・・・チクショウ!・・・・チクショウ!・・・・・」西岡の拳にギリギリと屈辱という力が篭る、

打たれつつもいつの間にやら西岡は優香に無駄だと知っているパンチをいつの間にか放っていた。

「くぅっ・・・・・・・!」妙な手ごたえがあった、見ると自分の右アッパーが顔ではなく剥き出しの胸に突き刺さっている

しかも意外な事に何故か優香は初めて苦悶の表情を浮かべていたのが更に西岡を驚かせた。

「・・・・・ふうん・・・・・コレね」西岡は優香のウイークポイントを見つけて少し気力が戻って来た。

まぁお約束と言えばそうなる(お)

バシィ!続けざまにもう片方の胸にも同じ事をしてみる「うぐぅ!!」 「ふーん・・・・・初めてなんだぁ・・・・・・・・」

西岡が血で染まった口元でニヤリ、と笑うと今度はベルトラインの下を打ち込んでみる「ギャッ!!」

「どう?気持ちいい?・・・・気持ちいいかって聞いてんだよ!」バシッ!バシッ!と狂ったように打ち込み続ける度に優香が悶えるように動く

「あぐぅ・・・・・・・・あがぁっ!」最後の強烈な一発が胸に炸裂し優香はそのままキャンバスに倒れこむ。

「・・・・・カウント・・・・・いる?・・・と言うかいらないか・・・・・・・・・」西岡が嬉しそうに呟いた。

  

  

バッタリ昇天中(笑)

「あう・・・あ・・・・・・う・・・」優香が悶絶してるような声で倒れ伏している。

西岡が近くに歩み寄りゆっくりと膝を着く「カウントの代わりよ、オマケに喰らいな・・・・・」

ガスッ!ガスッ!ガスッ!ガスッ!ガスッ!ガスッ!ガスッ!ガスッ!ガスッ!ガスッ!・・・・・・

これでもかと止めに胸やベルトラインから下を打ちまくる西岡、最後の10発目が胸に深く埋まった瞬間優香は白目を向く。

「フン・・・・・・・コレに懲りたら二度とナマ言うんじゃ無いよ・・・・・このアマが!」吐き捨てるように言うと西岡は部屋を出て行く。

(ち・・・・まだ十分に身体に慣れてないのか・・・・・・・それにしてもあんな攻撃でやられるとは・・・な)

優香は今回の遊びが失敗に終わった事を薄れ行く意識化で残念に思っていた。

  

  

退場