市営バス雑学

市営バス雑学なぜ市営バス時刻表にばんけい観光バスの時刻表が?

               かつて、市営バスの時刻表に「ばんけい観光西14 荒井山線」と、なぜ
       か市営バス以外の時刻表が掲載されており(平成15年4月に琴似営業所がジェイ
       ・アール北海道バス移行されてからは1年間のみ掲載されました。現在の同社
       の時刻表には掲載されていません。)
       「どうして?出ていたのだろう?」と思った方も多いことでしょう。
        この路線はそもそも、市営バス路線として昭和52年まで運行されていました。
       ところが、平日7往復・日祝日10往復で円山公園〜盤渓を結んでいたこの路線、
       1日当たりの乗客は定期券利用客を含め約100人で、昭和50年度は740万円
       の赤字を出し、中央区内の路線なのに、国・北海道からの地方バス路線維持補助
       を受けるほどの不採算路線でした。
       そこに、助け船(バス?)。「ばんけい観光」が「スキー場、レジャー施設利用者
       のサービスとして同じ経路で
無料バスを運行しており、肩代わり経営したい。
       」と申し入れました。
       これを、市交通局も地区住民も受け入れ、昭和51年2月、札幌陸運局に市営バス
       廃止と6月からのばんけい観光の営業認可を申請しました。
       しかし、認可が得られず1年延期しての運行開始となったのです。
       時代が平成に変わっても、時刻表に掲載されていたことが、市営バスだった名残
       となっていたわけです。

       

市営バス雑学なぜ市営バス(南93)定山渓線は「国立札幌南病院経由」だった?
             かつて市営バス路線として運行されていた、(南93)定山渓線(現:じょうてつバス
      路線、真駒内駅前−定山渓)。昭和47年5月から平成12年3月まで市営バスが運行し
      たこの路線、競合するじょうてつバス(12)真駒内駅−藤野3条11・旧道錦橋−定山渓
      温泉 とは経路が違いました。
       昭和44年、定山渓鉄道が廃止され、鉄路に沿って走っていた旧国道経由の路線バス
      が、国道230号線新道の開通で大部分の便が新道経由になってしまい、旧道沿線住民は
      簾舞農協始発便は最大2時間以上の間隔があいてしまい、すっかり僻地となりました。
       なかでも、国立療養所札幌南病院からは「(来院する人々の中には)肺機能の低下し
      た歩行困難な病弱者が国道230号線(新道)の停留所を利用するには病院から約800m
      の距離があり、道のりを往復するのは全く不可能であります。…市営バス定山渓線の乗
      り入れに際しては是非旧国道経由に」と昭和46年には札幌市長などあてに要望書が出さ
      れ、ようやく市営バス乗り入れ当初から「旧国道経由」が実現したのです。
       この要望が出されて以来、市営バスが運行した路線をじょうてつバスが引き継ぎまし
      たが、今も変わらず、病院利用者・旧道沿線住民の大切な足になっています。

      

市営バス雑学市営バスが自衛隊構内を経由していたことがあった?

             かつて市営バス真駒内線に「南町4丁目〜自衛隊前駅」という系統が設定されていた
      時期がありました。その経路というのがなんと
自衛隊構内経由というもの!!
       地域住民を乗せて走る目的の路線バスとして自衛隊の駐とん地の中を通るのは全国でも
      この系統だけだったのではないでしょうか?昭和49年12月10日に運行開始され、1日26便
      運行し、バスが来るとその都度、歩哨(ほしょう)隊がチェーンを外し、挙手の礼をしたり
      と注目を浴び、交通局は当初、1日400人の利用を見込んでいましたが、南町4丁目発
      に乗車した大半の乗客は「真駒内駅前」で降り、地下鉄を利用する客が多く、昭和50年に
      なると自衛隊北門〜自衛隊前駅を利用する客は
2〜3人となることが多くなり、まさに
      空気輸送と指摘されるほどになりました。もともとは真駒内本町地区住民から地下鉄への
      交通が不便だからという意見で開設されましたが、当然、自衛隊構内には停留所がなく、
      1.2キロの「自衛隊北門〜自衛隊前駅」の区間設定が良くないという意見もありました。
       そこで、昭和51年6月の東西線開業(琴似〜白石)によるバス路線再編成を機に、「南町
      4丁目〜自衛隊前駅」系統は廃止される運命となりました。
       この他、自衛隊駐屯地内を経由する路線は北海道中央バスの千歳市内線にあるとのこと
      です。

市営バス雑学民営バスより市営バスのほうが割高な路線って??
             北海道中央バスとじょうてつバス、ジェイ・アール北海道バスの都心区間が100円で
      利用できる(一部除外路線あり・現金支払のみ適用)「都心内100円バス」。大変便利で
      おトク感がありますね。このプロジェクト「札幌市都心交通対策実行委員会 都心部交通
      実験プロジェクト」が推進している事業で平成9年〜11年度迄、都心部への車の乗り入れ
      を抑制するため運行した「都心循環バス」は市営バスでの運行で藻岩や琴似などの車両が
      運用されていましたが、平成12年・13年・14年6月迄の民営バスでの実験運行を経て平成
      14年7月から本格的に「100円」とし、現在に至っています。
       ところが、この事業、札幌市が音頭をとっているのに、平成12年当初から「市営バス」
      路線は一切割引なしで、市営バスとしては一切関わっていません。(じょうてつ(南55)は平
      成12年3月迄、市営バス路線であったので実質関わっていたともいえます。)
       例えば、札幌駅前・JR札幌駅〜サッポロファクトリー間で比較してみましょう。
      ジェイ・アール北海道バスで「JR札幌駅〜サッポロファクトリー」間は都心内100円
      バス区間で100円になります。ところが
市営バス(環88)で「札幌駅前〜サッポロファ
      クトリー」間では200円になってしまうのです!!
       他にも、「札幌駅前・JR札幌駅〜北1西7」間も、ジェイ・アール北海道バス利用だ
      と100円ですが、平成15年まで市営バス路線だった、じょうてつバス(南54)真駒内本町
      行を利用すると200円となります。これでは、同区間運賃同一の原則が崩れてしまいま
      すね。
       しかし、平成15年まで市営バス路線だった、ジェイ・アール北海道バスの(西31)(西53)
      「大通西4→北1西7」間・(西53)「JR札幌駅〜北1西7」間が移行後「100円区間
      」
になるという良い結果も生み出しました。

市営バス雑学市営バス停留所名からなぜ企業名入りの停留所が消えた?
             昭和40年代半ばまでは、札幌市はさほど市域が広くなく住居表示も「〜番地」が多く、
      当然市営バス停留所名には「■■○条○」というものはほとんどありませんでした。むし
      ろ「文化通り」や「農本北」など曖昧な物が多く見受けられ、中でも企業名を冠した停留
      所も存在したことを忘れてはなりません。例えば「雪印乳業前」「ネージュ石鹸前」「宝
      酒造前」……。
       転機となったのは昭和46年で、停留所案内テープ放送に広告料を徴収して放送するよう
      になり、企業名が冠されていない他の停留所のスポンサーから不公平ではないか?
    という声が上がったため、昭和47年5月より、停留所から企業名を外し(一部の明治乳業前
           、札劇前、聯合紙器、予備校前、札幌酒精前を除き)「条丁目」の住居表示に改めました。
       現在も残っているのは「札幌酒精前」(平成15年よりジェイ・アール北海道バスに移行)
      のみとなっています。

市営バス雑学市営バス定期券が近くの商店で買えた?

             今、「定期券を買う」となると、皆さんはどちらに買いに行かれますか?
      市営交通の定期券だと、市内の地下鉄駅の定期券発売所や大通定期券発売所などに行きま
      すね。
       ところが、近くの商店や薬局でバスや電車の定期券を買えたという時期があったの
      です。札幌市交通局は、昭和43年10月頃から「市営バス・電車定期券無料取次所」を市内
      5ヶ所に設け、午前中に定期券購入を申し込むと、午後には出来上がった定期券が受け取
      れるというもので、利用者への利便を図っていました。
       この取次所も、市内全域に広がることなく、特にこの後の地下鉄の開業により、定期券
      発売所が駅に設けられたことから、これ以上増えることはなかったようです。
      定期券発売所案内市営バス時刻表にも記載がありました(写真は昭和45年のもの)

市営バス雑学平成の世の中、新設から廃止までポール式だった停留所がある?NEW
        市営バスといえば、事業開始の昭和5年から60年間にわたって、停留所のタイプは、行
      灯式や2面式や花壇を備えたものなど様々ありましたが、基本はポール式がほとんどでし
      た。しかし、平成になって札幌市内のバス事業者のほとんどは2面式や「白ゆり」型とい
      った遠くからでも判別しやすい停留所を都心部を中心に採用し、その数も増えました。
       市営バスも、時代に乗り遅れることなく平成2年頃から札幌市の徽章をかたどった「六
      角形」を取り入れた「2面式」の停留所を凄まじい勢いで導入し、僅か5年ほどでポール
      式を凌ぐ数になり、果ては便数の少ない「滝野」や「定山渓」までもが2面式に転換され
      ました。
       ところが、そんな中、平成になって新設された停留所で、民営バス事業者への路線移行
      される事業廃止まで、ずっと「ポール式」だった停留所があったのです。それは、平成15
      年4月1日から前田地区に乗り入れた、(北72)新川線(北24条駅前〜前田森林公園)の「前
      田中央小学校前経由」の「前田9条10」「前田中央小学校前」「前田9条12」「前田10条
      15」の4つの停留所たちです。わずか1年間ではありましたが、ジェイ・アール北海道バ
      スや北海道中央バスの営業エリアに「共通1DAYカードもエコキップも使える」という
      アイテムを持ち、果敢に参入していった勇者とでもいえましょう。
      

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