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第3部 身近なテーマについて

第三部では、これまで取り上げてこなかったテーマの中で、誰もが関心を持っている身近な問題について学びます。それを通して霊的真理と霊的人生に対する理解が、いっそう深まるようになるものと思います。

第1章 霊能力と霊能者について

(一)二種類の霊能力――「サイキック能力」と「スピリチュアル能力」

心霊現象と霊能力

常識では考えられない不思議な出来事は、心霊現象とか超常現象、あるいは奇跡と呼ばれます。こうした現象を引き起こす特殊な能力(霊能力)を持った人間が、霊能者であり超能力者です。初期のスピリチュアリズムでは、心霊現象や霊能力に対する徹底した調査研究が行われました。

現在では、霊能力は二種類に分類されることが明らかにされています。一つが「サイキック能力」で、もう一つが「スピリチュアル能力」です。これらは地上人の目からは同じもののように見えますが、実際には多くの点で違いがあります。

サイキック能力とスピリチュアル能力

「サイキック能力」は本来、人間の霊体に備わっている能力です。それを肉体次元で発揮することのできる人間を「サイキック霊能力者(超能力者)」と呼びます。サイキック能力とは、言い換えれば「肉体の五感の延長上にある能力」ということになります。霊的視覚・霊的聴覚・霊的触覚・霊的嗅覚・霊的感応・予知・透視などが、サイキック能力の代表です。この霊体に由来する能力は、すべての人間に可能性として内在しています。

しかしそれらは物質文明の進歩とともに退化し、今日ではごく一部の人間だけが発揮できるようになっています。現在の地上世界では、ヨーガ行者や呪術者・宗教の修行者という、きわめて特殊な人間が厳しい訓練の結果、この能力を発揮するようになっているのです。サイキック能力は、地上人の肉体の運動能力に差があるのと同様に、大きな個人差があります。

一方「スピリチュアル能力」は、霊界にいる霊の働きかけによって生じる能力です。スピリチュアル能力とは、言い換えれば「霊界の人々の援助を引き出す能力」「霊界の人々の援助のもとに発揮できる能力」のことであり、この点でサイキック能力とは根本的に異なります。例えば地上のヒーラーが霊界の医者(スピリット・ドクター)の道具となって行うヒーリング(スピリット・ヒーリング)は、このスピリチュアル能力によるものです。それに対しヒーラー自身の持っている力によって行うヒーリング(サイキック・ヒーリング)は、サイキック能力によるものです。

サイキック能力とスピリチュアル能力の両方を同時に持つと、その人間は大きな力を発揮するようになり、優れた霊能者になります。しかし現実には、サイキック能力を持っているだけの霊能者や、スピリチュアル能力(霊媒能力)はあっても次元が低いために低級霊に翻弄(ほんろう)されているような霊能者がほとんどです。

(二)霊能者について

霊能者の善し悪しの判断

世の中には多くの霊能者がいますが、残念ながら彼らの大半が、スピリチュアリズムから見たとき失格です。少しでも霊能力があると、それを利用して金儲けをしたり、人気取りに走る霊能者がほとんどです。現在、テレビや出版物を通して名前の知られている霊能者の中で、本当に高級霊の道具と言える人間はいません。低級霊・邪悪霊に翻弄され、その道具に堕(お)ちてしまっているような者ばかりなのです。

また、ただ単に霊的真理を知っているというだけの霊能者も、高級霊の道具として働くことはできません。最近ではスピリチュアリズムの霊的真理を利用して巧妙に人々を騙す“ニセ霊能者”が、しばしばメディアに登場しています。

真に謙虚で無私の精神の持ち主でないかぎり、高級霊の道具になることはできません。ある霊能者が本物かどうかを見極めるには、これまでの実際の行動を見ることです。金儲けに奔走(ほんそう)してこなかったか、高額の相談料を要求してこなかったか、生活態度が健全であったか、口先では道徳的なことを語りながら世間の人気を求めるようなことをしてこなかったかどうかによって、その人間の本性を判断することができます。

派手な心霊現象がもはや必要ではなくなったこの時期において、霊的真理を知らない霊能者や心霊治療家(ヒーラー)は相手にすべきではありません。霊的真理を正しく理解し、霊界の道具としての人格性・品性のともなった霊能者とだけ付き合うべきです。

最高の霊能者とは、「霊界の道具」に徹する誠実な真理の実践者

高級霊は、霊的真理を理解し、霊界の道具として人生を捧げようとする地上人の登場を心から待ち望んでいます。霊的真理を受け入れ、高級霊界の手足となり道具となることのできる人間を求め続けています。もし地上人の中から「霊界の道具として働きたい!」との意志表明をする人間が現れるなら、高級霊はこぞってその人を援助するようになります。これによってその人間は、最高のスピリチュアル能力を持つことになります。たとえサイキック能力がなくても、無数の高級霊を援助者にして、他の霊能者の何十、何百倍もの働きをすることができるようになるのです。

高級霊が本物の道具として認めるだけの内容を持たないかぎり、本人がどれほど望んでも道具となることはできません。高級霊の道具となるためには、霊的真理を正しく理解し、それを忠実に実践し、人類に対する犠牲を厭(いと)わない精神と決意を持つことが不可欠です。その意味で、霊的真理を手にしたスピリチュアリストは、心がけひとつで良き霊界の道具となれるのです。私たちスピリチュアリストには、最高の霊能者となる可能性が与えられているのです。