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第4章 天使・妖精……霊界の存在者たち〈3〉

霊界にいるのは、地上を去った人間の霊ばかりではありません。人間の霊以外にも、別種の霊的存在がいます。それが天使や妖精です。天使や妖精の実態についてはスピリチュアリズムにおいても、そのほんの一部分が明らかにされているにすぎません。天使や妖精に関する内容の多くは、奥義(おうぎ)として秘密のベールに包まれています。

ここでは、これまでスピリチュアリズムによって示された範囲内で「天使や妖精」について見ていきます。

(一)天使

天使の使命・役割

天使は、神の造られた世界(神の王国)の役人として、その王国の運営と秩序の維持のために働いています。天使は、神の摂理(法律)の執行官として、摂理による神の王国の支配を現実に担当しています。また神のメッセンジャーとして、霊界にいる高級霊に神の意志を伝えたり、神の愛を人間に届ける役割も担っています。以上が天使の使命・役割です。

高級霊や守護霊などを“天使”という言葉で表現している霊界通信がありますが、厳密にはその役割も立場も全く異なります。人間の霊である守護霊や背後霊は、神の造られた因果の法則(カルマの法則・因果律)にそって、地上人の霊的成長を促すように働きかけます。

しかし天使がそうした役目につくことはありません。天使の使命・役割は、因果の法則それ自体を運行させ、摂理による支配を維持することです。天使はどこまでも神の王国の役人であり、人間はその王国の住人なのです。

天使の誕生と、霊的成長

天使は人間とは異なり、地上界(物質界)に誕生することはありません。霊界で生まれ、霊界から個別霊としての人生を出発します。人間は地上界の生活を通して霊的進化の道をたどりますが、天使は物質界との関わりを持たずに霊的成長をするようになっています。天使は人間のように地上へ再生する必要はなく、地上人の守護霊や背後霊となることもありません。このように天使は、人間とは異なる誕生と霊的成長のプロセスをたどります。進化のプロセスが人間とは全く違っているのです。

天使は、神の王国の役人・神の摂理の執行官としての使命を果たす中で、霊的成長をなすよう神によって定められています。すべての天使が、永遠の霊的進化の道を歩んでおり、一人ひとりの天使の霊的成長レベルは、それぞれ異なっています。このため天使の世界には、上級天使から下級天使に至る無限のランクが存在します。天使界は、霊的進化のレベルの違いに基づく厳格で壮大な上下組織・ヒエラルキーによって形成されています。霊界には、人間の霊のヒエラルキー以外にも、天使のヒエラルキーが存在しているのです。

天使の外形・姿

これまでの宗教では、天使を人間と同じような外形をした霊的存在と考えてきました。宗教画では、天使は翼を付けた人間のような姿で描かれました。実際、霊視能力のある人間には、天使が翼を持った霊的存在として見えることがあります。

しかし、それは天使が地上人の観念に合わせてこしらえた翼です。地上人が、「天使は鳥のように空を飛ぶための翼を持っている」と思い込んでいるため、それに合わせてわざわざ翼をつくって地上人の前に見せたのです。天使には、もともと翼はありません。翼を持たなくても自由自在に霊界を移動し、霊界の空間を飛び回ることができるのです。

地上生活を送る必要がない天使は、人間のような身体形式を持っていません。人間の霊は進化の果てに身体形式を超越しますが、天使は初めからそうした身体形式を持っていないのです。天使は無形のエネルギー体として存在し、“光源体”あるいは“色彩体”として個別性を示します。人間の前に現れるときのみ、人間に似た姿をとるのです。

天使の霊性と知性

天使には人間のような物質的な身体がないため、物欲や肉欲に“魂”が曇らされたり汚されることがありません。初めから純粋な汚れのない霊的存在として進化の道を歩んでいるのです。こうした天使を人間の側から見ると、光り輝く、眩(まばゆ)いばかりの神のように映ります。そのため古代から天使は、神々として信仰の対象に祭り上げられてきたのです。

天使は神から与えられた使命と責任を果たすため、すなわち神の摂理を維持し遂行するために高度な理性と能力を付与されています。また神と人間との仲を取り持ち、人間との交流やコミュニケーションをはかるために高度な知性も与えられています。

(二)妖精

妖精は、天使からの命令と愛を受け、自然界の造化の末端の仕事に従事しています。妖精は天使と同じように霊界で誕生し、しばしば“自然霊”と呼ばれます。妖精は霊的進化の程度では天使や人間よりも低い霊的生命体ですが、天使や人間と同じように、すべての妖精が永遠の進化の道をたどっています。

そのため妖精界には、霊的進化のレベルに応じて下位の妖精から上位の妖精へと無数のランクが存在し、それぞれに相応しい知性を持っています。また担当する仕事も、妖精界のランクに応じて与えられています。妖精(自然霊)の中で進化レベルの高いものは“デーバ”と呼ばれ、かなりの知性を備えています。心霊現象の演出には、このデーバが大きな役割を果たしています。

妖精は普段はエネルギー体として存在し、一定の形態を持ってはいませんが、時に光の点のように見えることがあります。妖精は地上の人間の観念に相応して、瞬間的に小さな人間や動物の姿をとることがあります。それが霊視能力の開けた霊能者に認識されることになります。また妖精は地上人からエクトプラズムを引き寄せて物質化するようなこともあり、その場合は地上人の肉眼でも見えるようになります。