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5章 あなたが大霊なのです

「霊的真理の威力が皆さん方を一堂に集めたのです。その場で各国の代表と協議を交わして、新たな力と新たな勇気を見出されました。これより新たな理解と新たな希望を胸に秘めて、それぞれのお国へ帰られるわけです」

これは九月のある日曜日の夜、ロンドンでの国際スピリチュアリスト連盟(※)の総会に出席した世界各国の代表の中から特別に招待された人々を前にして述べたシルバーバーチのメッセージの冒頭の言葉である。

――ISFの略称で呼ばれている国際組織で、二、三年に一度の割で不定期に開催されている。ちなみに第一回は一九二三年にベルギーで、第二回は一九二五年にパリで、第三回は一九二八年にロンドンで、といったぐあいに開かれ、これまでに十四回開催されている。第三回総会には日本から浅野和三郎が出席して演説し注目を集めた。ここで紹介されている総会が何年のことであるかは定かではないが、多分、ロンドンにおける二度目の総会のことであろう。

シルバーバーチは続けてこう語った。

「この物質の世界は、もうこれ以上、霊の声に知らんふりをし続けることはできません。今まさに大きな岐路に立っており、どっちの道を選ぶかの選択を迫られております。

キリスト教は失敗に終わりました。完全に行き詰まっております。科学者も裏切りました。建設するどころか、破壊する方向を選びました。思想家も頼りになりませんでした。何の意味もない空虚な思索にばかり耽っております。政治家も国民を裏切り、自分を犠牲にする覚悟なしには平和は訪れないという崇高な教訓を未だに学んでいません。絶望の果てに、大霊の子等は導きを叫び求めます。

わたしはここで、皆さんにはとてつもなく大きな信任が委託されているという認識を新たにしていただきたいのです。言いかえればそれは担わされた大きな責任でもあります。それを委託なさったのは、絶対に裏切ることのない、全生命の始源である大霊にほかならないのです。皆さんがその大霊の力によって動かされ、その叡智によって導かれ、その愛によって支えられてさえいれば、いかなる困難が生じても必ず解決策を見出すことができます。なぜなら、大霊の援護のもとで皆さんは、真の自我、本当の自分――おのれ一個の栄光を求めるに留まらず、人のために役立ちたいという願望をもつ、より大きな自我に目覚めていくものだからです。

地上世界は争いごとや恨み合い――いわゆる不協和音に満ちております。悲哀と悲劇と流血にあふれております。それでいてお互いが“我らに平和を!”と叫びます。

わたしは皆さんにぜひとも、内部に潜在する可能性を改めて認識していただきたいと思います。あなた方お一人お一人が大霊なのです。大霊の無限の力が皆さんの内部に潜在しているという意味です。それを呼び覚まし表に出せば、人間であるがゆえの束縛(しがらみ)を打ち破ることができるのです。

隠れた霊的資質を存分に発揮なさってください。ほかならぬ自分が無限の力を駆使できる大霊であることを自覚してください。そうすれば、今ゆっくりと暗い世界を照らしはじめた新しい時代の道具として活躍することができます。

物的世界のものでしかないものを頼りにしてはなりません。いかに高い地位の人であろうと、地上に住む人間を当てにしてはなりません。その向こうへ目をやりなさい。人類への愛のもとに、皆さんの人生を啓発するために届けられているインスピレーションをキャッチしてください。

勇気をもって前進してください。もとより、これからも多くの困難と多くの失敗は免れません。が、そういう時でもわたしたちが背後に控えていて、苦しい時には不屈の情熱を吹き込み、疲れた時には希望と力とを与え、意気消沈している時には精神を高揚してあげるための努力をします。決して一人ぼっちでいることはありません。大霊が使者を遣わして援助します。

皆さんはこれよりそれぞれに遠い土地へ赴かれるわけですが、大霊の力は決して分散されて弱まるわけではありません。同じ力がお一人お一人について行き、人のためになる仕事にたずさわっておられるかぎり、その威力を発揮いたします。

お一人お一人に大霊の祝福のあらんことを。そして皆さんを包み込んでいるその愛がいかに限りないものであるかを自覚なさらんことを。神々しい愛のマントに包まれていることを自覚されんことを、物質界の困難や試練やトラブルには超然とした態度で、常にその目を大霊のシンボルである太陽へ向けられんことを。

心には愛を、精神には知識を、霊には断固たる奉仕の覚悟を満たしてください。そうすれば大霊の意志が皆さんを通して顕現し、心が大霊の心と同じリズムで鼓動するようになります。すなわち大霊と一体となられるのです」

別の日の交霊会でシルバーバーチはスピリチュアリズムの真実性を確信した者の義務についてこう述べた。

「皆さんもわたしも、そしてわれわれに協力してくれる人はみな大霊の使者として、大霊の意志を行使せんとしているのです。われわれはよく誤解されます。往々にして最大の味方であるべき人が最大の敵にまわることがあります。が、そういうことにはお構いなく仕事を遂行します。そして大霊の目から見て正しいことをしているかぎり、物質の世界の何よりも強力な霊の勢力を呼び寄せることができるのです。

かくして、徐々にではありますが善が悪を征服し、正義が不正を征服し、正しいことが間違ったことを征服してまいります。地上の勢力の方が優位に立つことが時にはありますが、それも一時的なことであり、永久的なものではありません。

わたしたちは必ず成功します。何となれば、わたしたちの目的としているのは人類を現在の間違った状態から救い出し、人生を人のために役立てる方法を教えてあげ、そうすることで魂と精神の豊かさ、地上的なものではなく、より高い霊的なものにかかわる安らぎと幸せが得られることを意図しているからです」

「スピリチュアリズムの真理を地上世界に行きわたらせるにはどうしたらよいのでしょうか」

「サウロがダマスカスへ向かう途中で改心したような調子で(使徒行伝)地上世界を目が眩むような一瞬の閃光のもとに改心させるわけにはまいりません。霊的知識に目覚める者が増え、大霊の力が利用できる道具(霊媒・霊覚者)が増えるにつれて、真理の光が少しずつ浸透していくのです。

霊にかかわるものはキメの細かい熟成と進歩とを要することを忘れてはなりません。突然の改心は長続きしません。わたしたちの仕事は永続性を意図したものなのです。

大霊の道具となる人が一人増えるごとに、暗黒から光明へ、無知から知識へ、迷信から真理へと進む者が一人増えるごとに、地上世界は進化するのです。なぜなら、その一人ひとりが物質第一主義の棺(ひつぎ)に打ちこまれるクギだからです。

進歩にも二つの種類があることを知ってください。一つは精神的能力にかかわるものであり、もう一つは霊的資質にかかわるものです。前者は心霊的能力の発達であり、後者は魂の発達、霊性の進化です。霊性の進化を伴わずに心霊的能力だけが発達しても、低いバイブレーションの仕事しかできません。両者がうまく連動した時には、すぐれた霊能者であると同時にすぐれた人格者となります」

別の日の交霊会でもスピリチュアリズムの重大性を強調してこう述べた。

「こうした交霊会で行っている仕事がますます必要性を増しております。地上人類はその無明(むみょう)ゆえに大霊の摂理にのっとった生き方をしておりません。暗黒と絶望への道を選んでまいりました。

そこでわたしたちは、希望と光明と平和と調和をもたらす霊的知識をお届けするのです。無知な人たちからは軽蔑されます。せっかくお届けしたメッセージが拒絶されます。わたしたちに伴って降りてくる霊力の働きが無視されます。しかし、わたしたちの説いている真理は必ず地上世界に広まります。大霊の息がかかっているからです。

摂理に逆らった生き方をする人は、その当然の報いとして、辛い収穫を刈り取らねばなりません。摂理にのっとった生き方をしている人は、その当然の報いとして、物的側面だけでなく霊的側面においても幸せで豊かな収穫を刈り取ることができます。

暗い空気が支配している現実の中にあっても、決して希望を捨てることなく、人類の高揚のために皆さんとともに働いている霊界の同志たち、物質界を少しでも住みよいところにするために活動している勢力は、必ずや勝利を手にするとの確信をもってください。皆さんの味方は宇宙で最強の力なのですから。

ただし、価値あるものを手に入れるには必ず苦しみと悲しみとが伴うものです。物質の世界で得られる教訓にはそれなりの宿命的な入手条件というものがあることを知らないといけません。

わたしたちの勢力が今や物質界全体に浸透しつつあります。わたしたちのメッセージが地上各地の心ある人たちを啓発しております。そして、霊的光明が浸透していくにつれてその光が物質万能主義の暗闇を消滅させてまいります」

スピリチュアリズムの発展と普及にとっては、霊媒すなわち地上界と霊界のかけ橋となる通信回線のような存在は不可欠である。それでシルバーバーチは訴える――

「もっともっと多くの霊媒がほしいのです。いくらいても多すぎるということはありません。今のところ、すべての面で順調に事が進行しております。われわれの勢力は勝利へ向けて前進しております。

そして、ここで銘記していただきたいのは、それはただ単に霊的真理の勝利というに留まらず、霊的真理の普及に伴って自然発生的に生じるもの――自由・刷新・改革・改善・公正・進歩といった面での運動にとっての勝利でもあるということです。

わたしたちは霊的勢力である以上、その浸透はまず宗教界に影響を及ぼしますが、それがさらに人間生活のあらゆる分野に波及してまいります。それが地上各地で活躍している各分野の開拓者(パイオニア)に新たな霊感、新たな衝動、新たな情熱、新たな熱誠、新たなやる気を起こさせ、心機一転、ますます意欲を燃やして仕事に専念し闘いに挑みます。

かくして霊力が全身にみなぎり、かつ周囲を包むようになれば、反抗する暗黒の勢力は退却せざるを得ません。そこに進歩が生まれ、人類の歴史に新たなページが記されることになります。人のために一心で奮闘する人はみな、そうしたページを炎の文字で綴っていることになるのです。

これまで堅固に身を守ってきた既得権力も今や根底から崩れつつあることに自ら気づいております。その基盤は砂上に築かれていたのであり、執拗な真理の攻撃に耐えられるものではないからです。

これまで“正統派”といわれてきた伝統的慣行があらゆる分野において消滅しつつあり、代わって新しい“異端派”が勢力を伸ばしつつあります。と言うのも、“異端”と呼ばれていたものも実は、それまでに親しまれていなかったから物珍しく思われたというにすぎず、それもやはり真理であることに人々が気づきはじめたからです」

そう述べたあとシルバーバーチは、こうしたことは実はずっと以前、すなわち自分がこの霊媒を通じて霊言を送りはじめた当初から述べていたことで、一八四八年の米国でのハイズビル現象をきっかけとして、霊界からの大々的な働きかけがあったことに改めて言及してから、さらに――

「しかし忘れないでいただきたいのは、皆さん方のような地上での道具がなくては、わたしたちも何も為し得ないということです。皆さんはわたしたちに闘いのための武具を供給してくださっているようなものなのです。皆さんの力をお借りする以外に地上には頼りにすべき手だてが何もないのです。喜んでわたしたちに身をゆだねてくださる人以外に、道具とすべきものが無いのです。

その道具が多すぎて困るということは決してありません。こちらの世界では、使用に耐えられる人物の出現を今か今かと待ちうけている霊がいくらでもいるのです。

わたしたちの方から皆さんを待ち望んでいるのです。皆さんがわたしたちを待ち望んでいるのではありません。地上への降下を待ち望んでいる霊力には、その表現形式が無数にあります。種類も様式もおびただしい数があり、さらには、用意された通路に合わせて形態を変えます。

もっともっと多くの人材――これがわたしたちの大きな叫びです。いつでも自我を滅却する用意のできた、勇気と誠意と率直さにあふれた男女――霊力がふんだんに地上世界へ降下して人生を大霊の意図された通りに豊かさと美しさと光輝にあふれたものにするためならいかなる犠牲をも厭わない人材がほしいのです。

わたしたちの仕事は、人生意気に感ず、の気概なくしては出来ない仕事です。その仕事の尊厳に誇りを覚えて全身全霊を打ち込むようでなくては成就できません。かつては軽蔑されるのを恐れて霊的なことを口にするのを憚(はばか)った時代がありました。目立たないように一握りの人間が奥の部屋でこっそりと会を催したものでした。

が、今は違います。自分たちの信じたことが真理であったことを確信して、堂々とそれを説くことができます。なぜなら、その真実性を立証してみせたからです。もはや恥じ入ることなく自分の存在を主張し、霊的実在の福音を誇りをもって説くことができます。

霊の話を口にしたからといって軽蔑されることは、もう無くなりました。それは過去の無知な時代の話となりました。今日では皆さんが敬意を払われるようになりました」

次にカンタベリ大主教(※)がラジオ放送で組織としての宗教活動の重大性を訴えたニュースが話題となり、シルバーバーチがこう説いた。

――英国国教会はカンタベリとヨークの二大教区に区分されていて、双方に大主教が置かれているが、支配力としてはカンタベリ大主教の方が上。

「真の宗教は大霊の子に奉仕することによって大霊に奉仕することです。それには教会も司祭も牧師も聖なる書も――それによって奉仕の精神が植えつけられ同胞への愛を一段と強くすることにならないかぎり――必要ではありません。いつどこにいても人のために役立つことを心がけることです。同胞の荷を分かち合うのです。それが宗教です。

何度聞かれても、わたしは皆さんの多くが直観的に、ないしは理性と論理を通して理解しておられる、こうした単純な真理を繰り返すしかありません。わたしは(三千年前に地上を去って以来)これまでに霊界の高い界層で学んできた真理をお届けしているのです。すべての住民が実在を目(ま)のあたりにし、原因と結果の関係が瞬時にしてわかり、他の存在のために自分を役立てることが多い人ほど高級とされる、そういう世界からお届けしているのです。

そこでは地上で通用した仮面や偽装のすべてが剥(は)ぎ取られ、魂の正体が素っ裸にされ、長所と短所とがすべての人に知れてしまうのです。真価が知れてしまい、虚偽が存在せず、不公平が見当らない世界、そういう世界からわたしは来ているのです。貧乏人もいません。金持ちもいません。いるのは霊的に貧しい人と、霊的に豊かな人だけです。強者も弱者もいません。いるのは魂が強靭な人と、魂が虚弱な人だけです。

地上世界で有り難がられ崇められていたものすべてが過去のチリとなり果てたあとは、永遠の霊的実在のみが残り続けるのです」

そう述べてからシルバーバーチは、自分も宗教へ帰れという呼びかけはするが、それは萎びはてた教義や仰々しい儀式の宗教のことではなく、“人のため”の宗教へ帰れということだと説いてから、さらに――

「皆さんへのメッセージとしてわたしが何よりも強調したいのは、この新しい幕開けの時代に生きておられる皆さんには、大いなる貢献のチャンスがあるということです。地上界を見渡してごらんなさい。悲劇と絶望、悲哀と苦悩、涙にぬれた顔、顔、顔が見えるはずです。何とかしなければならない分野がいくらでもあることに気づかれるはずです。まだまだ無知がはびこっています。まだまだ権力の悪用が跡を絶ちません。改めなければならない偏見がいたるところに見受けられます。

飢餓に苦しむ人、飢え死にしていく人、食べすぎて病気になっている人、栄養失調で苦しむ人、こうした人が大勢いることに気づかれるでしょう。痛みに苦しめられて、内部の大霊の力を発揮できずにいる人が大勢いるのです。クリスチャンと名のる人のすべてが恥を知るべき(※)貧困と苦悩、人間の住居とは思えないあばら家が目に入りませんか。

また、地上世界も地上天国とすることができる――平和と豊かさに満ちた楽園となるための可能性を十分に秘めていながら、そこが利己主義の雑草で足の踏み場もなくなっているのです。

わたしたちは皆さんに奉仕への参加を呼びかけます。自分の利得損失を忘れ、霊的なものをこの世的な打算に優先させ、お一人お一人が生命の大霊の使者となっていただきたいのです。

お一人お一人が改善の仕事を引き継ぎ、快活さと楽しさとを忘れてしまった人たちにそれを取りもどさせ、涙を拭いてあげてその顔に笑みをもどしてあげ、無知と迷信と闘って正しい知識と置きかえ、暗黒を駆逐して霊的真理の光で照らし、心配・悲嘆・病気のすべてを無くして愛がすべてを支配する世の中にすべく、それぞれに努力していただきたいのです」

――ここは、キリスト教では大聖堂のような豪華な建造物をこしらえ、それが近所の住民の日照を奪っているのに、その内部では聖職者が労働もせずに食うに事欠かない生活をしていることを念頭に置いて述べていることが、別の日の交霊会での霊言から察せられる。

最後に、こうした霊界通信の受け止め方について言及して――

「わたしたちは脅し文句で信じさせるような方法は採りません。あとの仕打ちが怖いから信じるというような、情けない臆病者にはしたくありません。反対に、各自の自我の内奥に神性が宿されている事実を自覚させ、それを少しでも多く発揮するように、言いかえれば霊的により高く向上して、より高度な真理と叡智とを身につけていただきたいと願っているのです。

今までに身につけたものでは物足りなく思うようであってほしいという言い方もできます。不満を抱くことからより高い知識を得たいという願望が生まれるからです。現状に満足する者はそこで進歩が止まります。満足しきれない者はより大きな自由を求めて葛藤するものです。

ですから、わたしは“理屈を言わずにただ信じなさい”とは申しません。“大霊から授かった理性を存分に使ってわたしを試しなさい。大いに吟味しなさい。そして万一わたしの言うことに下品なこと、酷(ひど)いこと、道徳に反するようなところがあったら、どうぞ拒否してください”と申し上げています。

又こうも申し上げています。“わたしたち霊団は皆さんが気高い生活、より立派な自己犠牲と理想主義に基づく生活をしていただきたいとの願望からメッセージを送っている以上、その教えには必ずや大霊による〈正真正銘〉の折り紙がつけられているはずです”と。

この大事業に直接たずさわっているわれわれが気をつけなければならないのは、かつては大変な啓示に思えたものが次第にごく当り前のことに思えてきて、そこに感動を覚えなくなることです。しかし、永いあいだ暗闇の中に閉じ込められていた者にとっては、ホンのわずかな真理の言葉でも目が眩むほどの感動的な光に思えることがあるのです。

そういう人をたった一人でも向上させ、喪の悲しみの中にいるたった一つの魂に慰めを与え、気落ちしているたった一人の人間に希望を与え、人生に疲れた孤独な人に生きる力を与えてあげることができたら、それだけで十分に価値ある仕事をしたことになるのではないでしょうか。

大言壮語をして俗受けを狙うのも結構です。が、その一方には、古い教義に縛られて身動きが取れなくなっていながら、魂の奥では自由を叫び求めている人がおり、そういう人たちにとっては大言壮語がかえって混乱と当惑と動揺を呼ぶことになることを忘れてはなりません。

わたしたちのメッセージはそういう人たちを意図したものなのです。それまでに到達できなかったものを得んとして努力する、その励みを与えてあげたいのです。しょせん真理とは次のより高い真理への踏み台にすぎないのです」

「本当にそうだと思います」と列席者の一人が述べると――

「わたしには確信があるからそう申し上げるのです。確信がなかったら申し上げません。しかしなおわたしは、謙虚な気持で改めてこう申し上げます――もしも幸いにしてこの霊媒の口を借りて語りかけることを許されているこのわたしの述べることの中に、皆さんの理性を反発させること、大霊の愛の概念と矛盾すること、愚かしいこと、知性を侮辱するようなことが出るようになったら、それはもう、このわたしの時代が終わったこと、つまりわたしの仕事が挫折したことを意味します、と。

とは言え、これまで何度となく申し上げてきましたように、わたしはこれまでにただの一度も、人間の魂が求める最高のものと矛盾するようなことは口にしていないと確信します。ひたすら皆さんの内奥の最高のものに訴えんとしてきているからです」

別の日の交霊会で霊団の仕事を次のように説いている。

「わたしたち霊団の仕事は、れっきとした目標をもったもの、意義のあるものを地上へもたらすことです。それは、一方においては厳然たる摂理の存在を証明することであると同時に、他方においては慰めを与え霊的知識を広めることでもあります。物理的法則を超えた霊的法則というものが存在することを明らかにすることであると同時に、宇宙の大源である“霊”の真理を明かすことでもあります。

そうした仕事の前に立ちはだかるものとして、途方途轍もない“誤った概念”があります。何世紀にもわたって引き継がれてきたものを解体しなければなりません。“教義”を土台として築き上げられた間違いだらけの上部構造を破壊しなければなりません。

わたしたちは物質の子等がいかにして魂の自由を獲得し、いかにして霊的真理の光に浴し、いかにして教義の足枷を解きほどくかをお教えしたいと思っているのです。もとよりそれは容易な仕事ではありません。なぜなら、いったん宗教の虚飾に目を奪われたら最後、霊的真理の光がその厚い迷信の壁を突き通すまでには大変な時間を要するものだからです。

そこでわたしたちは霊的真理の宗教的意義を解き明かすことに努力します。地上世界にその霊的意義の理解が行きわたれば、戦争や流血による革命よりはるかに強大な革命が生まれます。

それは魂の革命となるでしょう。そして世界中の人間が霊的存在としての当然の権利、すなわち霊としての自由を満喫する権利を主張するようになることでしょう。それまで足枷となっていた無用の制約が取り払われることでしょう。

あなた方はその先駆者(パイオニア)なのです。道を切り開き、障害を取り払い、後から来る人たちが楽に通れるようにしてあげるのです。本来ならそれを援助すべき立場にある者(既成宗教の聖職者)が霊的無明ゆえに敵にまわっております。が、それは自らを破滅へ追いやる行為です。

わたしたちが忠誠を尽すのは一個の教義でもなく、一冊の書物でもなく、一つの教会でもなく、生命の大霊とその永遠の摂理なのです」

祈り

ああ、真白き大霊よ。

あなたの無窮性、あなたの叡智、あなたの愛の豊かさ、あなたのインスピレーションの無上性をいかなる言葉に託すればよろしいのでしょうか。限りある物質の身体に包まれている地上の子等に、果てを知らず窮まることを知らない存在であるあなたを、いかに説き聞かせればよろしいのでしょうか。

これまで(キリスト教によって)嫉み深くて残虐性を好み、復讐すらしかねない神(ゴッド)として“啓示された”と説かれてきたあなたを、わたしたちはどう啓示すればあなたの真実の姿を伝えることができるのでしょうか。

あなたは全生命の大霊にあらせられ、大自然のあらゆる現象を通して息づき、宇宙間の一つ一つの生命の中に顕現しておられます。

わたしたちは、これまでに賜ったあなたについての知識、物的波長を超越し物的ベールを突き通す目をもって霊的真理を見ることのできる者に授けられた叡智を有り難く思います。より次元の高い波長を捉えることのできる耳によって、あなたから届けられる啓示を聞き、かつ又、愛と叡智と公正の権化としてのあなたを説くことができますことを、うれしく存じます。

ああ、神よ。

幾世紀にもわたって、いつの時代にもあなたの使者をよろこんで迎え入れる者を地上に用意してくださってきたこと、そして又、地上にいてその暗黒の土地にあなたの真理を広め、無知と迷信のはびこる場所にあなたの光と知識とをもたらすための道具として、あなたのインスピレーションを的確に捉えることのできる者を用意してくださったことを有り難く存じます。

あなたの霊力の数少ない証言者として、あなたの子等を高揚し改革し感化し、地上世界の子等にとって適切な住処(すみか)とするために尽力してきた人々の存在を有り難く思います。

又わたしたちは、この度あなたが再び悲劇と苦悩と悲哀に満ちた地上世界に、あなたの真理をもたらすための仕事をわたしどもに託してくださったこと、そして、あらゆる混乱と錯乱の中にあって、子等を自らこしらえた泥沼から引き上げてあげる用意のできた者があなたの霊力によって満たされ、あなたの使者に守られてその霊力を行使できることを、うれしく存じます。

すべての宗教の本来の遺産であるべき霊的摂理に関する知識を地上へもたらさんと努力しているわたしたちは、二つの世界の間であなたの力が存分に往き来することを妨げるものすべてが排除され、迷信と無知と偏見と狭量と頑迷のベールが剥ぎ取られ、子等があなたの霊的真理の光の中に立つことができますよう祈ります。

願わくば子等が今あなたによってこの地上に置かれている目的、あなたから託されている仕事を認識し、その理解のもとに、お互いがお互いのために役立つことをするという形での生活に徹し、戦争のすべて、戦争のうわさ(予言)のすべて、恐怖心のすべて、敵意のすべて、暗黒のすべてを駆逐し、平和と豊かさに満ちた御国を招来することができますように。

ここに、子等に仕えることによってあなたに奉仕せんことを願う、あなたの僕インディアンの祈りを捧げます。