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2章 交霊会の目的

〔それにしても一体、シルバーバーチのような高級霊がわざわざ地球圏へ戻ってきて人類を啓発しようとする、その理由は何なのか。それについてはシルバーバーチは単純明快に、それは現在の地上人類にとって最も欠けているもの、裏返せば最も必要としているものは霊的真理についての正しい理解だからだという。では、交霊会の本来の目的についてシルバーバーチの説明を聞いてみよう〕

私は、他の同僚と同じように、さる筋から物質圏での仕事の要請を受けました。その仕事というのは、自分たちの住む地球もろとも破滅へ追いやることばかりをしている人類を救済することでした。

それをお引き受けした私は、以来ずっと皆さんとともに仕事をし、今なおこうして努力しているところですが、その目的とするところは、人間は地上を去っても同じ大霊の懐の中にあって、より高い波動の界層において、より生き甲斐のある生活を営むことになることを人間の得心の行く形で証明し、究極的には今地上で生活している人々すべてが、居ながらにして大霊の一部であることを理解していただくことです。

もっとも、そうした目的で私たちが奮闘している一方には、肝心のこうした教訓よりも枝葉末節のどうでもよいことを詮索することに関心を向ける人が少なくありません。例えばシルバーバーチを名乗っているこの私が一体何者なのか、どの民族に属していたのかといったことです。同じメッセージが地上人類の「白人」と呼ばれている人種から届けられようと「黒人」と呼ばれている人種から届けられようと、黄色人種から届けられようとレッド・インディアンから届けられようと、そんなことはどうでもよいことではないでしょうか。大霊の摂理を届ける者がかつて高い学歴を持っていた人間であろうとなかろうと、要は摂理でありさえすれば、つまり正しい真理であれば、それはどうでもよいことではないでしょうか。

旧約聖書に「狼は仔羊とともに住み、豹は仔山羊のそばに横たわり、仔牛と小獅子が仲良く食み、幼な子がそれらを導く」(イザヤ書十一)とあります。賢(さか)しらぶった人間の愚かな知恵を棄てて幼な子のごとき無邪気さに立ち戻るまでは、この地上にあっても、あるいは私たちの世界へ来ても、大した向上進化は得られません。地上の人間は大霊が授けた太陽と同じ七色の肌に上下の差をつけたがります。肌色だけを見て、霊性においては一つであることを知らずにいます。

人間はなぜ戦争をするのでしょうか。それについてあなた方はどう思いますか。なぜ悲劇を繰り返すのか、その原因は何だと思いますか。なぜ人間の世界に悲しみが絶えないのでしょうか。

その最大の原因は、人間が物質によって霊眼が曇らされ、五感という限られた感覚でしか物事を見ることが出来ないために、万物の背後に絶対的統一原理である大霊が宿っていることが理解できないからです。宇宙全体を唯一絶対の大霊が支配しているということです。ところが人間は何かにつけて“差別”をつけようとします。そこから混乱が生じ、不幸が生まれ、そして破壊へと向かうのです。

前にも申した通り私たちは、あなた方が“野蛮人”と呼んでいるインディアンですが、あなた方文明人が忘れてしまった大霊の摂理を説くために戻ってまいりました。あなた方文明人は物質界にしか通用しない組織の上に人生を築こうと努力してきました。言い変えれば、大霊の摂理から遠くはずれた文明を築かんがために教育し、修養し、努力してきたということです。

人間世界が堕落してしまったのはそのためなのです。古い時代の文明が破滅してしまったように、現代の物質文明は完全に破滅状態に陥っています。その瓦礫を一つ一つ拾い上げて、束の間の繁栄でなく、永遠の霊的摂理の上に今一度築き直す、そのお手伝いをするために私たちは戻ってきたのです。それは私たち霊界の者と同じく物質に包まれた人間にも、大霊の愛という同じ血が流れているからにほかなりません。

こう言うと、中にはこんなことをおっしゃる人がいるかも知れません。「いや、それは大きなお世話だ。われわれ白人は有色人種の手を借りてまで世の中を良くしようとは思わない。白人は白人の手で何とかしよう。有色人種の手を借りるくらいなら、不幸のままでいる方がまだマシだ」と。

しかし、何とおっしゃろうと、霊界と地上界とは互いにもたれ合って進歩して行くものなのです。地上の文明を見ていると霊界の者にも為になることが多々あります。私どもは霊界で学んだことをあなた方にお教えしようと努め、同時にあなた方の考えから成る程と思うことを吸収しようと努めます。その相互扶助の関係の中にこそ地上天国への道が見出されるのです。

そのうち地上のすべての人種が差別なく混じり合う日が来るでしょう。どの人種にもそれなりの使命があるからです。それぞれに貢献すべき役割があるからです。霊眼をもって見れば、すべての人種がそれぞれの長所と、独自の文化と、独自の体系的知識を持ち寄って調和の取れた生活を送るようになる日が、次第に近づきつつあるのが分かります。

ここに集まったあなた方と私、そして私に協力してくれている霊たちはみな、大霊の御心を地上に実現させるために遣わされた“使徒”なのです。私たちはよく誤解されます。同志と思っていた者がいつしか敵にまわることがしばしばあります。しかし、だからといって仕事の手をゆるめるわけには行きません。大霊の目から見ていちばん正しいことを行っているが故に、地上に存在しないエネルギーの全てを結集して、その遂行に当たります。徐々にではあっても必ずや善が悪を滅ぼし、正義が不正を駆逐し、真が偽を暴いていきます。時には物質界の力にわれわれ霊界の力が圧倒され後じさりさせられることがあります。しかし、それも一時のことです。

われわれはきっと目的を成就します。自ら犯した過ちから人類を救い出し、もっと高尚で、もっと気の利いた生き方を教えてあげたい、お互いがお互いのために生きられるようにしてあげたい、そうすることによって魂と霊と精神を豊かにし、この世的な平和や幸福ではなく、霊的に高尚で価値あるものを得させてあげたい、そう願っているのです。

それは大変な仕事ではあります。が、あなた方と私たちを結びつけ一致団結させている絆は神聖なるものです。どうか、父なる大霊の力が一歩でも地上の子等に近づけるように、ともに手を取り合って、大霊の摂理の普及を阻もうとする勢力を駆逐して行こうではありませんか。

こうして語っている私のささやかな言葉が少しでもあなた方にとって役に立つものであれば、その言葉は当然、それを知らずにいるあなた方以外の人々にも、私がこうして語っているように語り継がれて行くべきです。自分が手にした真理を次の人へ伝えてあげる――それが真理を知った者の義務です。それが摂理なのだと私は理解しております。

私とて、霊界生活で知り得た範囲の摂理を英語という言語で語り伝えているに過ぎません。それを耳にし、あるいは目にされた方の全てが私の解釈の仕方に得心が行くとは限らないでしょう。しかし忘れないで下さい。私はあなた方とはまったく次元の異なる世界の人間です。英語という言語には限界があり、この霊媒にも限界があります。ですから、もしも私の語った言葉が十分に納得できない時は、それは、あなたがまだその真理を理解する段階に至っていないか、それともその真理が地上の言語で表現しうる限界を超えた要素を持っているために、私の表現の仕方が十分にその意味を伝え切っていないかの、いずれかでしょう。

しかし、私はいつでも真理を説く用意ができております。地上の人間がその本来の姿で生きて行くには、大霊の摂理、霊的真理を理解する以外にないからです。盲目でいるよりは見える方がいいはずです。聞こえないよりは聞こえた方がいいはずです。居眠りをしているよりは目覚めているほうがいいはずです。皆さんとともに、そういった居眠りをしている魂を目覚めさせ、大霊の摂理に耳を傾けさせてあげるべく努力しようではありませんか。それが大霊と一体となった生き方への唯一絶対の道だからです。

そうした生き方ができれば身も心も安らぎを覚えることでしょう。大宇宙のリズムと一体となり、不和も対立も消えてしまうでしょう。それを境に、それまでとは全く違った、新しい生活が始まります。

知識は全て大切です。これだけ知っていれば十分だ、などと思ってはいけません。私の方では知っていることを全部お教えしようと努力しているのですから、あなた方は吸収できる限り吸収するよう努めていただきたい。こんなことを申し上げるのは決して私があなた方より偉いと思っているからではありません。知識の豊富さを自慢したいからでもありません。自分の知り得たことを他の人々に授けてあげることこそ、私にとっての奉仕の道だと心得ているからにほかなりません。

知識にも一つ一つ段階があります。その知識の階段を一つ一つ昇って行くのが進歩ということですから、もうこの辺でよかろう、と階段のどこかで腰を下ろしてしまってはいけません。人生を本当に理解する、つまり悟るためには、その一つ一つを理解し吸収して行くほかに道はありません。

このことは物質的なことに限りません。霊的なことについても同じことが言えます。と言うのは、あなた方は身体は物質界にあっても、実質的には常に霊的世界で生活しているのです。従って物的援助と同時に霊的援助、すなわち霊的知識も欠かすことが出来ないのです。ここのところをよく認識してください。あなた方も実質的には霊的世界に生きている――物質はホンの束の間の映像に過ぎない――これが私たちからのメッセージの根幹をなすものです。

そのことにいち早く気づかれた方がその真理に忠実な生活を送ってくだされば、私たちの仕事も一層やり易くなります。霊界からのメッセージに耳を傾け、心霊現象の中に霊的真理の一端を見出した人々が小さな我欲を棄て、高尚な大義のために我を犠牲にしてくだされば、なお一層大きな成果を挙げることが出来ましょう。

人間の一人一人が尊い存在であることは言うまでもありませんが、その個人を通して授けられる知識やサービスは無限です。これまで私たちが成し遂げてきたものは、これから成就可能なことに比べれば、ホンのささやかなものでしかありません。大霊の働きに“限界”というものはありません。地上界へ届けられる叡智にも、インスピレーションにも、霊的真理にも、限りがないのです。地上界を満たすべく用意されている強烈な霊力にも制限というものがありません。あとはそれを届ける通路としての、良質の道具が用意されさえすればよいのです。