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10.動物の死後は?

動物愛好者にとって愛するイヌ、ネコ、子馬たちとの死別は、身内の人間の死と同じくらい悲しい出来事である。もし自分が死んであの世に行ったとき彼らがいないとしたら、そこでの生活は寂しく悲しいものに思われるであろう。

「ウィルモット」からの通信内容は、これまでのものとは少々趣(おもむき)が異なっている。あの世に行ったとき、愛する動物たちやペットが迎えてくれることほど嬉しくてびっくりすることはない。地上時代のジョージ・ウィルモットは結婚生活の失敗者で二度の離婚を経験している。その彼が他界後、愛馬ジェニーの出迎えを受けたとき、飛び上がらんばかりに驚いたのは言うまでもない。

愛馬との出会い

(ウィルモット霊)

ジェニーは私の三十代前半に馬車を引いていました。そのジェニーが年老いて死んだとき、私は本当に嘆き悲しみました。ジェニーは私にとって、どんな女性よりも親しくいとしい存在でした。私は心からこの馬を愛していました。ジェニーは私の言うことをすべて分かってくれました。私はこれまで、この馬ほどいい馬に会ったことがありません。本当にいい馬でした。

私はこちらの世界にきて目覚め、気がついたとき、地上の野原のような所にいました。木の下にいました。するとジェニーが私の方にやってくるのが見えました。ジェニーだ!

ジェニーは若く見えました。そしてとても幸せそうに見えました。私は何と言っていいか分かりませんでした。それは全く説明のできないことでした。

さらに驚いたことに、ジェニーが私に語りかけてきたのです。本当に不思議なことです。声は聞こえませんが確かに話しかけてくるのが分かるのです(皆さんは馬が話をするなんて思いもよらないでしょうが)。しかしそうしたことが本当に起きたのです。ジェニーが私に語りかけ、私を歓迎してくれているのが分かりました。ジェニーは私の近くにきました。そして私の顔をなめ回しました。私はこのときの感動を永遠に忘れることができないでしょう。私はぞくぞくするほど嬉しく思い、ジェニーの体を軽く叩き続けました。

ガイドの「マイケル」

そのとき私の後ろから人の声がしました。私が振り返るとそこに美しい男性が立っていました。彼は背丈が六フィートほどで金髪で若く見えました。彼が言いました。

「私はあなたのお世話をするためにきました」

「私の世話をする? いったい何を言っているのですか?」

「そうです。私があなたのお世話をいたします。私はあなたの担当を仰せつかったのです」

「私の担当とはどういう意味ですか? 私は人に世話をしてもらわなくても自分のことはいつも自分でしています」

「あなたはご自分が死んだことが、まだ分かっていらっしゃいませんね」

私はそれを聞いて雷に打たれたようなたいへんなショックを受けました。そして突然、思い出しました。ジェニーはずっと昔に死んでいること、ジェニーの死後、他の小さな馬を飼ったことを思い出したのです。その子馬もいい馬でしたが、ジェニーにはとても比べられません。彼はまた言いました。

「あなたは死んだのですよ」

しかし私は、彼がどうしてそんな冗談を言うのか分かりませんでした。

それから彼が私に何かを見せようとしていることが分かりました。すると突然、ベッドに横たわっている自分の姿が見えました。私の体は堅くこわばっていました。それから数人の人たちが私の体を手押し車に乗せて外に運び出しました。私はその手押し車の後について行きました。そこですべてのシーンが消え去りました。このシーンを私に見せてくれたのが彼なのかどうか、本当のところは分かりません。おそらく彼が見せてくれたのだと思いますが……

私はもとの所に戻りました。もちろんそこには彼もいました。

「私の名前は『マイケル』です。あなたはご自分が死んだことが分かりましたか?」と彼は言いました。

「私はどのように考えたらいいのか分かりません」と答えました。

「もうお分かりでしょう。今見たのはあなたの死体です。あなたは病院で亡くなったのです」

「そういえば私はひどい病気で病院にいたことを思い出しました。しかし、どうして私が死んでいるなんて言えるんでしょうか? 私は今ここで、あなたと話をしているではないですか。そしてジェニーとも会いました」

「ジェニーと会ったということが、あなたが死んでいる証拠ではないですか」

「ジェニーと再会できたのは不思議です。もし私が、あなたが言うように本当に天国(死後の世界)にいるなら、そこで馬に会えるとは思えませんが……。動物には魂がないのですから」

「それは地上で言われていることで事実ではありません。これまで動物は物質世界で生きるのみで永遠の生命はないと教えられてきました。しかしそれは間違いです。ジェニーはあなたと深く結ばれ、あなたが強い愛情を持っていたために寿命を延ばすことができたのです」

私には彼の言った“寿命を延ばす”ということの意味が全く理解できませんでした。

「あなたがその馬に愛情を抱いているかぎり、その馬はこちらの世界で存在することができるのです。人間は動物に対する責任を自覚していません。私はこちらにきて何百年もたちますが……

彼がそう言ったとき、私は彼の顔をもう一度見てみました。私の理解を超えたことですが、その男性は何百歳も年を取っているにもかかわらず、とても若く美しくスマートに見えました。私はこの男性には逆らえないと思いました。

「時間がありません。私はここに何百年もいます。私の責任と仕事は動物の世話をすることです。私はよく地獄に降りて行きます」と彼は言いました。

私は彼が言う“地獄”とはどういう意味かと思いました。昔から宗教で言われてきた地獄(hell)という意味かと思いました。

「私が言う“地獄”とは、地上の人間たちが動物を自分の所有物のようにして飼っている所のことです。私は動物たちを助けようとしました。しかし私たちにできることには限界があります。こちらの世界では動物たちは広い土地で楽しく過ごしています。愛と思いやりが満ちあふれ大切にされています。

地上の人間は愚かにも考え違いをしています。人間だけが永遠に生きる資格を持っているのだと思っています。さらに真理を教えなければならない宗教者までもが、そうした間違った考え方をしていて、その考えを改めようとしないのです」

それから彼は、こちらの世界について多くのことを語ってくれました。私は彼の話に興味をそそられました。しかし彼が話している間、その話を聞きながらも半分、自分自身のことを考えていました。私は、すでに死んでいるならこれから何をしていったらいいのだろうか、などと考えていました。自分のことやこれから先のことが頭から離れませんでした。

「いつまでもここにいてはいけません。さあ行きましょう」

「分かりました」

私は彼と並んで歩いて行きました。そして野原を通って小さな門を過ぎ道路のような所へ出ました。そこはまるで地上の田舎のようでした。私たちはどんどん歩いて行きました。

ウィルモットはあの世で、生前自分の愛した動物に再会した。同じような体験者は他にも大勢いる。「テリー・スミス」はイギリス巡洋戦艦フッドが沈没したとき溺れ死んだが、彼があの世の家に案内されて最初に驚いたことは、黒ネコがイスに座っていたことであった。

あの世の黒ネコ

(テリー・スミス霊)

突然このネコは、とても面白いことをし始めました。イスから飛び降り私の所にきてお座りをし、耳を立てて私を見上げました。そのネコは鳴きもしませんでしたし、地上のネコのように騒いだりもしませんでした。そして驚いたことに私に話しかけてきたのです。私が飛び上がるほどびっくりしたことはお分かりでしょう。

ガイドの女性は言いました。

「心配しないでください。すぐに分かることですから。こちらの世界では動物は能力をたいへん進歩させ、自分の意志を伝えることができるのです。もちろん地上でもある程度は同じようなことができるでしょうが、動物の話を聞くというようなことはできなかったはずです。地上では動物は、われわれ人間が理解できる言葉を持っていませんでした。しかしこちらでは動物たちの考えは大気を振動させ、私たち人間がそれを聞き取ることができるのです。そのようにして人間は動物の考えを知ることができるのです」

突然、目の前のネコは「こんにちは」と言いました。こんなことはとても考えられないことです。ネコが「こんにちは」などと言うはずがありません。私も、まさかネコがそんなことをするなどとは思ってもいませんでした。

「心配しないでください。じきに慣れるでしょう。動物は人間が思っている以上に、ずっと繊細なのです。そして彼らは彼らなりの知性を持っています。彼らは自分たちの考えを伝えたり受け取ったりできるのです。彼らは地上でしていたより、はるかに多くの情報を伝え合っているのです。そのことはやがて分かるようになるでしょう」

私はそれは本当のことだと思いました。そしてその黒ネコが、「こちらで幸せな生活が送れますように」と言っているのが分かりました。それからネコはもとのイスに戻って丸くなり眠ってしまいました。

しばらくして、ガイドは私を初めて村の散歩に連れ出しました。その散歩の目的は、こちらにいる他の人々に会うことでした。私たち二人だけで行ったのではありません。動物たちも私たちの後についてきました。私たちが家を出ようとするとネコも起き上がって一緒についてきました。それはまるでネコというより犬が飼い主の後について行くようでした。

「おいで、ついてきなさい」と彼女は言いました。そしてそのネコを「ネリー」と呼びました。「ネリーというのはネコにしては面白い名前だ。これまでネリーなどというネコの名前は聞いたことがない」と思いました。

「あなたはネリーという名前を面白いと考えていらっしゃいますね」

「私は今まで、そういう名前は聞いたことがないのです。なぜその名前で呼ぶのですか?」

「ネリーは私の母がつけた名前です」

「あなたのお母さんがつけた! するとそのネコは今、いったい何歳になるんですか?」

「地上の年齢にすれば、だいたい六十歳ぐらいです」

あの世での動物の様子

ジョージ・ホプキンス(スセックスの農夫)も、やはりあの世で愛犬との再会を果たし、大喜びをした一人だった。彼の愛する犬は彼のまわりを跳び回り、しっぽを振ったり飛びついたりした。彼は他にも興味ある話をしてくれた。

グリーンがいつものように質問した。

「あなたは今、そちらで何をしているのですか?」

「私は今、家畜にとても興味があります」

「あなたはそちらでも家畜を飼っているのですか?」

「馬を飼っています。私はずっと動物が好きでした。特に馬が好きでした。こちらには美しい牧場や野原があります。そして地上と同じような動物たちがいます。こちらの動物たちは、みんなのびのびと自然のままに生きています。彼らを殺す人間はいません。また、私はこちらで美しい庭を持っています。私はそれがとても気に入っています。私は庭を歩いたり馬に乗ったりするのが好きです。私は地上時代、農場で働いていたのに、乗馬のチャンスは不思議なほどありませんでした。私はこちらの世界で乗馬ができるとは思ってもいませんでした」

「あなたは動物が人間のような高い意識レベル(高度な思考能力)を持っていると思いますか?」とグリーンが聞きました。

「持っていますとも! 断言できます。地上の人間は動物の知性を過小評価しています。動物たちは彼らなりの感情や情緒を持っています。多くの動物はかなりの知性を持っているのです。

地上では、食用のために動物を殺すことについての是非を問う激しい議論がなされていることは知っています。それについて私は詳しいことは知りませんが、今、私は“肉食習慣”は不必要だと考えています。食料を得る方法は他にいくらでもあるからです。いずれにしても動物の肉を食べるのはよいことだとは思いません。それが人類によい結果をもたらすとは思いません。動物も人間同様“生きる権利”を持っているのです」