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の謎??>
東京シャープの”世界の艦艇シリーズ”は、全4種からなっている。
1.大和 2.武蔵 3.インディアナポリス 4.アレン・M・サムナ の展開である。
これらは,旧ロゴのキャラメル箱オリジナルで¥50。 後に新ロゴに変わり、
箱を一回り大きくして再販となった。
1.大和 2..武蔵 は当然のなりゆきといえるが、3・4の米艦の選定理由はわからない。 私は アレン・M・サムナ
なる艦がある事をこのシリーズで知った。 まあ、形状が米艦らしいといえばらしいが・・・・。
下の画像でも分かるように、模型問屋から一般の模型屋に卸されるセット箱で保存されている。外箱はボロボロで
あるが、そのおかげで中の小箱はパーフェクトの状態で今も残っている。
こういう状態なので、あえて外箱を開けて中をチェックする様な事はしなかったが、最近開けてみて
あれっ? っとある点に気づいた。
まず、中身の構成であるが、 大和・3箱、武蔵・9箱、アレン・M・サムナ・8箱 計20箱。
ん・・・・、NO3の インディアナポリスがない。 なぜ?
でもこの構成が工場出荷時のままとは限らないし、店の売れ残りの可能性の方が高い。
インディアナポリスがないのはそれが特に子供達に人気があったということではなく、
もともと生産数が少なかったとみるのが適当であろう。
同じ米艦なら、誰も駆逐艦より巡洋艦だよね。
再販品 ¥100
右が再販品であるが、これの凄いのはオリジナルが箱も組立図も駆逐艦となって
いるのに対し、再販品の方は何と箱にアメリカ海軍巡洋艦と変更してしまった点である。
CRUISER ALLEN M SAMNA である。でも、アレン・M・サムナは駆逐艦です。
当時から日本人の商魂のたくましさは折り紙つきということでしょう。21世紀に入って
外国産がどうの国内産がどうのこうのなど、可愛いものかもしれない。
とにかくシャープはここで駆逐艦を巡洋艦にすりかえて、販促をかけてきたわけです。
ただ悲しいことに組説はオリジナルをそのまま使用したため、 駆逐艦 アレン となって
しまっている。 トホホ。
ま〜、もともとノンスケールだし大和もアレンも同じ大きさだし、その出来がどうのこうの
という品ではないが、今のようにはめ込み式ではなく全て接着するモデルであった点は、
セメダインをはみ出させ指紋だらけにしながらも子供モデラーのレベルアップに貢献した
という事実は素直に評価したい。
当時、子供達にとって確かに実際の船の大きさは重要ではあったが、手に握った船の
大きさこそが自慢の種であった。 片手に握られた大戦艦・大和をもってしても、両手で掲げ
られた駆逐艦には後塵を拝さざるをえなかったのである。
それでは、いよいよ中身の点検に入りましょう・・・・・、うっ! これも怪しい!
シリーズ物ではランナーによく、bフ刻印をする。成型品などの混入の防止や、箱詰め
の際の入れ間違い等の防止の為と思われるが、今のように生産管理システムが完全では
なかった事もあり、欠品・ダブリなどがあったようでインストにはそのような注意書きが
よくあった。
そうすると、当然シリーズ1 大和の刻印は 1 で・・・・・・ん? 2の刻印????
何で? 2は武蔵のはず。
急いで2 武蔵の箱を開けてみる。 矢張り 2 の刻印 当然だ。
念のためbSのアレンも開いてみる 4 の刻印。 するとこの大和の 2 って?・??
<大和 謎の刻印>
ここで、bRがないことをふまえて第一の推理をしてみよう。
東京シャープがこのシリーズを発売した時点では間違いなく4点が存在していた。
無論、生産数は大和・武蔵・インディアナポリス・アレン・M・サムナの順か、あるいは
各同数か?。
いざ発売してみると圧倒的に大和が売れ品切れ状態、それに反して武蔵は苦戦、
インディアナポリスは日本艦に比べ生産数が少なかった為良好、そして駆逐艦
アレン・M・サムナは全く売れなかったと想像する。
会社としてはどうしたものかと苦悩したはずである。 打開策として
・大和を再度成型し、これをメインに販売量で採算ベースに乗せる。
・アレン・M・サムナ/武蔵を捨て値で卸し、とにかく在庫処分をする。
などなど、いろいろな策がでたと思われる。
しかしながらシャープがとった策は、第3の方法だった。
武蔵・大和化計画 ! ! である。
”何と、大和の箱に 武蔵を入れてしまえ!” というとてつもない計画だった。
バレルのでは(当然バレル) などという心配もあったのだろうが背に腹は変えら
れない。
こうして、シャープによって武蔵・大和化計画は実行されたのだ。
・
・
<謎の 刻印 a@2 大和>
まさに完璧なる推理。 歴史の謎は今こうして全て解かれた!
(私以外、誰一人として知らない謎ではあったが)
自己陶酔の世界にはまりながら、2箱目の武蔵の箱を開けてみて
一瞬、息が止まった。
3 の刻印が・・・・・・・・ 何に!! なぜ、武蔵の箱なのに??????
唐突にセットにはなかったはずの、 .3 が、その姿を現したのだ。
ここに、名推理はもろくも完全に瓦解した。
とにかく、全ての箱を開けてみることにした。
<開封結果>
・ 大和 2→2箱 3→1箱
・ 武蔵 2→8箱 3→1箱
・ アレン 4→8箱
成型品と箱裏の組説からみた、大和・武蔵の差異。
・艦橋の形状の違い。
・主砲上部の成型違い。
・甲板の成型違い。
異なる点は以上の3点。 でも、それで十分である。
結果は 予想に反して
*大和 刻印⇒ 2
*武蔵 刻印⇒ 3
刻印 1はなかった。 または金型は製作されてが失敗に終わり、
何らかの理由で大和を2に武蔵を3としたと考えられる。
ただ、製作しなおしたなら再度1にすればいいのだし、よっぽどひどい
成型状態でなければ高価なマスター(母型)を破棄するとは考えられない。
マスターをつくるのに6ヶ月から1年近く掛かった時代である。 まして、
NONスケールとなれば・・・・・しかし、
ここに 大和・武蔵に付いては確定 した。
それにしても、NO4アレンの刻印が4なのはおかしい。 インディアナポリスは
一体何番だったのだろうか? それがない現状では、確認する術はない。
これら箱の内容物・成型品から導き出される、結論は
どうやらシリーズの大和・武蔵の箱入れは、余り厳密には区分けされなかった。
(らしい)
しかし、開封して分かった点、大和の成型品が武蔵の箱に入っていたという
事実からすると、
最初に予想していた ”武蔵・大和化計画” ではなく、何とその逆の
東京シャープによる ”大和・武蔵化計画!” は確かに存在した。
と、いわざるをえない。
なぜ、そうなってしまったのか?
結論については,皆さんの推理に委ねたいと思います。
小売店での中身の入れ替えの意味はないし、まして子供が店先で入れ替えた
などということは、考えられない時代であった。 どこの店でもオヤジは恐ろしく怖い、
これは当時の定番である。 ましてそれがキャラメル箱であったのなら・・・・・・。
でも、60年代の少年達はこのような取るに足りないこまごまとしたレベルの低い
たわごとなど、意に介さない大らかな広い心を持ち合わせていた。
箱が大和なら、誰が何とい言おうとそれは大和だったし、実物など誰も見たことが
なかった。
それに何よりも模型たちが完品でいられるのは、瞬きするくらい短かい時間だった
のだから。
<オリジナル vs 再販品>
<オリジナルvs再販品>
どちらがオリジナルなのか? お分りですよね。
<シャープの大和は最強だ!>
最強の証
3連装46CM主砲が何と4基装備!
副砲など、一切なしだ!!
(理想配備は組説を参照ください)