< 東京都港区麻布市 >
日本ホビーといえば、独特のギミック付きの戦車模型
そんな企業イメージでしょうか。
そんな中、今回は同社のもう一つの主力・・・大型艦艇モデル にスポットを当てたいと思います。
日本ホビー 1/250 大和は1964年に発売され、1mを越えるという大和模型の
フラックシップとして60年代を通し君臨した”世界最大の戦艦プラスチックモデル”でした。
このビッグスケール(日本ホビーではマンモススケールと呼んでいた)に対抗できる
モノといえば、田宮模型から出されていた矢張り1/250のソリッド大和位しか存在
せず、その木製模型をパーフェクトに仕上げられる者はほんの一握りの人間しかいな
かったでありましょう。
一方、プラスチックモデルではというと、長谷川の1/450大和・ニチモの1/500大和
ぐらいしか見当たらなかったと思います。
長谷川大和の全長が585mmでしたから、1060mmという大きさが人々にいかに
おおきなインパクトと勇気を与えたか容易に想像できます
セメダインをはみ出させ、指紋をベタベタと付けながらも、誰にでもこのビッグ
スケールの戦艦を完成できるという事実は、きっと素晴らしいことであったでしょう。
ただ、模型少年の憧れというにはあまりにかけ離れた存在で、手に乗ってしまう大き
さの大和しか手に入らなかった少年達にとって、その恐るべき巨大なパッケージは
まさに別世界の大戦艦だったのです。
モデルは2・3番副砲を廃したレイテ沖海戦時のものです。
その後、日本ホビーなきあと童友社が金型を引き継ぎ再販されました。
箱の大きさは、このくらいです。 (定規は30cmです)
1968年の雑誌に掲載された日本ホビー大和です。
”世界最大の大和模型です”と紹介されています。
実は、日本ホビー 1/250 大和は後にパッケージが
上のようなカラーに変更になりました。
変更といっても箱の色と組説に住所と電話番号が付け
加えられたくらいの変更だったようです。
バージョンとしては、銀メッキ仕様が存在し
同社1/300護衛艦シリーズが¥500の中、堂々の
¥4950 という驚くべき価格でした。
「童友社が日本ホビーより 1/250大和の金型を譲り受け、これを再販した」
これは誰もが信じて疑わない、定説である。
パッケージを一新し、組説を含むインストをオリジナルに変更して発売する。これが一般的再販である。
童友社の大和も全くこの手法にのっとっている。
今回は、日本ホビーの大和をテーマとするのだからと、童友社版は出す必要はないかと思っていたがこんな時でもないと
このモデルをゆっくりとみる機会もないだろうと、ゴルフバッグほどもあるこの大型模型を引きずり出してきた。
目的は、再販とオリジナルの成型のレベルの違いを確認する事と、童友社がどのようなインストに仕上げたか、を確認する
為だった。
結論からいうと、
童友社版 大和は 日本ホビーのフルコピーではなかった。
(金型が同じなのでこの表現はおかしいが)
無論、基本的には日本ホビーの金型を使用ししている事は確かではあるのだが、その中にどうやら童友社のオリジナル
成型品が混ざっているようなのである。
白い紙は、はがきです。
ラジコン用キット・旋回装置用キット
その中身
一番下のブルーのインストは
ラジコン装置専用組説です。
< 部品展開図 >
パーツは大きく、イ・ロ・ハ・ニの4つに分かれている。 これは、日本ホビーも童友社も全く同じパーツリストである。
まずは、イ からチェックしてみよう。
<日本ホビー>
<童友社>
A.ランナー (イ)
欠落部品が多くてわかり難いが、明らかに両社のランナーは違う。
まず、大きさが童友社の方が一回り大きい。 それに、基本的なレイアウトは同じようだが明らかに配置が違う。
<日本ホビー>
<童友社>
B. 主 砲 砲 塔
<童友社> <日本ホビー>
<日本ホビー> <童友社>
主砲砲塔にもやはり違いがある。
画像でも分かるように、形状的には童友社の方が幾分か丸みを帯びている。
主砲砲身口のカットも異なる。
右の裏から見た画像、童友社の方は砲身の押さえの仕切りがある。
主砲砲身の径と全長も多少異なっている。
C. 成型の状態
<日本ホビー>
<童友社>
D. 使 用 モーター
モーターの違いは歴然としている。
・日本ホビー
TKK55モーター(右ブルー)推進用
TKK35モーター 旋回・サーチライト用
・童友社
RE280モーター(右下ゴールド)×2
推進・旋回・サーチライト用
この性能差は・・・・・・。
TKK55・・・トルク 73〜85gcm
RE280・・・トルク 18.5gcm
童友社の大和って動くの?
日本ホビーでは更に、1クラス上のTKK65の使用を
推奨している。
イ、以外のパーツはどうやら共通のようである。
そうすると、何故 イ のパーツだけが異なるのだろうか?
可能性としては
・ 何らかの理由で金型を紛失したか、改修不可能なほど破損して
しまった。
・ 童友社が新考証に基づき、新規の金型製作を迫られた。
日本ホビーの ”大和をめぐる話題” と称すしインストには
・大和はどうして建造されたか。
・艦型的にこのような特徴があった。
・大和の戦歴
・この模型の特長について
などが丁寧に述べられている。これに対し童友社版は基本的に
文面は全てコピーで徹底的な抜粋、情報量的には1/3程度です。
こんな状態の童友社が、自主的に新規の金型を製作するとは
まず考えられない。
日本ホビーがポリプロピレン成型であったらしく、塗装ののりが芳しく
ないという欠点が指摘されていたため、何らかの理由で改修したのかも
しれない。 ただ、それが理由であれば イ のみ改修は意味が無い。
したがって、紛失または破損というのが真相ではないか。
*この説明書きで面白いのは
比の模型をお買いになる方はゼヒ 「プラスネヂ廻し」 を一つ
お持ちになるようにおすすめします。あると重宝です。
プラスドライバーが、まだ一般的でなかった時代であったことが分かる。
60年代 模型メーカーが自社の存在ステータスを世に知らしめる最大・最強の方法に、他社よりいかに巨大なモデルを
製作し発売できるか という手法があった。
当時、あらゆる物が大型化し、人々はより大きなものに憧れ賛美した。 数十万トンのタンカー・500人も乗れる旅客機
20インチを越えるテレビジョン・大型冷蔵庫。 はては ”大きいことはいいことだ” というコピーが一世を風靡した巨大?
エールチョコ などなど。
この流れは当然のように模型業界にもおよび、ビッグスケールの戦車・飛行機モデルが各社から発売され、そしてその
スケールは次々に更新されていったのである。
しかし、なんといってもこの分野で、その最大の対象となったのが艦艇模型であった。
それは、戦艦 大和 モデルの巨大化への挑戦でもありました。
1/400 R.C 模型
1/400 全長850mmという大型モデル。
RC化可能で,部品点数 163点。
堂々たる艦艇モデル・・・・・、ではあるが、
やはり子供達には別世界のプラスチックモデル
でした。
この箱絵に見覚えのある人は多いことでしょう。
絵師によるボックスアートが普通であるが、この
エンタープライズは完成写真をそれとしている。
今も昔もこのようなスタイルは稀である。
箱絵になぜ写真を?しかも、完成品の・・・・・・。
味がないな〜。 今ならそう感じる方が多いので
あろうが、当時このボックスが与えたインパクトは
強烈であった。
デジカメなどはもちろんなく、写真というものが
いまだ一般的とはいえず、ましてカラーの模型
写真など見たこともなかった。
模型店の奥まった天井近くの棚に鎮座し、背丈
ほどもあろうかという堂々たるその威容は、脳裏
に鮮烈に映しこまれ、決して忘れえぬ模型である。
<パーツ類>
<組説 表紙と160点にも及ぶ部品図>
<搭載機>
<A-5 ビジランティ>
・翼を伸ばした状態 3機
・翼をたたんだ状態 3機
<F-4C ファントム>
・翼を伸ばした状態 3機
・翼をたたんだ状態 6機
<A-6 イントルーダー>
・翼を伸ばした状態 3機
・翼をたたんだ状態 3機
<A-4 スカイホーク> ・翼を伸ばした状態 3機
<E-2 ホークアイ> ・翼をたたんだ状態 3機
原子力空母といえば当時エンタープライズのことであった。
のっぺりとして飾り気のない艦橋が印象的であった。
空母の模型というと艦載機が一つの楽しみで、このモデルにも9種類が付属
している。
・ファントムU ・スカイレイ ・ビジランティ ・スカイホーク ・イントルーダー
・コルセアU ・ホークアイ ・トラッカー ・バートル(ヘリコプター)