宮内製作所 
 *所 在 地・・・・・不明         *創設年月日・・・・不明
 *活動時期・・・・・・不明         *現状・・・・不明

 プラスチックモデルが誕生し、それが次第に世の中にいきわたり子供たちの楽しみの主流になってきた頃
今も模型史に燦然と名を残す伝説のメーカーの他にも、プラスチックモデル製造に名乗りを上げる会社が
次々に出現してきた。
 ”雨後の筍” などといささか不名誉な表現をされる、これら名もなきメーカーたち。
自社の社名はもとよりロゴさえ示さず、まったくその痕跡さえ残そうとしなかった忍者のような会社。
確かに他社のコピーをはばかりながら?も駄菓子屋ルートにのせその場限りの利益を貪ろうとした怪しげな
会社も事実あった。
 ただ、どんなにいい加減でポリシーのかけらもない会社の制作したプラスチックモデルであったとしても、自然発生的
にプラスチックモデルが完成する訳もなく、その一つ一つに確実に金型は存在していたのである。
少なくともその時点で何らかの議論は当然発生したであろうし、その結果としてプラスチック製モデルが生み出された
のであり、たとえそれがオリジナル品であろうがデッドコピー品であろうとも、何もせずに作り出されることはない。
 ”雨後の筍”と現在一まとめにいわれている会社の中にも、そんなバッタメーカーではなくプラスチックモデル製作・
販売に真摯に努力していた会社もあったはずである。 資本力・営業力において一流には決してなれはしなかったが、
伝説のメーカーたちに劣らぬ情熱を持ちこの新天地に取り組もうとした会社もあったはずである。

しかし、残念な事ではあるがこのてのメーカーの製品は比較的安価で出来も今一歩のレベルの物が多かったため
残存数はそう多くないようである。

一時のあだ花で終わってしまったこれらメーカーたちの痕跡も、プラスチック模型史の中に確実に保存していかなけ
ればならないのではないだろうか。

今回はそんなメーカーの中から、宮内製作所について触れていきたいと思います。

この箱絵はインパクトがある。

他にはない画風で、一種異様な迫力があって魅力的だ。

船体は上部と船底部割りではなく、船体に艦板を接着するというものである。
色は黒一色のみで船底は赤くはない。
そのためにプラカラーが一本付属している。

マブチS-1の表示があるところを見ると、発売時期は60年代後期と思われるが
ただ、その時期のものだとするとスケールモデルとしてはあまりにも原始的だ。

箱サイドによるとこのシリーズには愛宕もあったようです。
 妙 高 
重巡洋艦

 陸 奥 
戦 艦
こちらは陸奥ですが、妙高と違い艦底部は最初からに彩色されている。

箱の大きさはこんな感じです。

NORTH AMERICAN Xー15
REVELL のコピーと思われる ミヤウチのXー15. スタンドが付属している。
X-15のボックスアートは成層圏に近い高高度の物が多くどれも美しい。
当事 Xー15とYF-12A は子供たちの憧れ、夢の飛行物体であった。

法隆寺 五重の塔
3色成型のカラープラスチックモデルであるが、構造はいたってシンプルな物である。
組説の国宝の文字が時代を感じさせ、組立順が イ・ロ・ハで明示されているのもいかにもという感じである。

外箱などにはないがこのモデルのタグには 宮内製作所 の表示がある。 \150

 ROMMEL 1/65 
ミドリの1/76と比較するとこんな感じです
世界軍用車シリーズ NO.1   ドイツ襲撃砲戦車 ロンメル

ゼンマイ走行する。 スケールは1/65となっているが、当時の\100キットの
箱スケールっぽい。

同シリーズに PANTHER もあったらしいが、パンサーの砲塔可動はわかるが
箱書きによると駆逐戦車ロンメルの砲塔も可動するらしい・・・・・のだが?

今はほとんど知られていない 宮内製作所 ではあるが、その取り扱いジャンルの
多さには驚かされる。

ミヤウチのように ”雨後の筍” のような言われ方をされているメーカーでもあっても
実は我々が知らないだけで実体は想像より充実していた   そんな感じをうけている。

ロンメルでお気づきの方もおられたと
思いますが、妙高などとはミヤウチのロゴが
違っています。
おそらくモデルなどから判断するとこちらの
ロゴが第二期のモノだと予想しています。
デザイン的にもかなりスッキリとした良いロゴ
ではないでしょうか。

会社の顔ともいえるロゴを変更している事実
からしても、ミヤウチは一時的にこの業界に
存在していたという訳ではないと思います。
 戦艦 長 門 
サクラシリーズと名付けられた長門である。

モデル自体は取るに足らないモノだが
このシリーズの最大の特徴は水槽が付属し
完成後それに浮かべてしまおう、というものだ。

右箱下の透明部分が水槽である。
水槽は縦割りで接着時にモデルを入れ、その後
上部の穴から水を注ぎ込み浮上させるのである。

スタンドも付きディスプレイとなる。

オリジナルのアイデアかは不明であるが、なかなか
面白い。戦艦は波間に浮かぶ物である。

NO.2となっているので当然大和あたりのNO.1が
存在していたのであろう。
水槽に完成品が入った予想図

右が水槽のパーツだが、そのタグに 旧ロゴと 宮内製作所 ではなく

MIYAUCHI-MODEL の表示が見て取れる。

 コ ジ ラ 
ミルクシリーズのコジラ。  コジラ であって ゴジラ ではありません。
ゴム動力で走行するらしい。

なぜ、ミルクシリーズかというとゴムを巻くのに使用する糸の先に
意味はよくわからないが牛乳ビンがストッパー代わりについているため。

コジらがNO.1でNO.2はペンギン・・・・・。
”ミヤウチの商品展開は実に多彩だ”