渥美産業株式会社 
 ASKプラスチック1/1000連合艦隊 
 ソリッド 洋上模型 
ASK製より 一回り大型の
洋上モデル (メーカー不明)
 吃水線から下を省いた (洋上模型)
 
 現代から思い起こす 洋上模型 いわゆるウォーターライン・モデルは1971年に
静岡模型共同組合4社が合同で取り組んだ WLシリーズが中核をなすわけですが
その模型形態自体はソリッドモデル時代から多く存在し、決して目新しいものではあ
りませんでした。

 ソリッドであれプラスチックモデルであれ艦艇モデルを組み上げ、それを集める時
どうしても違和感を感じることがある。
単艦ではいいのだが何隻か集まりだすと、どうしても艦隊を組みたくなるのだ。

 60年代当時フルハルタイプが艦艇モデルの主流で、それは 動く という事を模型の
主たる要素から外せなかった時代で、小型のモデルであってもモーターライズ・ゴム
動力は必須の条件であった。

 スケール性の高いフルハルモデルは大方台付きで、それ自体は当時求められた
高級感に満ち満ちていた物であったのだが、作ることと遊ぶことを同じくらいに考え
ていた少年にとって、 ”艦隊を組めない” という事実はなんとも歯がゆく満たされ
ない思いがしたものでした。

 個人的には艦底部を接着せず艦体基部に薄く赤いビニールテープを巻き、ちょうど
置いた時WLのようになるような工夫をしていました。 この手法はまだ2色成形に
ならなかった初期のフルハルモデルの艦底部に使用すると、ぐっと見栄えがよくなり
子供たちの安物キットでは結構重宝したテクニックした。

 もう一つ大いに問題になったのは、並べた時になんと大和より高雄の方が大型に
なってしまうという、現実では考えられない奇妙な状態が発生してきたことです。
いかに当時の子供がおおらかであったとしても、この事実はチョット受け入れがたい
ものでした。

 そうしたなか、統一スケール・洋上模型 をコンセプトに商品化されたのが

 「ASK 1/1000連合艦隊シリーズ」 でした。

 
 ソリッド・モデル時代から存在していた 1/1000連合艦隊集 は60年代に入り、模型業界を
襲った大きな変革の流れに乗る形で、その素材を木から新素材プラスチックへと転換し名称を
1/1000連合艦隊シリーズ と変更して発売していくこととなる。

 基本的にはまったくの新しいシリーズとして企画開発するのではなく、ソリッド・モデルを逐次
プラスチック化していったという方が適切である。 プラスチックに素材を変更するには必ず高価
な金型が必要だった為か、潜水艦などはその種類を大きく減らしているようだ。

 ただ、その出来栄えは比べようもないほどリアルで、作り手の技量を完全にカバーするもので
おそらく子供達が今まで作った木製の模型と新たに手に入れた目新しいプラスチックモデルなる
ものを並べた時・・・・・・、この科学文明の申し子ともいえるプラスチックという素材、自然界には
絶対に存在しない素晴らしい質感と繊細さに感嘆の溜息を漏らしたことであろう。

 1960年 洋上模型 1/1000統一スケール プラスチック製 連合艦隊シリーズは発売された。
<上が 木製  下が プラスチック製>
          伊 7型

ASK 1/1000 連合艦隊

シリーズは大別して

空母・戦艦・重巡洋艦駆逐艦・

潜水艦に分類できるようだ。

各サイズの比較は大方こんな

感じであるが

それぞれナンバーリングされている

のだがその根拠は不明である。

NO.1 は 霧島であった。
 戦 艦 
<艦隊の要 戦艦は 霧島と比叡の2艦のみであったようだ>
ASKのモデル選定の要となったのが 
 ”ハワイ攻撃機動部隊” である。 多くはこの部隊
から選ばれている。
 このためか当時人気のあった、大和型・長門型の
発売がなく、なんとも地味な艦隊編成になってしまって
いる。
 重(一等)巡洋艦 
 軽巡洋艦 
 軽巡洋艦クラスから キャラメルボックスとなっている。
 ASKの組説は当時のこのレベルのプラスチックモデル
 の中ではとても良心的なものだ。

<駆逐艦 秋月>  駄玩具キットとかチープキットとか ASKの連合艦隊シリーズはいわれているが  このボックスアートは  美しい!!

 駆 逐 艦 
ソリッド・モデル
初  版
再  販
初  版
再  販
初  版
初  版
再  販
再  販
 ASK連合艦隊シリーズの

 メイン商品だったのがこの

 駆逐艦サイズであった。

 発売された種類も多く¥40

 前後で売られていたらしく

 子供達にもありがたい設定

 であった。

 プラスチックモデルになって

 から一度リニューアルされた。
 初期モデルには接着剤が付属していたが再販の
 ものにはどうやら入っていなかったようだ。
 潜 水 艦 

 後期 吊り下げ タイプ 
 ASK 1/1000連合艦隊シリーズ おそらく後期に発売されたと思われる
 袋入り重巡洋艦モデル。 画像を見ていただければわかるが、袋入りの
 ランナーは何故か大きく箱には入らない。

 理由は簡単・・・・・箱入りはランナーを途中で折、分割しているからである。
             そのまま入れると箱代が余計にかかるからでしょう。 

 その後の 連合艦隊シリーズ 
SAITO 1/1000 シリーズ
              <斎藤模型>
 ASK 渥美産業 の1/1000 連合艦隊シリーズは 1970年代に入り

 斎藤模型という会社に金型が譲渡されることとなる。 渥美産業は休業

 したといわれているが、ハッキリしたことは不明である。

 斎藤模型はフジミの関係者が設立した会社で、パッケージを高荷 義之氏

 のものに変更し発売した。
 サイトウ 翔鶴には なんと ASK製の 伊7・15がオマケ
 で付属していた。