渥美産業株式会社
ASKの夢
<静 岡 県 馬 淵 町>


 ASK(渥美産業)は木製模型の時代から存在するメーカーでした。

会社の全容が全て把握されているわけだはないので断言することは出来ませんが、同社の製品展開は本格的スケールモデルではなく
比較的小物が多かったようです。

 この子供達に密着した? モデル展開はプラスチックモデル時代に入っても変わることは有りませんでした。

 ただ、ASKといえば ”1/1000 連合艦隊シリーズ” と言い切ってしまえるほど、このシリーズには渥美産業の強烈なコンセプトと
メッセージが注ぎ込まれ、まさに当時画期的な要素を含んだ挑戦的モデルシリーズだったのです。
 ASK 1/1000 連合艦隊シリーズ” が先進的だったのは

・1/1000 統一スケールであったこと

・吃水線から下を省いたこと (洋上模型)

 
 当時は箱スケールといって、最初に販売する箱の大きさが決められ
そこに入る大きさでモデルのスケールを逆算するという手法が一般的
であった。

JNMC(にしき屋)のポケットシリーズ 艦艇モデルなどがこれで
右の最上は1/2000・大和は1/2630などという表示でした。

子供達が手に入れらる駄菓子屋モデルには、それすらもないというもの
が普通でした。

 ソリッドモデルはA級・B級・C級などと表示区分され、何分の1
スケールという表現より完成時の大きさこそが重要視されていた。
今ほど情報が豊ではなかった時代である、スケールよりズバリ大きさ
をうたってもらった方がイメージできたのであろう。


 統一スケールという一種革命的な概念は

 ・飛行機模型・・・・・三共 ”ピーナツ・シリーズ” (1/150)

 ・艦艇模型・・・・・・・ASK ”連合艦隊シリーズ” (1/1000)

 が日本では確立したといえるのではないだろうか。
 

ソリッド・モデル 
(木製模型)
ASKのソリッドモデルには2種類の流があったようである。

 ・セミ ソリッドモデル  と  ・1/1000 連合艦隊集 である。
セミ ソリッドモデル
 ASKのソリッドモデルといえば ”1/1000 連合艦隊集”

が有名であるが、このような袋入れの小型のものも発売

されていた。

 セミソリッドモデル と銘打たれらこれら豆艦艇シリーズは

イマイ・LS等からも発売され、スケールは袋スケールとでも

いったらいいのか統一されたものではなかった。

 ASKのこのシリーズも連合艦隊集と同じように、吃水線から

下を省いた洋上模型という形態であった。

 この洋上模型を最初に採用したこがどのメーカーかは不明

であるが、それを前面に押し出した商品展開をしたのは間違い

なく ASK 渥美産業 であった。

 <海上自衛隊 甲型警備艦> 1/630

  豆はるかぜ   セミソリッドモデル


 袋入れの模型としては立派過ぎる

組立説明書が付属している

部品点数はかなり多く

多少の部品の加工はされているが

これを美しく仕上げるには

かなり根気強く作りこまないと

いけなそうである
もう一系列が同社の主力製品 1/1000 連合艦隊集 である。

この名称はプラスチック化される際には 1/1000 連合艦隊シリーズ 

と変更される。


 この塗装された台付きの潜水艦は ASKのものではない。
当時のソリッドの主流はこのような本格的スケール模型であっ
たが、子供達には到底組み上げられない模型でもあった。

 船尾に載っているのが ASK 伊号潜水艦である。
 今見ても ASKのこのロゴは いいデザインだと思います。
 真ん中は箱のへらの部分で、印刷物など個人で作ることなど不可能だった
 時代で、さぞ栄えたことであろう。 三共のピーナツシリーズでは次回発売
 予告となっていた。
 情報が乏しかった時代、極小のスペースではあるがしっかりと活用されていた。

 伊 号 潜水艦
 ASK は潜水艦の模型にかなり力を入れていた。

 プラスチック製と比べてしまえば、その差は歴然
 ではあるが、子供達が主に作ったことを思うと
 その出来ばえは素晴らしい といっていいレベルだ。

 左上の伊16の箱に 20 の書き込みからすると
 当時¥20で売られていたのだろう。

 下は ”ハワイ攻撃機動部隊 艦隊編成図” と
 組み立て図である。 これも1箱に必ず入っていた。

 解説もしかりしており、これで¥20とはかなり安い。
 ピーナツシリーズは組図は箱に印刷で¥30。

 一等駆逐艦 
 <一等 駆逐艦 吹雪・陽炎>

 ASKで一番充実していたのはこのクラスだった。
 鑑賞に堪える仕上げにするのは困難であったろうが、それなりの
 状態にはなったのかもしれない。
 同梱の箱にはハンダ付けされた真鋳製のマストがは入っていた。

 潜水艦より二周りほど大きな箱に入っていた。 

 戦 艦 & 航空母艦 
 ASKにあって最大級の大きさを誇っていたのが、この戦艦と航空母艦であった。

戦艦は 霧島・比叡 の2艦、航空母艦は 蒼龍・翔鶴 の2艦 が確認されている。

ただ、残念なことに当時子供達に人気であった大和級・長門級などの模型は発売に

至らなかった。

 ASKの製品はどれをとっても他メーカーに比べ、その価格では考えられないほど

充実していた組立説明図・解説等が付属し、情報がないに等しかった子供達の世界で

大いに役に立ったのである。
 1/1000 連合艦隊集 
 航空母艦 蒼龍 の内容である。

 ソリッドモデルではあるが、右の袋の中にあるように金属製の航空機が付属して
 いる。

 同 1/1000 連合艦隊集は プラスチック化され 連合艦隊シリーズ として発売
 される。