片思い
ふと君が視界をよぎる。
何かしなければわたしの存在など無視されそうな勢いにわたしは慌てて声をかける。
真っ黒い髪を持つ、緑の一族の。
「あ、セルフォス」
「なんですか?」
覚えておいて。
「好きだよ」
「聞き飽きました」
そう言って君は颯爽と去っていってしまうけど。
わたしはいつも本気だよ。
覚えておいて。
わたしの事を。
他の誰でもない、このわたしが君を想っていたことを。
適わないかもしれない。
でも、君の心の中に留まることが出来るまで。
わたしはこの気持ちを伝え続けるよ。
いつか別れのときが来ても。
君がわたしの事を少しでも思い出してくれるように。
わたしの気持ちが少しでも伝えきれるように。
ああ。
どうしたらこの溢れでて留まることを知らない君を愛しむこの気持ちを上手く君に伝えることができるのだろう?