「私は美しいものが好きだ」
と言ってみる。美しいものに囲まれて生きていけたら幸せだろうとは思う。
でも、やっぱりそれは嘘だ、と思う。
美しいものも美しくないものも、それなりに好きだ。私は。
割と何でも良いのだろうと思う。執着する基準は。
目に付いて気に入れば何だって慈しむ。どんなどす黒い感情だって。
私は愛するだろう。
私の視界は狭い。生きているうちに見られるものは限られる。
体は一つしかないし、私は私の目を愛するし。
だから私は何だってそれなりに好きなのだと思う。面白がるのだと思う。

まぁ、ただそれだけの事。