ジョンQ 最後の決断 2002アメリカ  出演 テンゼル・ワシントンほか

ある日、ジョンの息子マイクが野球の試合中に倒れてしまう。 心臓の欠陥。助かる道は心臓移植と宣告される。高額の医療費… ジョンの勤める工場のずさんな医療保険制度のため、移植に保険は 適用されない。冷酷な病院側の対応。息子の命を救うため、ジョンは 銃をもち病院に篭城する… 高度な医療と高額な医療費、失業問題、銃社会…マスコミに ヒーローに祭り挙げられるジョン。アメリカの病理に自己言及的なテーマ。 人質たちが次第に腹を割って話し出すさまはあさま山荘事件のそれのよう。 結末は見てのお楽しみです。 (余談ですが劇場版予告編の出来がすばらしく良いです。ビデオクリップとして。)

容疑者 2002アメリカ  出演 ロバート・デニーロほか

ドラッグ・ディーラーの死体がブルックリン・ビーチに打ち上げられた。 殺人課の敏腕刑事ビンセント(ロバート・デ・ニーロ)は、有力な容疑者を 浮上させる。それは、自分の息子ジョーイだった。ビンセントは実の父親が 殺人で死刑になったという傷を持つ。息子は殺人を犯したのか、苦悩する ビンセント… 予備知識も無く、あまり期待せずにフラリと映画館に入りました。 20代の男は数えるほどしかいない。中年夫婦がやけに多かった。 はずしたかな…と思ったら、さすがデニーロ、渋い。泣かせます。 アメリカだけど日本的な作品。

JOE THE KING 邦題 グッバイ・ジョー 1999アメリカ  出演 バル・キルマー イーサン・ホークほか

荒れた家庭に育つ二人の兄弟。酒びたりで暴力をふるう父 (バル・キルマー)は家に寄り付かず、次男の少年の教師に 金を借りたりしている。少年はバイトで小銭を稼ぐ。 ふとしたことから少年はバイト先の食堂の金に手をつける。 やがて警察沙汰になり… 基本的に希望や喜びを高らかに謳った映画ではないです。 少年更正モノと思って観るとショックをうけるかも。 でも僕は2回観てしまいました。やるせないムードで進行する ストーリーのなかにみえるほのかな温かみ。良くも悪くもアメリカ。 日本にとっても明日はわが身のはず。

クイズ・ショウ 1994アメリカ  ロバート・レッドフォード監督

視聴率をとるために八百長をするクイズ番組。細かい設定は 忘れましたがたしか時代設定はテレビが普及してまもないころ だったと思います。視聴率低迷を防ぐため、製作者側は それまでの連続チャンピオンを降ろし、ルックスもよく名家の出の 新しいスターを祭り上げる。ひとりの法律家が調査に乗り出す… マスコミの病理と大衆心理。設定自体はありふれたものですが、 楽しめます。 これまた良くも悪くもアメリカ。最近こういうテーマに興味ありです。

バニラ・スカイ 2001アメリカ  キャメロン・クロウ監督 トム・クルーズ ペネロペ・クルスほか

スペイン映画「オープン・ユア・アイズ」のリメイク。出版界の御曹司 (トム・クルーズ)は恋人の嫉妬が原因で、交通事故にあい ハンサムな顔に傷を負う。主人公は現実とも悪夢ともつかぬ世界を さまよう。自分探しの旅の果ては… この映画、映画館で観たんですが、観終わってしばらくたってから 巷の評判が悪いことに気がつきました。確かにスカッとするような 映画ではないんですが、よく出来た映画だな、とか思ってただけに ちょっとびっくり。この作品ではトム・クルーズは製作にけっこう 関わっているらしく、トムもいろいろかんがえてるんだなぁ、とか。 難解と言えば難解な映画。

マイノリティ・リポート 2002アメリカ  スティーブン・スピルバーグ監督 トム・クルーズほか

2054年、「犯罪予防局」で将来に起こる犯罪を未然に取り締まる 主任刑事ジョン。ある日、ジョン自信が殺人犯として予知される。 ジョンの逃亡が始まる。ジョンは本当に殺人を犯すのか? 国家と治安維持、権力と人権といった壮大な背景はあるけど、 やっぱりハリウッド的伝統芸ですね。トムとSF,アクション。良し悪しは 別にして、ですよ。映画館で見たから迫力あったし、本気で涙ぐんで しまう場面もあった。質の良い娯楽映画でした。 でも観終わってしばらくたつと内容思い出せない…同じトム作品なら、 バニラスカイの方が世に問うような趣が強いような。2回観たし。 僕はバニラスカイのトムを応援します。

ソードフィッシュ 2001アメリカ  ヒュー・ジャックマン ハル・ベリーほか

カリスマ性を持つ謎の人物、ガブリエル(ジョン・トラボルタ)は、米麻薬 取締局の中に浮いた金90億ドルを盗み出そうと画策、ハッキングにより 逮捕され仮釈放中のスタンリー(ヒュー・ジャックマン)を手下に取り込もうと する。作戦は進行するが、ガブリエルの真の目的は?テロリストなのか、 それとも… ハッキングの技術とか、素人目にもそれはありえないでしょう、みたいな 場面はありますが、スタンリーはマッチョでクールなハッカーとして魅力的だし、 個人的にはこの映画大絶賛ですよ。娘を溺愛するスタンリーという設定が、 全体の毒々しさを中和してる気がする。凄腕だが抜けたところもあるスタンリー。 この映画でヒュー・ジャックマンが好きになりました。トラボルタもいい味 出してます。良質な娯楽作品。

Awakenings 邦題 レナードの朝 1990アメリカ  ロバート・デ・ニーロ ロビン・ウィリアムスほか

臨床医としては経験の浅い医師セイヤー(ロビン・ウィリアムス)は、多くの 四肢の麻痺した患者にあたることになる。熱心に患者の治療に取り組む セイヤーだが、ときにベテラン医師の冷笑を買うことも。30年間昏睡状態で 生きてきた患者レナード(ロバート・デ・ニーロ)に対して、パーキンソン病用の 新薬を母親の同意のもとに投与すると、レナードは意識を回復する。 実話をもとに構成された。 こういういい映画に対して言えることは少ないですね…いわゆる健常者と いわれる人間でも漫然と無感動に生きているときはあると思うし、「生きて」いる 時間とはどういう時か、というような自問自答をしてしまうような映画。設定が 1969年ですが社会情勢との関わりはあまり無く閉じた世界(精神病院)での お話です。アパシー気味のひとに効く映画なのでは。ロバート・デ・ニーロは やはり偉大な役者です。

スコア 2001アメリカ  ロバート・デ・ニーロ エドワード・ノートンほか

百戦錬磨の泥棒・ニック(ロバート・デ・ニーロ)はガールフレンドと一緒に、 表向きの仕事であるジャズクラブのオーナーとして腰を落ち着け、泥棒稼業から 足を洗おうと考え始めていた。そこへ長年の付き合いである盗難ブローカー マックス(マーロン・ブランド)から大仕事を持ちかけられる。ニックは 無謀と考え断りかける。この仕事を成功させるためにマックスが迎えたのは 明晰かつ大胆な若者、ジャック(エドワード・ノートン)だった。 ストーリーも痛快で、デ・ニーロは相変わらず良いのですが、この映画最大の 見所はエドワード・ノートンの演技でしょう。障害のある清掃員として 盗難現場に潜り込みながら、血の気の多い泥棒としてニックたちと渡りあう。 この映画を観るまでエドワード・ノートンの名前すら知らなかったんですが、 なんか只者じゃない、と感じました。映画好きの友達はすでに一目おいていた ようです。

8Mile 2003アメリカ  エミネム主演 キム・ベイシンガーほか

アメリカ・ヒップホップ界では有名(らしい)なエミネムが自ら主演する自伝的な作品 (と後から友人に聞いた)。予備知識ゼロで観ました。おまけに僕の疎い洋楽、まして聴かない (嫌っている)ヒップホップの世界でしたが、余計な知識がない分、陰気な導入部分から 始まってどう展開するかまったく読めず、時間がどれくらい経っているかわからないくらい のめりこんでしまったので、結果的に十分楽しめました。 やるせなくも陽気、しかし殺伐とした黒人集落で暮らす白人、エミネムふんするジミー。 週末ごとにクラブで行われるラップ・バトル。ヒップホップの世界で名を上げニューヨークへ、と 血気立つ仲間たち。才能を仲間から認められながらもジミーは葛藤する… 日本にもラップ・ヒップホップの型を輸入してやっている人たちがいますが、大半が虚しく 底の浅いものになってしまうのは、個人の力量の問題だけではなく必然的なものなのだと いうことがこの映画を観るとよくわかります。映画が作られた背景…何故自伝的映画を 本人が主演するに至ったか?とかまったくわからないのですが、見ごたえのある映画で ありました。これを観てヒップホップ聴こう、とは思いませんでしたが。

REM(レム) たぶんアメリカ作品

最近見た中で指折りのダメ映画でした。全編とおして悪い夢のつぎはぎみたいな 内容で、最後につじつま合わせがあるのかと思えばさにあらず。こういうホラー系の 映画でいえば、「シックス・センス」のほうが単純だけど楽しませる工夫がしてあって、 余程上等。作品として成り立ってないような。