藤枝で酒店を営むSONEさんから楽しい訪問記が届きました
テイスティングコメントも必読!!

日本ソムリエ協会認定ワインアドバイザー
フランス食品振興会認定コンセイエ

曽根克則さんの
ソレイユワイン訪問記
*一部匿名表記とし全文をありがたく掲載させていただきます
 
  鈴木君のことを知ったのは、Mシャンに勤めていた頃だと思う。「藤枝の出身で山梨大学の後輩です。」と僕の実家の酒店を訪ねてくれたそうだ。同郷の後輩ということで印象が残った。その後、C葡萄酒に入社したということは知っていた。
 縁とは異なもので、実家に帰った僕は酒屋仲間たちとC葡萄酒とタイアップしたオリジナルワインを立ち上げることになる。そこで鈴木君に初めてお目にかかった。製造の仕事を担当しているとのこと。また、葡萄の剪定実習の時、お世話になった鈴木順子さんは鈴木君の奥様であった。夫婦共々C葡萄酒でワイン造りに勤しんでいる姿がほほえましかった。
 
 ある日その鈴木君から葉書が届いた。山梨市にある小さなワイナリーを引き継いだとのことだった。そこで、C葡萄酒へ打ち合わせに行ったついでに立ち寄ってみることにした。

「わかりにくい所にありますよ。」という鈴木君の言葉どおり、自慢のカーナビの音声案内が終了した付近に来ても、ワイナリーらしき姿は見当たらない、やっとのことで路地の入り口に小さな看板を見つけた。「旭洋酒、ソレイユワイン」車を降りると、鈴木君夫妻が笑顔で出迎えてくれた。予想通り、というかおよそワイナリーというイメージの建物ではない。町工場といったほうがしっくりくるような、木造の建物におまけ程度のかわいい事務所が付いている。手詰めの瓶詰め機、小さなロカ機。もちろん瓶詰めラインなど無い。現在は使われていないであろうコンクリートのタンク。その奥の屋根のある中庭のようなところに、圧搾機、洗瓶機などが並ぶ。空調が付いた別棟にホーロー製のタンク。その片隅に真新しい樽が3丁。「ここもタンクがあったんですけど、それをとりはずして樽をおくスペースをつくりました。」鈴木君はC葡萄酒でかなり樽の扱いを学んだのであろう、ここでも樽は必要不可欠なようだ。

「おい、こりょーまたくりょー!」(これをまた下さいの意)工場から出てくると、地元のおじさんが空の一升瓶を一輪車に載せてやってきた。昔ながらの一升瓶ワインいわゆる、葡萄酒を買いにきたらしい。鈴木君に聞くと、このおじさんのように「三郎の葡萄酒」と呼ばれるこの一升瓶ワインを買いに来る地元の人が顧客の中心だそうだ。「○○さん、お待たせしました!」と順子さん。「おお、おれの名前を覚えてくれただけ!」とおじさん。すっかり二人ともここでの暮らしになれたようだ。 さて、ワインのお味はというと、試飲をしたワインどれも非常に技術の高さが感じられた。以下の通り。
 
ソレイユ クラシック 白
 フレッシュな甲州種に特徴的な青りんごの様な香り。ほんのり感じられる甘さを、独特のエグミでしめている。飲みやすいやや辛口。
 
甲州シュールリー(タンクからのサンプル)
 前述の青りんご系の香りにやや香ばしい香りが加わる。鈴木君のはなしでは、果汁の段階からこの香りが感じられたそうだ。シュールリーらしいフレッシュな酸に、辛口ながらクラシックよりも味わいにヴォリュームがある。
 
甲州樽貯蔵(樽からのサンプル)
 上品な樽の香りがほんのりと感じられる。なかなかバランスの良い味わいで、口中でふくらみも感じられる。この先が楽しみ。
 
ソレイユ クラシック 赤
 マスカットベリーA種に独特の甘い香りがひろがる。その後やや香りが落ち着く。渋みは少なくなめらかなミディアムボディー。
 
いずれも町工場のようなワイナリーから造られたとは思えぬ洗練された味わい。鈴木君夫妻の姿勢がひしひしと感じられた。早速、ソレイユ・クラシック白を買い求め、売ることにした。
 ワイン造りという大きな仕事の第一歩をふみだした二人であるが、今の姿勢を持ってすれば、日本全国、いや世界的にもその名を知られる造り手にいつかはなれると思う。期待するとともに同郷人として応援していきたいと思う。また機会をつくって今度は畑も拝見する予定。
帰りがけにあった地元のおじさんがいっていた言葉が印象に残る
「ほりゃあ、最初からうまいワインがでたっちゅこんだから、がんばってるっちゅこんさ!」

がんばれ!鈴木君、順子さん!