ギャスティンさん
コウシュウ・テイスティング
●デニス・ギャスティン●
80年代を在日豪州大使館・商務官として過ごす。89年帰国後、輸出会社「オーストラリアン・プレステージワインズ」社設立。傍ら地元日刊紙にワインコラムを執筆する。ヒュー・ジョンソン、ジャンシス・ロビンソンへの執筆協力多数。豪州ワイン生産者組合のゲストスピーカーとして業界への提言も行う。
              <酒販ニュース1435号より>
 ワールドワイドな甲州種ワインラヴァーの一人であるデニス・ギャスティン氏が1月14日、業界紙<酒販ニュース>の案内で旭洋酒を訪れました。小さな工場内を一通り回られ、古いバスケット・プレスが当時の状態のままで残っている様子などに感心された後、2002年産の甲州種ワイン5点をテイスティングされました。ギャスティン氏はそれぞれのワインの収穫時の糖酸度、収穫量、仕込みの方法、アルコール度数や残糖などのデータを細かくノートし、それぞれについてイメージされる相性の良い料理なども盛り込みながらコメントされました。
 
 氏が特に気に入られたワインは現在タンクでシュール・リー中のもので、「非常にフレッシュで果実味がある。アサリを使った料理に合うのではないか」「こういった良い甲州種ワインを東京で買おうと思ってもぜんぜんないのは残念」と感想を述べられました。また、同じワインを発酵後フレンチ・オークで貯蔵しているものについては「香では樽の感じがそれほど感じられずフルーティーであるのに対してアフターに樽の舌触りと甘いニュアンスがあり絶妙」とコメント。その他、樽発酵ワインを使ったブレンドなど興味深いアイデアも出していただきました。おまけでみて頂いたアメリカン・オークで熟成中の甲斐ノワールについては「非常に特徴的な鮮やかな色で澄んだエッジが美しい。オーストラリアのルビー・カベルネに似た品種香がある」ということでした。
 
 ギャスティンさんが東京に住んでいた20年前は輸入ワインがそれほど多くなく甲州種ワインも今より手に入りやすかったそうです。「白ワインの定番品は甲州種で勝負」という私たちの方針に大いに賛成され、「樽や酵素の使用など醸造上での様々な挑戦だけでなく収量や仕立てなど畑からの取り組みを大切にして頑張ってほしい」とエールを送ってくださいました。