「高齢者の死因」
日本人の死因の一番目は悪性新生物(癌)、二番目が心臓疾患、三番目は脳血管疾患。

それでは4番目は? 肺炎なのです。肺炎って、風邪をこじらせるとなる病気だと思うかもしれませんが、肺炎の原因はそれだけではないのです。肺炎で亡くなる人の90パーセント以上が高齢者なのですが、それはなぜでしょう? もちろん、高齢者は抵抗力が低下しているからなのですが、肺炎は肺に病原微生物が増殖し引き起こす病気です。その微生物は口から侵入するのです?

「誤嚥ってなに」
誤って燕下することを誤嚥と言います。高齢者は、燕下反射が衰えている為、誤って飲食物や唾液が食道ではなく気道に流れ込んでしまうことがあります。むせても咳で充分に異物を排除できず、また誤嚥している事に気づかない事もあります。誤嚥が高齢者の肺炎の主な原因だと言われています。


「不衛生が死を招く」
肺炎の原因菌は多くありますが、肺炎の患部から口腔内常在菌が発見される事からも誤嚥がその引き金になっている事が分かります。事実、某大学の研究で特別養護老人ホームの入居者に口腔衛生指導を行う事により、肺炎の発症率をほぼ半分にできることが分かっています。

寝たきりになった高齢者は、どうしてもお口の中が不潔になりやすく細菌が繁殖しやすい環境になっています。更に、歯周病や口腔粘膜潰瘍があると血流を通して虫歯菌や歯周病菌が全身に運ばれ、敗血症や細菌性心内膜炎を引き起こします。疫学的調査によりますと、歯の周囲の骨が歯周病によって溶け始めている人は、そうでない人に比べて死亡のリスクが1,85倍あり、20パーセント溶けるごとに死亡率が5パーセント上昇することが分かっています。高齢者のみならず口腔衛生状態の良し悪しは、正に死に直結しているのです。